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白髪は“髪のエイジングケアを開始せよ“というサイン! 10年後も20年後も「美髪」でいるために40代、50代の私たちが今やるべきヘアケアは?「50代白髪調査隊がゆく! 白髪の悩みQ&A」

白髪お悩み歴15年。50代後半になってもいまだ白髪対策迷走中のセトッチが、白髪の悩みを解消すべく、白髪研究のプロに教えていただく連載。白髪に加えて、パサつき、うねり、抜け毛など、さまざまな髪のトラブルに悩まされる40代、50代が、20年後も美しい髪であるために、今始めるべきエイジングケアとは?

この回の質問に答えてくださった方

谷 優治
谷 優治さん
大正製薬株式会社

大正製薬株式会社2016年入社。研究本部セルフメディケーション研究センター セルフメディケーション開発薬理研究室所属。ヘアケア開発に8年従事。

廣岡優美
廣岡優美さん
大正製薬株式会社

大正製株式会社2020年入社。研究本部セルフメディケーション研究センター 製剤第3研究室所属。ヘアケア製品やその他OTC医薬品外用剤の開発に約4年従事。

田中二郎
田中二郎さん
アリミノ 研究開発部 総合研究所 基礎研究室兼業務管理室室長

2003年入社以来、美容室専売品のパーマ、ヘアカラー、ヘアケア、スタイリングの製品開発に従事し、ヘアケアブランド「コアミー」の開発も担当。現在は頭皮や毛髪の基礎研究のマネジメントを行っている。

大原未咲姫
大原未咲姫さん
イーラル株式会社 化粧品研究部

2019年に日華化学株式会社に入社。シャンプー、ヘアトリートメント、頭皮用エッセンスなど、サロン専売のヘアケア商品の処方開発を担う。入社当初より、イーラルブランドに携わり、開発担当者として処方設計やエビデンスデータの取得に携わる。

 

20年後に目指すのは、「きれいな白髪のおばあちゃん」

 

セトッチ:最近、自分よりも20歳以上年上の70代、80代の女性だと思うのですが、ふんわりとしていてツヤのある、きれいな白髪ヘアの方を見かけたことがあって、年を重ねた美しさという感じでいいなぁと思いました。

 

そうした方の髪を見ると、ヘアカラーで白髪をカバーすることももちろん大事ですが、10年後、20年後のことを考えたら、50代の今、いちばん大切なのは、髪を健康に保つということかなと思います。いずれは、「きれいな白髪のおばあちゃん」になりたいのですが、今からできることは何でしょうか。

 

大正製薬 谷:そうですね。白髪は、「色がついていない」というだけで、黒髪と同様、健康な毛髪です。

ですから白髪も黒髪と同様に、頭皮や毛根をきちんとケアして、きれいな状態で生えてくるようにしたいですね。

毛髪は、ヘアサイクル(毛周期)の中で、「生える→抜け落ちる→再び生える」ということを繰り返しています。

 

ヘアサイクルとは、以下の3つの段階からなり、生えている髪の8~9割は、成長期にあります。

1)成長期(細胞が活発に増殖して、毛が作られる時期)

2)退行期(毛の成長が遅くなり、毛が抜けるための準備が始まる時期)

3)休止期(毛の成長が止まり、毛が抜け落ちる時期)

 

ヘアサイクルが一周する期間は人によって違い、だいたい2~6年。

また、一つの毛穴からは常に1~3本の毛が生えていて、一生の間にこのヘアサイクルが何度も繰り返されることで一定の毛量が保たれています。

 

そして、白髪も黒髪同様、成長期→退行期→休止期のヘアサイクルを繰り返しています。

実は、白髪は黒髪よりも成長期の段階が長い傾向にあり、成長期が長いということはその分、黒髪よりも太い髪になりやすいといえます。

 

セトッチ:そうなんですか? 私は、白髪はもう枯葉のようなものだと思っていたので、ずっと退行期のままというイメージでした。

 

でも、太い毛になるということは、白髪が増えていけば、だんだんボリュームが出るということですよね?

年齢を重ねると、薄毛やぺしゃんこの髪で悩んでいる人も多いので、ボリュームアップできるのはうれしいです。

 

大正製薬  谷:白髪だとしても、髪があるだけありがたいことではないでしょうか。抜けて本数が減ってしまったら、ボリュームアップは期待できないですから。

 

 

 

抜け毛を予防、生えてくる髪を応援。ふんわり白髪ヘアを目指す!

 

 

セトッチ:実は私、若い頃に比べて髪の量がすごく減っていて、最近抜け毛もすごく気になるようになりました。それで、髪をブローしたあとに床に落ちている髪や、洗髪後にお風呂場の排水溝にたまっている髪を見ると、「えっ、こんなに抜けたの?」とドキッとします。

 

大正製薬  谷:それはよく聞く話です。個人差はありますが、成人の髪の毛の本数は平均10~15万本前後と言われていて、頭皮や毛髪に特に問題がなくても、自然な生え変わりとして、1日に50~100本は抜けています

ですから、何本も髪の毛が抜けているとちょっと不安に思うかもしれませんが、この範囲であれば特に心配はいりません。

 

セトッチ:そうなんですね。よかった。ちょっと安心しましたが、できれば抜け毛は増えないようにしたいです。

何か気をつけることはありますでしょうか?

 

大正製薬 廣岡:毛髪は頭皮で育まれますので、頭皮ケアが大切になります。

酸化した皮脂や汚れが毛穴に詰まっていると、毛髪の成長の妨げになるので、洗髪で皮脂や汚れをきちんと落とすようにしましょう。

ただし、洗浄力の高いシャンプーは刺激になってしまい、頭皮トラブルの原因になる可能性がありますので、例えば乾燥肌の方は保湿力が期待できて低刺激タイプのアミノ酸系シャンプーを使用するなど、頭皮の状態や肌質に合うシャンプーを選択するとよいでしょう。

 

あとはストレスを避ける、睡眠を十分とる、タンパク質やビタミン、ミネラルが不足しないようしっかり栄養をとる、といったことが大切です。

 

また、髪をまとめるとき、きつく結んでいる方がいますが、強い力で毛髪を引っ張ると、頭皮に負担がかかり、血行不良から牽引性脱毛症になる恐れがありますので、あまり長時間髪をきつく結ぶのは避けたほうがよいと思います。

 

セトッチ:発毛剤とか育毛剤は、使ったほうがよいでしょうか? あれ? 発毛? 育毛? どう違うのでしたっけ?

 

大正製薬 廣岡:では、おさらいしておきましょう。

 

発毛剤は「第1類医薬品」。「壮年性脱毛症の治療、抜け毛予防」が目的です。

これから新しく髪が生えてくるよう働きかけ、また生えた髪を育て、抜けにくくします。

第1類医薬品の発毛剤には、一般用医薬品において唯一発毛効果が認められた成分であるミノキシジルが配合されています。

 

育毛剤は「医薬部外品」を示すことが多く、「抜け毛予防、育毛」が目的です。

これは、今ある髪を育てて抜けにくくするという、脱毛の防止と育毛の働きがあります。

 

セトッチ:なるほど。違いがよくわかりました。それにしても、これから生えてくる髪を応援してくれる発毛剤があるというのは、心強いです!

 

 

白髪も黒髪も、加齢に負けないツヤ髪を目指したい!

 

セトッチ: 50代の後半を迎えた今、白髪にしろ黒髪にしろ、さまざまな髪の悩みが増えてきました。

 

私の場合は、髪のパサつきとうねり。まとまりが悪く、ぼわーっと広がってしまいます。

 

若い頃は天使の輪がキラキラしているような黒髪だったのですが、どうしてこんなふうにパサついた、まとまりの悪い髪になってしまうのでしょうか? 昔は日焼けやカラーリング、ドライヤーの熱などで傷んでしまっても、傷んだ部分を切ってしまえば次からはきれいな髪が生えてきたのに…。

 

アリミノ 田中:年齢が上がるとともに「思うようにヘアスタイリングがきまらなくなる」といった悩みを抱えていらっしゃる方は多いですね。これは、「髪が傷んでいる」というよりは、加齢とともに「健やかな髪が育まれにくくなっているから」と考えられます。

 

セトッチ:加齢が原因で髪質が変わってしまったということですね。ということは、もうツヤがあってしっとりまとまる髪を生やすことはできないのでしょうか?

 

アリミノ 田中:いえいえ、ケアする方法はありますよ。パサつきやうねりの原因のひとつとして、髪や地肌の糖化が考えられます。

 

老化(=エイジング)の原因として注目されている「糖化」という言葉をご存じでしょうか?

 

セトッチ:はい。化粧品でよく「肌のくすみやシワは糖化が原因」と聞きます。食事からとった「糖」が体内の「タンパク質」と結びつき、焦げたような現象を起こすことですよね。

 

アリミノ 田中:そうですね。食事からとった糖が体内のタンパク質と結びつくと、悪玉の老化物質「AGEs」に変化し、体内のさまざまなところに悪影響を及ぼします。

 

髪や地肌でこのAGEsが蓄積すると、乾燥してパサついたり、ハリ・コシが失われてうねったりしやすくなりします。

そこで、こうした「髪と頭皮の糖化」を抑える成分が配合されたシャンプーやリンスが開発されました。

〔上の写真:糖化を抑える成分のひとつがルイボスエキス。ルイボスティーとしてなじみのある人も多いのでは〕

 

セトッチ:髪や頭皮にも糖化の影響があるんですね…。

糖化を抑える化粧品というのは聞いたことがありましたが、シャンプーやリンスにもそうした成分の配合されているものがあるとは知りませんでした。

 

アリミノ 田中:また、加齢によってツヤのある健やかな髪が育ちにくくなるので、糖化を抑えるヘアケア製品には、健康な髪の発育をサポートする成分も含まれています。

 

毛髪は、頭皮の下を流れる毛細血管から、毛髪の原料となるアミノ酸やビタミン・ミネラルなどの栄養がまず毛根にある毛乳頭へ、毛乳頭から毛髪を作っている毛母細胞へと受け渡されます。

 

そして、栄養を受け取った毛母細胞では、細胞分裂を繰り返して数を増やし、それが積み重なることで毛髪が作られ、髪が伸びていきます。

 

こうした毛髪が作られる仕組みをサポートし、健康な髪を育むよう地肌と髪のコンディションを整える成分を与えると、髪のパサつきやうねりの改善に役立ちます。

 

 

加齢とともに減っていく水分や油分。それをケア製品で補うのが大事

 

セトッチ:なんだか、年齢を重ねた髪を救ってくれるさまざまな製品があるとわかり、希望が見えてきました。髪のエイジングケア製品を多く手がけるイーラルの大原さん、いかがでしょうか?

 

イーラル 大原:髪も頭皮も、やはり加齢とともに水分や皮脂が不足してきてしまいますので、それを補ってあげるということが大切だと思います。

 

セトッチ:私のように髪がまとまらず広がってしまう!という人もいれば、髪がぺしゃんこになってしまってボリュームが出ないのが悩み、という人もいます。

 

イーラル 大原:そうですね。加齢による髪の悩みは人それぞれですね。

ボリュームが足りないという方は、頭皮を保湿して根元の立ち上がりをサポートする効果のある美容液などもありますので、そうしたものを試してみるとよいのではないでしょうか。

〔上の写真:イーラル プルミエ ストレッチオール。ゴールドの輝きに期待感が高まる、新しい発想の頭肌(とうき)美容液。たっぷりの美容液成分がもっちりとやわらかな頭肌へと導きます。また潤いのあるみずみずしい頭皮に導き、髪を根元からふんわりと仕上げます〕

 

セトッチ:なるほど、若い頃は何もしなくても油分も水分も十分あって、髪の悩みもあまりなかったですが、人生100年時代と言われる昨今、白髪もただ隠すだけではなくて、上手につき合っていかないといけないですね。

 

黒い髪も白い髪も同様に大切にして、「白髪のきれいなおばあちゃん」を目指します!

取材・文/瀬戸由美子 写真/Unsplash

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