私なんか……と心がキレイをあきらめれば、
あなたの肌もあきらめてしまいます。
確かにどんなに努力したところで
50代の肌は10代や20代の肌には戻れません。
けれど、逃げずに向き合い、丁寧にケアすれば
肌は愛情を与えたら与えただけの応えを返してくれます。
愛情に必ず応えるのが50歳からの肌です。
~書籍「十和子道」P44、46、47より~
<担当編集者からみたこの言葉の背景>
今回冒頭に掲載している写真は「十和子道」第一回目の撮影のとき、一番最初に撮ったものだ。
撮影のために家の中を下見させてもらうということはしていなかったので、撮影当日ご自宅に着いたとき迎えてくれた十和子さんに「どこで……撮ります?」とさっそく尋ねられ、急いでリビングとダイニングルームを見渡した。
ダイニングルームの窓辺が大人ひとりがちょっと腰掛けられるくらい奥行のある出窓風のつくりだったので、そこに座ってもらうことにした。
ご自宅なので撮影用のスタジオと違い、特別な照明はない。
昼間は窓から入る自然の光で撮影し、夕方以降はもともとご自宅に備え付けられている一般的な住居用の照明の光で撮影した。
打ち合わせの際カメラマンには「照明はとくに用意しなくていいから」と強く念押ししておいた。
ふだんご家族が見ている十和子さんを撮りたかったので、人工的につくりあげた煌々とした光での撮影は不用と思ったからだ。
でもそれは君島十和子さんという、当時50歳にして50歳とは思えぬ類まれな美しい肌の持ち主が被写体だから可能な撮影である。
現場で、清楚なメイクの十和子さんのこのカット(冒頭の写真)をカメラのモニターで見たとき、30代、40代のときよりもシンプルなメイクが似合っているなと感慨深いものがあった。
いうまでもないことだがシンプルなメイクが映えるのは〝美しい肌〟が土台にあってこそ。
となると、ふだんから何かスペシャルなお手入れをしているのだろうと気になるが、何度取材に通ってもご自宅のどこにも超音波なんとかなどの美顔器の類すら見かけなかった。
でも洗面所の棚を開けてもらったら、自社の試作品がたくさん詰まっていた。
あまりの数に
「これ、全部試すんですか」
ときいたら、もちろん!という顔でうなづき
「来週、また次の試作品がいろいろ届きます」
とサラリと言った。
モノづくりの大変さ、とくに化粧品という肌に直接つけるものをプロデュースする大変さの一端を見た思いでこの棚を撮影するようカメラマンに指示した。
「これって、顔がいくつあっても足りない数だよね……」
とライターがしみじみとした調子で言った。
すると
「美容整形に頼らずとも日々のお手入れでどこまで美肌をキープできるのか、自分の肌で立証していきたいんです」
と横にいた十和子さんが言った。
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十和子さんの連載を担当しているというとよくきかれる質問がいくつかある。
〝実物って本当にあんなにキレイなんですか?
写真は修整できるから雑誌はそれを載せてるんですよね?〟
〝さすがにもうお直し(美容整形)をしてるんでしょ?〟
〝十和子さんの化粧品って本当にいいの?
本人はいわゆる広告塔で、実はあまりタッチしていないんじゃないの〟
そういった質問への回答を「十和子道」につめ込んだつもりだ。
(君島家のクリスマスツリー。オーナメントは白が基調/「十和子道」P21より)
★この連載は毎週木曜日更新されます。次回は2019年12月26日配信されますので、お楽しみに。
そして、みなさま素敵なクリスマスを!
撮影/冨樫実和
*オールカラー、自宅で撮影、オール私服、収録写真400点
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電子版には特典としてプライベートを含む計276点の写真とコメントを特別編集した「エブリディ十和子」がついています!