古きよき伝統が受け継がれる美しき金沢
本州中央部の日本海側に位置する石川県。県庁所在地である金沢市は、戦国時代に加賀一向一揆の拠点として、真宗本願寺を「金沢御堂(かなざわみどう)」として建立。その周りに町がつくられたのが金沢のはじまりだといわれています。その後、金沢御堂は攻め滅ぼされますが、その後、金沢城を築き加賀・能登・越中を合わせて加賀百万石の城下町として繁栄しました。
(金沢の中心にある特別名勝兼六園は、水戸の偕楽園、岡山の後楽園と並ぶ日本三名園のひとつ。加賀歴代藩主により長い月日をかけて形づくられた。季節ごとに違った色彩豊かな風景を楽しむことができる)
春や夏は晴天が続きますが、冬は北西からの季節風により気温が低く雪が降る日が多く、四季の変化がはっきりしているのも金沢の魅力です。
江戸時代に加賀藩が工芸振興に力を入れたことで、金沢には今でもさまざまな伝統工芸産業が継承されています。その中のひとつが金箔の製造。江戸幕府から京都以外で金箔製造の禁止が出てからもこっそり製造を続けていたともいわれ、今では金沢箔が全国の金箔生産量の98%を占めています。
(約2gの金を畳一畳分の大きさまでのばすと、1万分の1㎜という極限の薄さに。息や静電気でも破れてしまうほど繊細な金箔は、静電気が起きにくい竹箸で扱う)
ここまで発展した理由のひとつに、金沢の気候や水質などが金箔を作るのに適していたことが挙げられます。
金沢の金箔(*2)を贅沢にスキンケアに配合
そんな金箔を化粧品に配合した金沢発スキンケアブランド「KINKA」をご紹介したいと思います。「KINKA」は、金沢箔の製造販売を行う「箔一」のコスメブランド。箔一は、400年に渡り受け継がれている箔打ちの伝統を守るべく創業された会社です。
金箔の美しさを伝えるために、金沢箔工芸品を日本で初めてつくり、その後、金箔を打つ際の副産物である「箔打紙」に着目して誕生した「あぶらとり紙」を発表。あぶらとり紙ブームを生んだこのビジュアル、見覚えがある方も多いのではないでしょうか?
(金箔の技術を応用して、紙を何度も繰り返し叩いて繊維を潰すことで柔らかく吸収率のいいあぶらとり紙が完成する。あぶらとり紙「金沢金箔ふるや紙」ゴールド ¥495)
そして、料理用の金箔の発売、建築分野への参入などを経て、金箔(*2)を配合したスキンケア「KINKA」が誕生。保湿成分である水溶性プロテオグリカンや厳選された植物エキスを採用した、それだけでも十分にケア効果の高いスキンケア商品に贅沢に金箔を配合することで、見た目の美しさだけでなく美容効果もさらにアップ。
古代エジプトのクレオパトラや中国の楊貴妃が美容のために愛用していたとされる金には、血流促進効果や抗酸化・抗炎症作用など、たくさんの肌にうれしい効果があるといわれています。
「KINKA」の中でもOurAge世代におすすめのアイテムを箔一の商品開発の石野さん、佐々木さんにセレクトしていただきました。
大人の肌を潤いとハリで満たすおすすめ3アイテム
■おすすめ1: ハリを保つローション(化粧水)
(金華ゴールド ナノローション N 180ml ¥3,850)
ぷるんとしたゼリーのようなテクスチャーのローション。商品開発の際、金箔(*1)が沈まず均一に散らばるよう配合するのがひと苦労だったそう。ヒアルロン酸Na(*2)や加水分解コラーゲン(*2)のほかに、保湿効果の高い大豆由来のナットウガム(*2)、アロエベラ葉エキスやクズ根エキスなどの植物プラセンタなどの保湿成分が、肌に潤いと弾力をもたらします。
(金華ゴールド モイスチャークリーム N 80g ¥3,850)
ジェルのみずみずしさとクリームのコクを併せもつスキンクリーム。ローション同様の美容成分に加え、ミネラル豊富な海藻エキス(*3)をたっぷりと配合。肌にのせると、しっとりとしたヴェールで肌を包み込み、肌の潤いが逃げないよう密封。ほのかなローズの香りで、肌調子だけでなく気分までもアップ。
■おすすめ3:ビタミンC誘導体配合のセラム
(金華ゴールド カプセルEX N 31g ¥5,500)
油溶性ビタミンC誘導体(*4)などの美容成分を海藻由来成分でできたカプセルに閉じ込め、プッシュするたびにカプセルが弾け、美容成分を新鮮な状態で肌に届けることができるリュクスな美容液。ハリ感アップ、シミやそばかす対策にもおすすめ。こちらもみずみずしい使用感で、肌をしっかりと潤わせます。
価格は、創業者の「一人でも多くの人の手に届くように…」という企業努力によって、高品質ながらお手頃な価格に設定されています。
近年、箔一では、1,200年という節目を迎える真言密教開宗を記念して、現代アーティストの小松美羽さんが作成した4mもの巨大な曼荼羅の箔加工を担当するなど、アートを通してより多くの人に金沢箔の魅力を伝える活動を行なっています。
時代を読みながら新たな取り組みにチャレンジしていくこの姿勢こそが、この素晴らしい伝統が末長く後世にまで受け継がれていく秘訣なのかもしれません。
*1整肌成分 *2保湿成分 *3アルゲエキス(保湿成分) *4テトラヘキシルデカン酸アスコルビン(還元成分)
取材・文/新田晃代