天野佳代子さん
1957年生まれ。音楽ライター、美容専門誌「美的」の編集者、「美的GRAND」の編集長を経 て、美容ジャーナリストとして独立。豊富な美容知識と経験に裏打ちされた説得力あるアド バイスで大人気に。美容だけでなく、作家や漫画家、作詞家としての経歴もある多彩な才能の持ち主。Youtubeチャンネル「天野佳代子の大人美容」にて大人向けの美容情報を発信中(毎週木・土曜20時配信)。新刊『10年前より可愛くなる 大人美容の正解』(主婦の友社)も発売中。
67歳の今も現役世代と変わらない仕事ぶり。今でこそ土日は休めるようになったけれど、20代〜30代は土日もなく、本当に毎日仕事をしていたという天野さん。
「特にそれを苦と思うこともなく過ごしてきたのは、私はもともと忙しいスタイルが合っているからなのだと思います。『これからどう生きたいか』と聞かれたら、やはり『できる限り仕事を続けていきたい』と答えると思います。
もちろん、仕事が好きというのが一番なのですが、長く仕事を続ける中で、思い半ばで亡くなってしまった友人や仕事仲間もいました。だからこそ健康や仕事のありがたみが身にしみてわかりますし、仕事をしていると、なぜかその人たちと一緒に頑張れているような気持ちにもなります。
これまでたくさん仕事をさせてもらい、いろんな経験もしました。だから若いときよりずっと人生を深く、しっかりと見つめることができるようになったかなと思います。いいことも大変なことも、やがては光り輝く経験となって、人生後半のこれからを明るく照らしてくれるに違いありません」
雑誌のライター&編集として駆け抜けた20代~30代
「JJ」、「CanCam」のビューティライター、「美的」の編集者として大活躍していた20代〜30代。「写真は雑誌『CanCam』で行ったパリ出張のときのもの。パリジェンヌのヘアアレンジを街角でたくさんスナップ撮影したのを覚えています」
40代〜50代は、知識と経験を生かし、新しいことにも挑戦
雑誌のライター、編集者として活躍するかたわら、作家として『PEACH』(小説)を出版したときのイベントの様子。「当時、ライターとしてかかわっていた「プチセブン」(小学館)編集部からの依頼で、ティーン向けの恋愛小説を書くことに。『小森クスコ』、『柊クスコ』というペンネームで4冊の小説を刊行。また挑戦したいです」
趣味も広がった60代。これからは好きなことを極めたい
60代に入ってから始めたパン作り。写真上はアップルシナモンロール、下は全粒粉を使った食パン。「もともとお料理が得意というわけではなかったのですが、パン作りにはハマりました。パンを焼いて友人宅に持っていくと、高価なお土産より喜んでくれるので、それがうれしくて。頻繁に焼いていましたが、コロナ渦で中断。やがて多忙で作る余裕もなくなり今に至りますが、最近また再開しようとパンのレシピ本を読みあさっています」
ほかに手芸も好き。どちらも無心になれるので、ストレス発散にもなっているのだそう。「引退したら、パンや手芸の教室に通ってさらに技を極めたいです」
撮影/天日恵美子 ヘア&メイク/広瀬あつこ 取材・文/北林道子