普段あまり意識されていない首ですが、顔以上に年齢が表れやすいとされています。皮膚科医の髙瀬聡子先生に、首の機能と老けやすさの関係を伺いました。
お話を伺ったのは
髙瀬聡子さん
Akiko Takase
1969年生まれ。ウォブクリニック中目黒総院長。皮膚科医。東京慈恵会医科大学附属病院勤務を経て、2003年にスキンケア化粧品「アンプルール」の研究開発に携わる。’07年より現職。丁寧でわかりやすいカウンセリングで、特に美容医療と薄毛治療に定評がある。雑誌やWEBサイト、テレビでも活躍
大きな機能を担う首はその構造から老化しやすい
「首は重い頭部を支えているだけでなく、その太さ15㎝ほどの筒状の中に喉頭、気道、食道、骨髄などが通り、唾液腺や甲状腺などもあります。神経、血管、リンパなど、生命維持に必要なものがすべて通っている、重要な臓器といえます」(髙瀬聡子先生)
私たちは普段あまり意識しませんが、首は発声を司り、空気や食べ物、脳の指令を各臓器や手足へ伝える通り道。
「そのため、それらの機能を支える特徴があります。ひとつには骨格的に可動域が広く、前後左右に動く構造です。それゆえ、皮膚は顔などより薄く、伸縮性がありますが、反面、筋肉がこりやすい環境です。そして老廃物を排出したり、細菌・ウイルスなどを撃退するリンパ節が多く存在します。
このように多様な働きを担うことから、老化が顕著に表れやすい部位ともいえます。しかし、メンテナンスをしっかりすることで、美容面だけでなく、免疫力の強化など、健康増進の効果も期待できるのです」
イラスト/かくたりかこ 構成・原文/山村浩子