鳥取産ベニズワイガニから生まれたパワフルなスキンケア
中国地方の北東部にあり、日本で一番人口が少なく、日本で7番目に小さい鳥取県。鳥取といえば砂丘が有名ですが、二十世紀梨の生産量は日本一ですし、ベニズワイガニの水揚げ量は鳥取県堺港市の堺漁港が年間8,000トンと、全国の約6割を占めています。北は日本海に面し、南は中国山地の山々が連なる鳥取は、自然災害が少なく、四季の移り変わりの美しさは全国の中でも指折りです。
(東西16キロ、南北2キロに広がる砂丘。1963年に国立公園に指定された。一日の中でも刻々と姿を変えるところも魅力)
そんな堺漁港で水揚げされたベニズワイガニを使ったコスメを発見しました。OurAge世代のお肌の救世主になりそうな興味深い製品だったので、さっそくアポイントを入れてお話しを伺うことに。対応してくださったのは、ベニズワイガニのコスメを製造・販売するシャルビーの代表・工藤陽平さん。
捨てられるはずのカニの殻から生まれた
悩み多き大人の肌に寄り添うスキンケア
「鳥取大学と鳥取県が連携し、研究を進めている『Nアセチルグルコサミン』という成分があります。ベニズワイガニをはじめとする甲殻類に多く含まれる成分なのですが、このNアセチルグルコサミンを配合したスキンケアラインを商品化するよう、県から依頼を受けました。
Nアセチルグルコサミンは、いうなれば天然のグルコサミン。実はヒトの体内でも軟骨や皮膚、眼球などにも含まれ、細胞と細胞を繋ぐ役割を担う大切な成分です。グルコサミンといえば、関節痛を改善する成分として認識されていますが、実は傷の修復を促したり、肌の潤いを保持したりと、美容効果も高いのです」
(ベニズワイガニの名前は、茹でる前から赤いことに由来している。ベニズワイガニの水揚げ量が日本一を誇る堺港は「ゲゲゲの鬼太郎」の作者・水木しげるさんの出身地でもある)
ベニズワイガニは鮮度が落ちるのが早いため、堺漁港の付近の水産加工会社で、むき身を缶詰加工することが多いのですが、その際に大量のカニ殻が残ります。それまで捨てられていたカニ殻をアップサイクルして、化粧品の原料にしているというわけです。
そんなベニズワイガニの殻からとれたNアセチルグルコサミンの効果をいかにして引き出すかが、製品化の最大の課題だったと工藤さんはいいます。試行錯誤ののち、完成したのが「ほほうるる」シリーズ。全6アイテムの中からOurAge世代におすすめの製品をセレクトしていただきました。
◼︎アイテム1:時短もかなうオールインワンジェル
(ほほうるる オールインワンジェル 100g ¥4,378(シャルビー))
ウォーターベースのジェルクリームで、これひとつで化粧水・美容液・乳液・保湿クリーム・化粧下地の役割を果たします。忙しい朝や疲れて帰宅した夜もこれひとつでスキンケアがかなうのはうれしいかぎり。
手にとると体温でジェルクリームがローション状になり、すっとのび広がりしっかり保湿。低刺激なので敏感肌や子どもの肌にも使用可能です。修復効果や保湿効果が高いといわれているNアセチルグルコサミンのほかに、フィッシュコラーゲン、基材となる水も鳥取県産の天然水を使用しています。どちらも生産地まで赴き品質を確認。生産者と直接話をして採用したものをセレクトするなど、こだわりの詰まった一品に!
◼︎アイテム2:肌への優しさにとことんこだわった石けん
(ほほうるる うるおい石けん 80g ¥2,200(シャルビー))
そしてもう1点、工藤さんがおすすめするのがコールドプロセス製法で生産した石けん。コールドプレス製法とは、材料に熱を加えずにじっくりと時間をかけて自然に乾燥・熟成をさせて石けんを作る方法。熱を加えないことで、配合した美容成分が壊れにくいというメリットがあります。
スキンケアの基本となる「落とす」ケアを肌に負担をかけることなく行うために作られた石けんにも、鳥取県産のフィッシュコラーゲンと天然水を使用。きめ細かな泡立ちと、ほのかに香るラベンダーの香りもグッド。肌に不要な汚れや皮脂だけをオフしながら潤いを補い、洗い上がりはお肌スベスベ。顔だけでなく、贅沢にボディにまで使いたくなるはず。
人一倍、地元愛が強いという工藤さんは、これからも鳥取の魅力を高めるような商品開発を続けていきたいとのこと。次にどんな製品が誕生するのか、目が離せません。
取材・文/新田晃代