すべての細胞の健康に欠かせないビタミンA。
その役割は? 加齢で欠乏していくのをどう補うべき?
アンチエイジング成分として、注目されているビタミンA。
ビタミンAはレチノール、レチナール、レチニルエステル(パルミチン酸レチノール)などの種類があり、エイジング悩みに対応する成分として知られていて、レチノール配合などとうたわれたコスメが気になっている人も多いのでは。
ビタミンAとは、どんな成分で、どんな働きがあるのでしょうか。
ビタミンAスキンケアのパイオニアとして知られる『エンビロン』の開発者であり、サイエンティフィックディレクターのDr.デス・フェルナンデスに詳しくお聞きしました。
6月に来日した、Dr.デス・フェルナンデス。
世界的に著名な形成外科医であり、過去30年以上にわたり、エンビロンの斬新なビタミンA配合エイジングケア化粧品やトリートメントによって、ビタミンAスキンケアのパイオニアとして活躍。長年のビタミンAの研究を踏まえ、語ってくださいました。
「私たちの体のすべての細胞にもともと存在し、心臓をはじめとする内臓や筋肉、骨や皮膚など、すべての細胞が健康であるために欠かせないのがビタミンAです。
ビタミンAの肌への作用としては、肌のターンオーバーの活性化、皮脂のコントロール、コラーゲンやヒアルロン酸の生成促進、活性酸素などのフリーラジカルの除去などがあり、美肌づくりのキー成分のひとつといえます。
ただ、ビタミンAは光に敏感なので、紫外線を浴びやすい皮膚のビタミンAは他の部分に比べて破壊されやすく、毎日5%くらいが破壊され、再生&補充できるのは3%くらいともいわれています。
つまり、毎日2%くらいのビタミンAが欠乏していってしまうのです。
若いころはともかく、年齢を重ねるにつれ、欠乏状態が長く続くことになってしまうわけですね。このように毎日失われてしまうビタミンAを常に与え続けなければならないという哲学から生まれたのが『エンビロン』のスキンケアです」
皮膚におけるビタミンAの働き
・肌のターンオーバーを正常化する
・コラーゲンやヒアルロン酸の生成を促す
・皮脂をコントロールする
・エラスチンの質の向上
ビタミンAが不足するとどうなるの?
「ビタミンAの欠乏状態が長く続くと、さまざまなトラブルが起きてきます。
例えば、過剰皮脂により毛穴が大きく開いたり、肌に赤みが出たり、またターンオーバーが乱れて肌表面の角層が厚くなり(角質肥厚)、肌が固くザラザラしたり、乾燥しやすくなったりします。
また、コラーゲンやエラスチンなどの真皮構造の線維のダメージにより、たるみやシワが生じることがあります。
さらに色ムラや肌のくすみ、シミなども目立つなど、あらゆるエイジング悩みの全てに関わっているのがビタミンAなのです。だからこそ、スキンケアでビタミンAを与えることが重要になります。
『エンビロン』のビタミンAは他の化粧品とどこが違うのかとよく聞かれるのですが、ビタミンA自体は基本的に同じです。
ただ、配合の濃度や組み合わせる成分が違うのです。ビタミンAと同時に必要なビタミンC成分やEなどの美容成分、さらにペプチドやAHAなどを組み合わせることで、どんな肌タイプの人にも、どんな悩みを持つ人にも、確かな結果を感じることができるように考えて開発しています」
ビタミンAスキンケアはいくつから始めてもいい!
「スキンケアを始めるのに遅すぎるということは決してありません。
私の伯母の話ですが、彼女が『エンビロン』のスキンケアを始めたのは74歳のときでした。今は99歳になりますが、周りの同世代の中では私が一番若く見えると自慢しています。
私のクリニックの患者さんの中にも80代になってから始めた人もいますが、肌状態に応じたスキンケアでとても若々しい肌を保っています。
いくつになっても効果的なスキンケアをすることで、肌が美しくなるのはもちろん、それにより喜びを感じるのは精神的にもとても良いことだと私は思っています。
60歳でスタートしても、80歳まで20年、100歳までは40年もあるのですから、迷わず、今すぐ始めてほしいですね」
ビタミンAスキンケアの上手な取り入れ方を知りたい
注目の成分ですが、ビタミンA配合のスキンケアは刺激を感じるという声もあります。欧米人に比べて角層が薄く、敏感な肌になりやすいという日本女性の場合、毎日のお手入れに上手に取り入れる方法を知りたいですね。
「私の研究によると日本女性の方がビタミンAの刺激が感じにくいというデータもあるのです。だから恐れることなく毎日のスキンケアに取り入れてほしいですね。
いずれにしろ、『エンビロン』では、ビタミンAの配合濃度が低いものから使い始め、肌状態に応じて段階的に濃度を高めていくビタミンステップアップシステムを採用しています。
これはビタミンAが欠乏した状態では、肌そのもののビタミンAを取り込む力が低下しているので、いきなりたくさん与えてしまうと刺激になってしまうことがあるからです。
徐々に慣らしていくことで、なめらかでハリのある肌、くすみや色ムラが少ない肌へと導いてくれます。
また、光老化によるビタミンAの欠乏を予防するためには、日焼け止めを合わせて使うことも重要です。
大切なのはビタミンAだけをとるということではなく、肌のコンディションを見極め、特別な成分で肌悩みにアプローチすることです。そのためには、カウンセリングによる自分に合ったホームケア製品を使うこと、そしてさらに結果を求めるなら、スペシャルなトリートメントケアもおすすめしています。コツコツ続けることで、肌の変化を実感できると思います」
2024年9月に発売された2つのビタミンA高配合の上級者向けセラムは、ハリ、弾力、うるおい、透明感、質感の印象など、肌への効果を追求して開発され、肌にもともと存在するビタミンAを相乗的にサポートするよう、つくられているそう。
ビタミンA上級者向けの高濃度ビタミンA美容液。3種類のビタミンAのほか、今回新たに配合した美容成分が、肌本来が持つ保湿機能と肌バリア機能をよりサポート。エンビロンのビタミンA濃度をステップアップして、慣れたら取り入れることでより効率的にエイジングケアができます。Aーブーストセラム30ml¥10,450/プロティア・ジャパン
Aーブーストセラムインテンスには、3種類のビタミンAに加え、肌の弾力や決めが整うのをサポートするリビナージュと、肌本来の健やかさを保つノボチレンを配合。この2つの植物由来のレチノール類似成分が、ビタミンAの効果をブーストし、美肌効果を高めます。A-ブーストセラムインテンス30ml¥11,550/プロティア・ジャパン
エンビロンのC-クエンスセラムはビタミンA濃度が4段階あり、最初は低濃度の1からスタートし、肌のコンディションを見ながら段階的にステップアップできます。Cークエンスセラム 1¥18,040 Cークエンスセラム 2¥20,350 Cークエンスセラム 3¥22,770 Cークエンスセラム 4¥26,400/プロティア・ジャパン
取材・文/近内明子