ブラッド・ピットとアンジェリーナ・ジョリーに重くのしかかっていた暗雲が、少しづつ切れ目を見せているようです。
彼らの周辺に飛び交っている“近況報告”のひとつに、ブラッドが1994年から住んでいるハリウッドヒルの豪邸に、最近2本の大木が運び込まれたというのがあります。運ぶのに10人の男性が必要だったそうです。
つまりブラッドは、アンジーと6人の子供たちが居なくなったこの豪邸に、それでも住み続ける覚悟を決めたということです。その理由は「子供たちにとって、この家は”子供の頃の家“という思いがあって心の拠り所でもあるわけだから 僕がここに住み続けるのは彼らにとって重要な意味を持ってるんだ」ということです。
いつでも帰って来られる子供の頃の家を、彼らのために維持しようということでしょう。 そしてアンジーがこの家のそばに27億円の家を買ったことも報道されています。
スープの冷めない距離に子供達が引っ越して来る…2人はどんな決断も子供たちの事を優先している、とはっきり言っています。
アンジーはブラッドとの別居を発表したとき、“子供たちの心身両方の健康のため”と言いました。誰も勝たない戦いである離婚訴訟と悟って、すべてをプライベートな話し合いで進めると発表した後、お互いを傷つけるようなゴシップ戦争もなくなりました。ブラッドは何ヶ月も公の場を避けていましたが、最近自分の出演作品のPRに顔を出すようになっています。
“War Machine” というブラッドがプロデュース&主演している、アメリカが関わる戦争の裏側を風刺したコメディのオープニングに現れたブラッドは、清々しく穏やかな表情をしていました。戦争が生きがいの、まさに戦争マシンの司令官(実存の軍人がベース)をコメディックに演じてるブラッドは楽しそうです。
彼のプロデュース作品の選択眼は、ずば抜けています。「それでも夜は明ける」 (2014年アカデミー賞受賞)、「グローリー/明日への行進」(2015年アカデミー賞候補)、「ムーンライト」(2017年アカデミー賞受賞)など黒人映画と判別され、制作費が集まらない秀作をあえて選んで力を貸しています。
「政治的な事に関わるより、社会性を持った制作費が集まりにくい作品に手を貸して世にだす。それが僕が選んだ社会への貢献なんだ」と言っています。
5月発売のGQ Style 誌に出たブラッド・ピット・インタビューは、離婚騒動発生以来初めての正式なインタビューで、ブラッド自身が正直に状況を語った興味深いものです。
「飲んだくれの日々は終わった。セラピーにも通い、今まで見ないようにしてた自分の欠点を見つめられるようになった」と告白しています。
厳しく幸せの崩壊の原因を見つめ、すべて自ら招いたことだと、言い訳なしで前進しようとしている姿が見えて来ます。 アンジーとの間の締めくくりのような言葉として「最後は、ありきたりの言葉だけど、本当の愛は相手を自由にしてあげることだ、と思うようになった」と言っています。
彼のそばを離れない大きなイビキをかいて幸せにしてくれる 愛犬、ブルドッグのジャックと共に、今、静かに暮らしてるそうです。
ブラッドとアンジーの関係が騒がれた「Mr.&Mrs. スミス」の公開時(2005年)、まだ結婚していたジェニファー・アニストンからの“略奪おつき合い”だったこともあって、記者会見は「2人の間のことは質問しない、書かない」という契約書に、出席する記者全員がサインさせられ、ものものしい形で行われました。
ひな壇に登場したMr.&Mrs. スミスの印象は、「女は強い」そのものでした。10歳年下のアンジーが姉さん女房という感じで落ち着き払っていて、堂々と100人以上集まった世界の記者たちの質問を仕切っていました。
一方、10歳年上のMr.スミスは照れた感じで「困ったなああ」という表情。言葉ももぞもぞで、アンジーの顔を時々ちらっと見て、どうしようという戸惑いを見せてました。そんな感じでスタートしたブランジェリーナ(ブラッドとアンジェリーナ)。12年後もアンジーの鉄の裁断で終焉したような気がします。
アンジェリーナは勇気ある賢人で、正直で優しいところがたくさんある人です。“元夫”たち、ビリー・ボブ・ソーントン、ジョニー・リー・ミラーと今でもとても仲良しだそうです(2人の“元”たちがそう言っています)。ブラッドともきっと素敵な関係を創りあげていくのではないでしょうか……