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更年期とは変化する……(君島十和子 美の格言⑭)

君島十和子

君島十和子

君島十和子. 1966年生まれ。モデルとして活躍後女優に。1996年、結婚を機に芸能界を引退。現在は自身のコスメブランド「FTC」のクリエイティブディレクターとして数々のヒットを生み出している。2女の母。

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君島十和子さんの大ヒット書籍「十和子道」から抜粋した言葉を美の格言としてお届けします。「十和子道」担当編集者ギリコから見たその言葉(格言)の背景や取材時のエピソードも合わせてお読みいただけます。

更年期とは変化する体と向き合いながら

頑張ってきた自分にエールを送る時期。

「一生大事にするからね。

だから死ぬまで元気、

死ぬまでキレイを目指すわよ」

と、もう一度決心し、自分の心と体にエールを送るのです

書籍「十和子道」P72、81より~


<担当編集者からみたこの言葉の背景>

前回、十和子さんが〝全てを持っている女〟の一人だと書いた。

 

けれどそれは、運がよかったからとか偶然などではないと私は思っている。

 

真面目で努力家、そして素直。

裏を返せば不器用。

いつも何かしら目標を立てていて、時間がかかっても着実にそれを達成していく人。

昨日できなかったことが、今日は少しでもできるようになりますように……

とコツコツ努力を積み重ねている人、それが十和子さんだ。

(ちなみに2020年の年明けまもなく十和子さんから私に届いたメールには、今の自分に足りないものと今年力を注ぎたいことなどが書いてあり、だらけていた私の精神は喝を入れられた)

 

私は十和子さんを見ていると漫画『エースをねらえ!』の主人公・岡ひろみを思い出す。

華やかな外見はまさしく〝お蝶夫人〟だが、中身は岡ひろみ。

 

だから今みなさんの目に映っている彼女は、十和子さん自身の努力が生んだものにほかならない。

50歳の記念として出す本は、そのあたりを伝えるものにしたかった。

 

そして〝全てを持っている女〟という言葉の〝全て〟は、十和子さんに関していえば良いことばかりをさしているのではないと長年見てきた者としては思っている。

悩み、苦しみ、痛み……

こういった生きていく上で経験せざるを得ない、いわゆる陰の部分もしっかり経験している女性。

それが十和子さんという人なのだ。

 

だからひとりの女性として、妻として、母として、美容家としてのジレンマやあがきもこの際きちんとインタビューしておきたいと思った。

 

そんなとき夫の誉幸さんからも

「家内の生きざまを紹介するような本がいいと思います」

という意見をいただいた。

そこで本の内容を相談する際に持参したレジメには、ざっとこんなことを書いた。

●自宅で撮影

●全て私服で登場

●美容本ではなく君島十和子という生き方を紹介する本

●少なくとも取材期間は1年かけ(その間毎月一回は取材を行う)、美容だけではなくインテリア、食も含めた十和子さんのライフスタイルを密着取材

(「私の更年期対策はごくごくシンプル」。豆乳や納豆など女性ホルモンを補ってくれる大豆製品を意識的に摂るようにしているという/書籍「十和子道」P79」

 

いろいろなタレント、モデルがライフスタイル本を出しているが、書下ろしの場合たいていは短期間で一気に取材し、本にまとめている。

 

ところが今回私が提案したのは、毎月取材をさせてもらい、それを1年間は続けたいというのだから取材される方もラクではない。

前回私は「十和子さんの50歳の記念の本をつくるにあたり、敢えて無理をお願いすることとなった」と書いたが、その〝無理〟とはこれらのことである。

 

しかし十和子さんも誉幸さんもあっさり「わかりました」と言ってくれた。

でもさすがに「自宅で撮影」という箇所には、ふたりとも最初はちょっと戸惑っていたような感じはあるにはあった。

 

そこで生き方を紹介する本に撮影スタジオの非日常的な空間やスタイリストが用意した〝衣装〟は馴染まないこと、ご家族がふだん見ている十和子さんを読者にも見てもらいたいこと、美容のハウツーではなく読んだ人が励まされるような本をつくりたいこと、それにはふだん生活している空間でのインタビューや撮影が何より大事であることを力説した。

 

結果、自宅で撮影できることとなったが、ほかにも事前に了承を得ておきたいことがあった。

それは十和子さんがプロデュースしているコスメブランド『FTC』の製品の紹介は、今回の本の中ではほぼできないということだ。

 

実際は毎日使っているのだから、密着取材していればおのずと製品が登場することもあるだろう。

そういう自然な流れの中で製品が登場するのであればもちろんOKだが、宣伝ぽくみえるような商品紹介は今回は入れない方がいいと考えた。

 

ひとつの化粧品が世に送り出されるまでにかかる時間、コスト、手間そして注がれた熱意の総量は傍で見ていても相当なものだ。

十和子さんからしてみたら、自分の本にひとつでも多く自社製品が載っているほうがうれしいのは当然だ。

申し訳ないとは思ったが、でも譲れなかった。

 

なぜかというと……

ライフスタイル本だというので買って読んでみたら、自社製品の紹介がたくさん。

それでは

「なんだかこの人がプロデュースしている商品の宣伝本を買わされたみたい」

と読者は感じるかもしれない。

絶対それは避けたかった。

そういう商売っ気100%の〝自称ライフスタイル本〟を私自身が一読者として、かねてからかなり不快に思っていたからだ。

結果、本の内容は最初から絶対入れたいと考えていた「更年期」についてもしっかりページをとり下のようなものとなったが、いざ取材が始まるとそれは文字通り〝密着取材〟となりスタッフは取材のことをいつしか別の名前、〝現場検証〟というようになった。

 

なぜ〝現場検証〟といわれるようになったのか、その理由はまた別の回にご紹介したい。

 

~『十和子道』の内容~

第1章 50歳からのキレイのつくり方   

十和子流美髪ケア

年齢肌にマッサージは不要です

キレイな部屋は美人をつくる 君島家のキレイのルール

不機嫌は老化のスピードを加速させます

アラフィフに必要なのは〝効く色〟です

〝老け〟は細部に宿ります

 

第2章 幸せと美を育む君島家の食卓 

発酵の力なくして十和子肌は存在せず

君島家愛用調味料と食材

君島家のお取り寄せリスト

十和子流体型維持法教えます

 

第3章 十和子流生活時短術 

十和子の1週間

お料理時短術

 

第4章 十和子流健康寿命の延ばし方 

十和子流冷え退治

更年期は頑張ってきた自分にエールを送る時期

 

第5章 妻として母として嫁としての君島十和子 

すぐに離婚するといわれた結婚生活が続いている理由

子育てに正解はないけれど、働く母として感じる胸の痛み

遣う、貯める、遺す、手放す…お金について思うこと

これがなければ生きている甲斐がないと思うもの① 読書の愉しみ

これがなければ生きている甲斐がないと思うもの② 仕事がくれる充実感

(仕事帰りによく立ち寄るスーパーにて夕飯と翌日のお弁当の食材を購入。「自宅の冷蔵庫内のストックを思い浮かべつつメニューを考える」のは世の主婦たちと同じ/書籍「十和子道」P69)

こうしてついに取材が始まったのだが、生きている心地がしないようなことが起きる。

撮影/冨樫実和

★この連載は毎週木曜日更新です。次回は2020年1月30日配信です。お楽しみに!

*オールカラー、自宅で撮影、オール私服、収録写真400点

書籍「十和子道」大好評発売中!

電子版には特典としてプライベートを含む計276点の写真とコメントを特別編集した「エブリディ十和子」がついています!

 

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