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十和子道第12回「キレイな部屋は美人をつくる~君島家のキレイのルール~」

君島十和子

君島十和子

君島十和子. 1966年生まれ。モデルとして活躍後女優に。1996年、結婚を機に芸能界を引退。現在は自身のコスメブランド「FTC」のクリエイティブディレクターとして数々のヒットを生み出している。2女の母。

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取材期間1年以上、収録写真は約400点。自宅で撮影し、オール私服で登場した〝ライフスタイルブック〟の決定版、それが『十和子道』。発売されるや瞬く間に大増刷され、なんと6刷を記録した大ヒット本です。その本のもととなった連載(過去にOurAgeにて配信されたもの)の一部をお見せします!

「十和子道」第12回

「キレイな部屋は美人をつくる~君島家のキレイのルール~」

 

「掃除は自分磨き」という言葉。これはけだし名言だと思います。

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私くらいの世代になると「キレイな環境が美人を作る」「家のキレイと自分のキレイはリンクする」という、まことしやかにささやかれる相関関係が、やはり本当だということがわかってきます。

 

例えばいつもキレイで素敵なママ友。お宅に伺ってみると、きちんと設えられたおうちは誰かに見せるためのものではなく、日々の暮らしの中で当たり前にキープされているものでした。とくに誰かが誉めてくれるわけではなくても、日々お掃除の行き届いたキッチンで家族のために料理の腕をふるい、みんなが心地よく過ごせるよう部屋を整えておく…専業主婦時代、こうしたママ友から学ばせていただいたことがどれだけ多かったか。

 

 

「部屋が散らかっていても仕方がない」と、ホコリをためる、水周りの水垢を見て見ぬふりをする、カーペットのシミを放置する、増えていくモノを出しっぱなしにしておく…。

そんな暮らしをしていると、いつの間にか自分を包む〝気〟のようなものに表れてしまうと思うのです。

年季の入った家でもしっかりとケアされた家は、清潔でとても居心地が良く味わいや趣きがあります。

 

それは外見や心の「老化」にもいえることです。

たとえば白髪ひとつとっても「歳をとったんだから仕方がない」と伸びたままでパサパサの白髪でいる人と、きちんと手入れの行き届いた白髪の持ち主はその雰囲気やたたずまいも違ってくると思いますし、手入れの行き届いた肌はたとえ笑ったときにシワができようとも美しく幸福感に満ちています。

 

 

だから、部屋も自分もせっせと手をかけて「キレイ」をキープするべき。

自分の周り(部屋)がキレイだと、それはひとつの自信になります。目に見えなくても自分をとり巻く「清潔」「清廉」という空気は確実に女性を美しくすると思います。

 

掃除もアンチエイジングも大敵は同じ。

大敵とは……

「面倒くさい」という怠惰です。

 

「面倒くさい」はエネルギーをしぼませ、キレイでありたいという気持ちを萎えさせてしまいます。

掃除も自分磨き(=アンチエイジング)も、とにかく取り組む。「それはわかっているんだけど…」と悩み迷う時間は無駄でかえってストレスにさえ感じます。

 

50代、まだまだ人生は長く続いていきますが、「どうしよう」なんて迷う時間の余裕はありません。

人は、特に女性は環境に同化する生き物だと思うのです。

どんな環境にもよくも悪くも順応して生きやすいもの。

部屋をキレイに片付ければ「あー、気持ちいい」と幸せな気分になれるし、洗い立てのパリッとしたシーツに触れれば心地よさを感じるし、ピカピカに光る窓や鏡は気分をよくしてくれます。人や部屋やモノが美しくあることは誰にとっても気持ちいいものです。

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私が家事の中で一番好きなのが洗濯です。

夕食の洗い物が終った後、台所のふきんにお気に入りの固形石鹸をこすりつけて、力を込めてキュキュッと洗います。飛びはねた油や食べこぼし跡のシミがみるみる落ちて真っ白になると、なんともいえない達成感を感じます。

 

苦手なのは整理整頓(決して嫌いなわけではないのですが、主人に言わせると、「きれい好きの片付け下手」だそうで、どうも最後の詰めが甘いようです)。

 

主人は義母の徹底した美意識の下に育ったこともあり、我が家では「ミスター原状復帰」の異名を持つほどの整理整頓能力の持ち主です。義母の家は、家中どこの引き出しをいつなんどき開けても、非の打ち所がないほど完璧に整頓されていて、20年前にお嫁にいったときにビックリしたことを覚えています。

 

そんな義母譲りの美意識を持つ主人のおかげで、我が家はいつもすっきりと片付いていて、生活感の出やすいキッチンも「ホテルみたい」と言われるほど。

そう言われてみれば、炊飯器も調味料もジューサーも食器洗い洗剤も目につく場所には置いてありません。

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徹底した収納でモノを見せないためか、ミニマリストと勘違いされたりしますが、決してそうではありません。極力モノを持たずに暮すミニマリストという生き方に、シンプルライフの心地よさや豊かさを感じ憧れたりもしますが、私ときたらまだまだ、靴やアクセサリーや洋服など、捨てることができず常に煩悶の日々…。家の中で一番煩雑なのが私のプライベートスペースかもしれません。

 

ですので、モノを最小限しか持たないのではなく、モノを最小限に見せるという、「見せない収納」が、うちの「キレイのルール」の基です

 

そのほかにもある我が家の「キレイ」のルールをご紹介します。

 

ルール①水周りに水滴を残さない

キッチンのシンクに限らず、お風呂や洗面所など水周りといわれるところはすべて「水滴厳禁」です。水滴を残しておくと水垢が付着してしまい、その水垢を除去する作業に手間と時間がかかります。キッチンではシンク専用のふきんでシンクやカウンターの水滴を拭いて、そのふきんを洗濯機に入れるまでが台所の洗い物仕事。

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お風呂のガラスと床は主人がスクレーパーを使って、水滴を一滴残らず掻きだしています。お風呂場には私のリンスやシャンプーのボトルは置きっ放しにしません。使ったら濡れたボトルを全部拭いて洗面所の棚に毎回しまっています。

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ルール②光物はいつもピカピカに!

ダイニングテーブルもリビングにあるテーブルもガラス製で、結婚の際に義父が用意してくれたもの。かれこれ20年以上のつきあいになります。結婚当初、義母にガラスのテーブルを使う者としての心得や覚悟を叩き込まれました。「ガラスはピカピカに光っているべきもの。汚れや指紋はもちろん、拭き跡も残してはいけないのよ。ガラスを常に透明に美しい状態に保てないのであれば、木製のテーブルを使うべき」と。これはもはや家訓です。義母は右手に持った濡れタオルで汚れを拭きとり(汚れがひどいときは洗剤をつけて)、左手に持った乾いたタオルですかさず水分をふき取っていました。タオルの繊維も水分も何一つ残さないようにキュキュッと、両手を使って。

 

私も義母に教えこまれたやり方でずっとピカピカを保ってきましたが、最近は濡れたタオルの代わりにキッチンペーパーと食卓テーブル用の除菌消臭効果のあるクリーナーで、指紋や汚れが目に付いたらさっと拭くようにしています。目に付いたらすぐにです。すぐにやればお掃除の手間はミニマムで済みますから。

「人の家のゴミや汚れは目につきやすいけれど、自分の家のものは見えにくい」。これをしっかり肝に銘じて。

 

ルール③白いモノは白さをキープする

台所で使うふきんはいつも真っ白にしておく。これも義母の影響だと思います。義母は毎日、洗い物が終るとふきんを石鹸で手洗いし、専用のお鍋で煮て、煮沸までしていました。私はさすがに、ふきんをお鍋で煮る…まではできませんが、使い込んでいるわりには真っ白なので今回の取材でも「毎日、漂白剤でつけおき洗いとかしてるんですか?」と聞かれましたが、いえいえ。ただ毎日、固形石鹸でごしごし手洗いして、洗濯機で洗っているだけです。

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白いモノに着いた汚れや黄ばみは、「時間があるときにまとめて洗ってきれいにしましょう」と思っても無理です。毎日、“元々の白さ”をキープするべくこまめに洗うことがコツ。白いモノはその白さを保とうとすると案外長くキレイでいてくれます。「汚れが目立つから…」と、いつの間にか家庭生活から消えていくことが多い「白いモノ」ですが、我が家はソファ、クッション、イスも白です。

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白は女の子にとって美しさや清廉さを育む色だと思っています。娘たちのためにも(私のためにも)「白いモノ」たちに、できるだけたくさん囲まれていようと思います。

 

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家はリラックスする場所。生身の自分を解放し、伸び伸びと呼吸させる空間。

そのため休息の場に色の刺激は必要ないと、なるべく強い色を排除しています。

 

 

「ストイックで大変そう…」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、実は楽をする為、そして美しく生活する為に自然に出来たルールです。

まず、「お掃除にかかる時間と手間が激減」します。リビングもバスルームもキッチンも露出しているモノが最小限なので、クリーニングが簡単です。今日もクイックルワイパーで、つるつるーっと床をひと滑り(?)しただけです。

 

洗い物の後にふきんを洗うのなんてほんの1分もかからないこと。キッチンのシンクも最後に水滴を拭いているので、水垢でステレンスが白濁したり汚れたりすることがありません。だから水垢を落とす特別なお掃除は必要なし。

そうそう、年末の大掃除もやりません。「日々のお掃除やかたづけの習慣は、結果、主婦が年末ラクできるためにある」と思うのです。

 

やったらやった分だけ確実にキレイが返ってくるという、「100%報われる努力」がお掃除。自分の意思がすべてに行き届くという嬉しくて正しい条理です。

 

だから今日も私は、「キレイの報酬」を期待して、せっせとふきんを洗って、クイックルワイパーですいすいと床を磨こうと思うのです。この下心は一生持ち続けるつもりです(笑)。

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撮影/冨樫実和、本多佳子  取材・文/稲田美保  ヘア/黒田啓蔵(スリーピース)

*オールカラー、自宅で撮影、オール私服、収録写真400点

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