集英社「OurAge」×雑誌「eclat」スペシャル企画 /「eclat」(17年5月号)からご紹介します。
若いころとは明らかに様子が違う毛穴目立ち。昔と同じケアではつるんとならないのは明白です。以前の毛穴と何が違うのか、どうすれば毛穴レスな肌になれるのか、専門家に教えていただきました。
大人世代になって再び毛穴が
目立つのはなぜ?
資生堂 研究員
飯田年以さん
資生堂リサーチセンター勤務。皮膚科学研究グループの主任研究員。長年にわたり、たるみによる毛穴のメカニズムを研究。
美容愛好家
野毛まゆりさん
大手化粧品会社勤務後独立。悩みのタネだった毛穴を克服した、毛穴ケアの達人。エクラ世代特有の毛穴の対処法を考案。
皮膚科医
髙瀬聡子先生
ウォブクリニック 中目黒総院長。慈恵会医科大学卒業。大人世代の毛穴を見つめ続け、日々の治療、化粧品開発にあたる。
50歳の毛穴は頰のたるみが
主な原因! ほうれい線の深さと
毛穴目立ちは比例する!?
「大人世代はエイジングによって真皮がゆるみ、重力によって下方向に引っぱられて毛穴が開き、つながったように見えます」と髙瀬聡子先生。
「若いころの毛穴の開きが皮脂による影響が大きかったのに対し、この世代の毛穴目立ちは真皮のコラーゲンやエラスチンの生成が低下するのが原因。さらに毛穴まわりのハリがなくなることで毛穴が目立つようになるのです」。
資生堂の飯田さんも「特に頰の部分に毛穴が目立つのが大人毛穴の特徴。これは頰の下垂が大きく関係し、ほうれい線が深い人ほど、楕円形にゆがんで目立つ傾向にあり、つながって見えることも」あるそう。
大人毛穴の正体は肌の奥でクッションの役割をしている真皮のへたり。毛穴の詰まりを取り除いたり、肌表面をケアしているだけでは、いっこうに引き締まらないのです。
進化したたるみ解消スキンケアの
効果を信じて、しっかりていねいに
なじませることが毛穴解消への近道
だからこそ、大人
の毛穴ケアは、肌の内側にアプローチすることが肝心です。
「真皮の機能を高め、ハリや弾力をアップさせるスキンケアをお手入れの中に取り入れましょう。また、肌が乾燥すると毛穴が目立ちやすくなるので、潤いで満たすことも忘れずに」(飯田さん)。
間違ったマッサージに警鐘を鳴らすのは髙瀬先生。「真皮をあらぬ方向に生成させ、たるみ毛穴を悪化させてしまうことも」。
信頼できるお手入れ法で無理なくケアすることが大事だと、野毛まゆりさん。「化粧品のたるみケア効果を信じて、それをしっかり肌の奥に届けるなじませ方を心がけましょう。また、メイクで毛穴をカムフラージュすることと両輪で。肌がつるんと整うと気分も明るくなり、毎日のお手入れの励みにもなります」
では、大人の毛穴が目立つ3大原因とは?
大人毛穴が目立つ3大要因
1 ハリの低下
真皮の弾力線維がへたり
毛穴が地盤沈下
真皮のコラーゲンやエラスチンといった弾力線維が、年齢とともに生成されにくくなり、へたったマットレスのようにハリのない状態に。毛穴が落ち込んだように開いてしまいます。
2 ターンオーバーの乱れ
28日サイクルが乱れ、
肌表面のハリ感もダウン
加齢や女性ホルモンの低下、紫外線の影響などで、ターンオーバーの周期が遅延。古い角層は水分保持能力が低く、ハリを失って毛穴がガバッと開くのと同時に、詰まりやすくなります。
3 メラニンの蓄積
紫外線やお手入れによる摩擦で
毛穴まわりがシミ状態に
角栓を毛穴から強く押し出すなど、若いころの皮脂詰まりケアが習慣となって、肌に負担をかけている人に多い黒ずみ。詰まりケアを卒業して、毛穴に優しいふっくらケアへと切り替えることをお勧めします。
次回からは毛穴まわりをしっかり締めるケアについてご紹介します。
撮影/河野 望(物) 長谷川 梓(野毛さん) 構成・原文/小田ユイコ イラスト/長谷川まき