【お話を伺った方】
美容業界で活躍して50年以上という、業界の重鎮。大手化粧品メーカーで商品開発、マーケティングなどを担当し、多くのヒット作を手がけたのち、独立。現在は美容コンサルタントとして講演やセミナー、商品開発・美容教育アドバイスなど多方面で活躍。化粧品の基礎から製品化までを研究してきた多くの経験をもとに、スキンケアを中心とした美容全般をわかりやすく解説し、正しい美容情報を発信している。
カサカサシワシワシミシミになりつつあるOurAge世代の肌。
それなのに「なおざりなスキンケア」ですませていませんか?
OKABE男爵の連載「肌悩み解決!美容液講座」で「肌は応えてくれる」ことを実践から学んだシマコですが、ある日「クリームはどう選べばよいの?」という疑問が湧いてきました。
クリームではなく乳液でもよいのか、ライン使いじゃなくてもよいのか、クリームの謎は深まるばかり。
今回も男爵に、全30個のクリームを厳選していただきました。まずは美白クリームからご紹介します!
大人肌は乳液よりクリームを使ってほしい
シマコ:男爵、こんにちは。またまたお世話になります。今回はクリームの連載です。
前回、美容液連載のときに「使ったときに心地いいと感じることができるかが重要」と教えていただきましたが、私の場合、なんとなくべたつきが気になって、自分のクリームの選び方が正しいのか不安になりました。
男爵:いい傾向ですね。肌の状態に敏感になった証拠ですよ。
OurAge世代の肌は、水分も油分も足りなくなるのでクリームはしっかりと塗ったほうがよいのですが、スキンケアのあと、あるいは翌朝の肌の状態に満足がいかないようであれば、使っている化粧品を見直したほうがいいかもしれませんね。
正しいスキンケアには必ず肌が応えてくれるので、しっとり柔らかな肌をぜひシマコさんにも読者の皆さんにも体験していただきたいです。
シマコ:そもそもですが、乳液とクリームは使い分けたほうがよいのでしょうか?
男爵:ではまず、乳液とクリームの違いから説明しましょう。
肌には油溶性のうるおい成分と水溶性の潤い成分が必要です。
クリームも乳液も簡単に言うと水分と油分を乳化させたものですが、クリームは油溶性の潤い成分を多く含み、乳液は水溶性の潤い成分を多く含むイメージです。歴史的背景をたどると、古代ローマ時代からクリームがあったという説もありますが、昔の女性はオリーブオイルなどの植物油で保湿していました。
しかし、これでは肌がべとついて困るということで、水と油を乳化させてクリームのようなものが誕生したといわれています。
乳液とクリームの役割は違うのかというと、それはメーカーの考え方によります。
乳液、クリーム両方使うようにシリーズが作られているケースや、朝と夜で使い分けるケース、あるいは単体で存在感を光らせているものもあります。
私の意見は、大人肌はクリームを使っていただきたい。
柔らかくてツヤのある肌に整えるのは、やはりクリームの役割なんです。
今回は、美白カテゴリーからおすすめのクリームを6点、前編/後編でご紹介します。
どれも個性的で、思わず使ってみたくなるクリームを厳選しました。
〔上の写真左から:第一三共ヘルスケア トランシーノ薬用ホワイトニングリペアクリームEX、アテニア ドレススノー ナイトクリーム(アテニア ナイトクリームDSn)、エスティ ローダー リニュートリィブ ダイヤモンド ブリリアンス クリーム〕
◆“塗る美白マスク”のようなジェルクリーム
第一三共ヘルスケア
トランシーノ薬用ホワイトニングリペアクリームEX[医薬部外品]
ぷるぷるのジェル状クリームがとろけながらひと晩中肌に密着し、寝ている間に美白ケア。紫外線を浴びてしまった肌、黄ぐすみが気になる肌を明るいトーンに導く。トラネキサム酸はもちろん、薬用の肌あれ防止成分や肌ダメージ着目成分のエクトインなどが配合され、くすみ感のない肌へ。
35g ¥4,400(税込)
男爵:第一三共ヘルスケアといえば、なんといっても人工合成されたアミノ酸「トラネキサム酸」を開発したことで知られています。
当初は医薬品の「トランサミン」として発売されましたが、メラノサイトの活性化を抑制する作用や炎症抑制効果があることもわかり、しみケア総合ブランド「トランシーノ」が誕生しました。
トランシーノの最大の特徴は、内服薬と化粧品で内側と外側からする美白アプローチ。
私はその考え方は非常に評価できます。
最大限の効果を期待するなら、両方のアプローチがおすすめですが、クリーム単体でももちろん効果が劣るわけではありません。
◆美白とシワ改善を同時にかなえるW効能
アテニア
ドレススノー ナイトクリーム【医薬部外品】[販売名:アテニア ナイトクリームDSn]
肌内部で作られたメラニンが、排出されずに行き場を失い、シミが増産されることでコラーゲンが破壊され、ハリ、弾力が低下することに着目。それを「彷徨いメラニン」と名づけました。ドレススノーはこの彷徨いメラニンの生成を抑え、コラーゲンの産生を促してシワ改善という「大人設計」を実現。夜用クリームは濃厚でコクのあるクリームがなめらかに浸透し、眠っている間にうるおいが満たされる。ダマスクローズのエレガントな香り。
35g ¥4,950(税込)
男爵:ファンケルグループのアテニアはエイジングケア専門ブランドで、真面目な物作りと攻めの商品設計が興味深いブランドです。
今回セレクトした「ドレススノー」も、美白とシワ改善を両方かなえたいという、ユーザーの目線に立った攻めの商品開発で誕生したもの。美容理論や研究がしっかりしているからこそ、実現できたユニークなシリーズです。
「美白とシワ改善のどちらもかなえたい」という人はぜひ使ってみてください。
◆輝くような「ダイヤモンドスキン」を手に入れる
エスティ ローダー
リニュートリィブ ダイヤモンド ブリリアンス クリーム
エスティ ローダー独自のサーチュイン(長寿遺伝子)を活性する特許テクノロジーを搭載。肌細胞の再生と回復を再活性化し、コラーゲン産生はわずか2時間で増加。肌を健やかに整えるブラック ダイヤモンド トリュフ エキスの自然の恵みとサイエンスが融合したラグジュアリーエイジングクリーム。曇りなく輝くダイヤモンドスキンへ。
30ml ¥33、000(税込)
男爵:エスティ ローダーはブランドの育て方が本当に秀逸なメーカーです。
ユーザーを大切にし、独自の知見を積み重ねながら魅力的な新製品を出し続けるメーカーの姿勢はさすが、といった感じ。
加えて、スキンケアにラグジュアリー感があり、使うたびに気分を上げてくれるというのは、私が提唱する美容の基本とも合致します。
今回セレクトした「リニュートリィブ ダイヤモンド ブリリアンス クリーム」も”森のダイヤモンド”と称される自然界の稀少な宝物、ブラック ダイヤモンド トリュフから抽出したエキスを配合し、極上のテクスチャーも実現しています。
スキンケアの幸福感をどこまでも高めてくれる名品です。
シマコ:美白クリームといっても、アプローチがそれぞれあって、興味深いですね。
トランシーノは美白に全集中できそうだし、ドレススノーは欲張り悩みに答えてくれそう。
エスティ ローダーのリニュートリィブ ダイヤモンド ブリリアンス クリームは、絶対に一度は使ってみたい。
オンラインでサンプルが購入できるようなので、試してみようと思います。
次回、美白編<後編>でも、さらに男爵おすすめのクリームが登場するので、めちゃめちゃ期待してます。
取材・文/島田ゆかり イラスト/カケハタリョウ
★コスメ男爵OKABEこと岡部美代治さんの著書『正しく知る・賢く選ぶ 美容成分大全』(ナツメ社)はこちら!