温泉の湯治や美容効果に着目して発見された微生物
世界屈指の温泉大国である日本。この小さな島国の中におよそ2万8千もの源泉があり、湧出量は毎分260万リットルなのだとか。そんななかで、日本一の規模を誇るのが大分県にある別府温泉。2,850本の源泉を抱え、町のあちこちから湯煙が立ちのぼります。
(毎分8万リットル以上のお湯が湧出する別府温泉は平均温度も日本一高く、多くの温泉は90〜100度にも及ぶのが特徴。ちなみに湧出量第2位は同じく大分県の湯布院温泉で毎分4万4千リットルほど)
浮力や温熱作用など入浴による物理的な作用に加え、温泉に含まれる成分などが相まって、治癒効果が得られるわけですが、温泉水や温泉泥の調査研究を行っても、温泉の効果は謎に包まれた部分が多々ありました。
そこで「SARABiO(サラビオ)温泉微生物研究所」は、80度以上にも達する源泉に生息する微生物、温泉藻の生命力に着目。無数の温泉藻の検証を繰り返すなかで、新たな温泉藻を発見したのです。そのなかでもっとも高い抗炎症作用をもつ藻を「RG92」と名づけました。その名前は「世界で92番目にみつけられRegeneration Gateway(再生への道)」に由来しています。
(温泉藻は昆布やワカメと同じ藻類。バイオ燃料としても注目されるユーグレナ、スーパーフードのスピルリナも同じ仲間で、世界中から注目が集まる)
無限の可能性をもつ温泉藻類「RG92」
温泉藻類「RG92」は、2011年に発見されて以来、広島大学や、信州大学などの大学機関や研究機関との共同研究により、抗炎症作用のほかに、酸化や糖化のダメージを緩和するアンチエイジング効果もあることが明らかになり、特許を取得。その将来性に世界中から注目が集まります。
さらに、腰痛や関節痛、リウマチによる痛みの緩和、アトピー性皮膚炎やニキビ、痒みの改善効果も科学的に立証。また、肌にやさしいナチュラルコスメ原料として、フランスの国際有機認定機関によるオーガニックの世界基準である「エコサート」認定も受けました。
そんな温泉藻類「RG92」と同じく別府温泉から発見された新種の「温泉酵母」を贅沢に配合したスパブランドが「onsensou」。シャンプー、トリートメント、ボディソープなどのインバスアイテムと、ミストやハンドクリームなどのアウトバスアイテムを展開。今回は発売からまもなく1年を迎える、「ダメージケアPROシリーズ」をご紹介します。
攻めと守りのケアで悩みの多い大人の髪にアプローチ
カラーリングやパーマ、ドライヤー、大気汚染などの外的要因、そして加齢…と、OurAge世代の髪にはさまざまなダメージが蓄積。切れやすい、パサつき、ハリ・コシ不足、ツヤがない…など悩みが多く、ヘアスタイルが決まりにヘアスタイルが決まりにくくなることも。「onsensou ダメージケアPROシリーズ」は、そんな大人の髪を内側からしっかり補修してシルクのような艶やかな髪に導く、髪質改善を目指したプレミアムなライン。
(温泉藻類「RG92」の抗炎症作用によって頭皮環境を整え、抜け毛を防ぐ効果も期待できる。左から/onsensou ゴールデンシルク リペアシャンプー 250ml ¥4,400、同 ゴールデンシルク ヘアマスク 180g ¥4,400(ヴェラス))
シャンプー、マスクの両方に、温泉藻類「RG92」に加え、さらに保湿力が高くツヤを与える効果のあるゴールデンシルクエキスを配合。
シャンプーにはダメージ修復成分や毛髪保護成分、そして温泉酵母を配合。乱れた頭皮環境を攻めの成分である温泉酵母と守りの成分であるRG92が健やかに整えます。すすぐとリンスに変わる仕様です。
マスクにも加水分解コラーゲンなどの保湿・補修成分を贅沢に配合し、ダメージをしっかりリペア。クセやうねりもしっとりとまとまり、サロン帰りのような艶やかな洗い上がりを実現。
香りにもこだわり、爽やかなジンジャー&ジュニパーベリーからはじまり、清涼感のあるライム、ロータスへ変化。ラストノートは深みのあるサンダルウッドと雪松に。まるで森林浴をしているような心地よさ。シャンプー選びに悩んでいる人にも、ぜひ一度手に取ってほしい製品です。
水産・畜産分野でもその効果に期待が高まる!
ところで、サラビオはコロナ禍中に「温泉藻類RG92にはウイルス侵入誘導因子の増加を有意に53.4%くらい滅し、炎症反応を抑える効果がある」という研究結果を発表しました。大分県内のヒラメの養殖に取り入れたところ、へい死がなくなるばかりか、体重が平均より1.4倍大きく、うまみ成分であるイノシン酸が増大するという結果に。
(RG92を配合した「RGマルチアクティブローション」は、2017年の夏の甲子園でベスト8まで勝ち進んだ大分県明豊高校の野球部に寄付され、試合後の疲労回復や日焼けの炎症対策に使用されたことも)
これは、RG 92のもつミトコンドリアの活性化作用によって腸内環境が整い、餌の栄養吸収効率が向上したためではないかと考えられています。これまでヒラメの養殖にはワクチンや投薬が欠かせませんでしたが、RG92エキスを与えたヒラメは、ワクチンも投薬もなし! 食の安全がひとつかなえられたのです。現在、日本国内外の畜産・酪農分野でもRG92が投与され、次々に芳しい結果を残しています。温泉の街から発見された温泉成分が、大分県活性の大きな架け橋に!
SARABiO温泉微生物研究所
大分県別府市大字鶴見1356-6
取材・文/新田晃代