「フットケア外来」直伝
セルフかかとケアの基礎知識
●手ごわいガサガサには「重曹足湯」で集中ケア
洗面器に、お湯と大さじ2~3杯分の重曹を入れ、10分ほど足をつけます。
血流もよくなり、余計な角質が取れて、その後のケアがしやすく効果も上がります。症状がひどい場合、これを集中して1週間ほど継続してみましょう。ローションやクリームでの仕上げも忘れずに。
●やすりを動かすときは一方向に
ひび割れを平らにするためにも、厚くなった角質を除去するためにも、専用のやすりで削りましょう。そのとき注意するのは、やすりをつねに一方向に動かすこと。両方向に動かすと、角質がボロボロになり、ケアをしてもなかなか改善しません。
●削りすぎはNG
かかとは圧力が最もかかる場所なので、削りすぎはNG。硬いところだけ少し削り、モチモチしてきたらストップ。週1回を目安に、「少し硬くなったな」とか、「保湿剤が入りにくくなったな」と思うタイミングで行えば十分。
●ローションとクリームの使い分けを
かかとのケアには保湿が重要。ガサガサには、皮膚に浸透しやすく潤いを与えるセラミド配合のローションタイプがおすすめです。加えて角質肥厚も気になる場合には、皮膚を柔らかくする尿素入りのクリームで仕上げを。予防も兼ねて、毎日の習慣に。
●保湿後10分ははだしで浸透させて。かかと靴下の活用も
ケアのあとすぐに靴下を履きがちですが、ローションやクリームが皮膚にしっかり浸透するまで、最低10分ははだしのままで。症状がひどい場合は、保湿効果のあるかかと靴下の活用もおすすめです。ただし水虫には逆効果になるので、注意が必要。
「医療フットケア」を体験
気になるガサガサ、ケアしてもらいました!
●足に意識を向けるとその後のトラブル回避にも
もともとは糖尿病の合併症による、足病変の予防や治療を行う目的で設立された「フットケア外来」。近年は、巻き爪やタコ、角質肥厚などの足のトラブルを医療視点で診断し、治療、ケアを行う外来も増えています。
今回は足のクリニック 表参道のフットケア外来で、会社員Aさんが医療フットケアを体験。足を洗浄→専門の器具で不要な角質を削り、保湿剤を塗布。
看護師の前田直美さんいわく、「ガサガサが治らず気になる場合でも、気軽に来てください。その後の大きなトラブルを回避するきっかけになるかもしれません」
●BEFORE
かかとが小さく靴との摩擦でガサガサに。丸い皮むけは水虫では?と診断
●AFTER
数分のケアでガサガサが消え、肌色も改善! 水虫は後日専門医を受診
足のクリニック 表参道 フットケア外来
お話を伺った桑原靖先生が院長を務める足のクリニック 表参道内にあるフットケア外来。専門の資格を持った看護師がケアを担当。カウンセリングをしながら、足のトラブルを根本から治療
体質やライフスタイルに合った改善方法を提案。
東京都渋谷区神宮前6-28-6 キュープラザ 原宿7F
【教えていただいた方】
専門医、専門メディカルスタッフによるチーム医療を行い、足の総合的な治療とケアを行う。
イラスト/かくたりかこ 取材協力/桑原 靖 取材・原文/高田あさこ