こう毎日暑いと、何だか食欲も今ひとつ。涼しげなメニューしか体が受け付けないという人も多いのでは?それなら、新鮮な果物などはいかかでしょう?
でも、ダイエットや血糖値上昇抑制のために糖質カットやオフをする人が増えている現代。なかには「甘い果物は血糖値を上げてしまうから」などと食べるのを控えている人もいるようで…。
そんな現状に待った!をかけるのは臨床栄養実践協会の理事長を務める管理栄養士の足立香代子先生。「糖質オフやカットを長く続けるのは健康面でどうなのか、果たして生涯にわたって継続できることかと考えると疑問です」
それよりも、どう食べたら血糖値を上げすぎないのか、太りにくくすることができるのか、〈引き算〉ではなく〈味方〉にすることを考えて欲しいと力説します。
糖質は「制限」から「質」の時代へ!
日本人はもっと積極的に果物を摂るべき、と足立先生。平成28年の国民健康・栄養調査では、日本人の1日あたりの果物平均摂取量は約130gなのだそう。
「研究によると、1日あたり約250gの果物摂取で糖尿病の発症リスクが最も低いということがわかっています。それなのに、他の国と比較すると日本だけ摂取量が減少傾向にあります。血糖値を上げる『糖』は敵だから、糖が多い果物は控えるべきという間違った知識のせいなんですね」
糖質には、果糖、ぶどう糖、砂糖(しょ糖)があります。この中で、最も食後の血糖値が上がりにくいのが果糖なんだそうです。
「注意していただきたいのは、果糖を含む加工食品です。ジュースやスポーツドリンクなどに使われているのは〈果糖ぶどう糖液糖〉という人工的に作られた糖で、トウモロコシなどからとったでんぷんが原料。これは血糖値を上げやすく、肥満や高血圧などの原因になってしまいます」
つまり、加工されたものでなく果物そのものを食べるのがおすすめというわけです。
では、積極的に食べたい果物とは?いろいろな果物で食後の血糖値上昇を比較した結果、果糖と食物繊維が多いほど上昇しにくく、しょ糖が多いほど上昇しやすいことがわかっているとか。キウイフルーツとリンゴは果糖が多く、しかもキウイフルーツはしょ糖が少なくて食物繊維を豊富に含んでいます。写真はゼスプリブランドの「グリーンキウイ」と「サンゴールドキウイ」。う〜ん、みずみずしくて美味しそう〜♪
キウイフルーツは食物繊維だけでなく、ビタミン類やポリフェノール、葉酸など豊富な栄養素を含んでいるのも大きな魅力。
「糖質の代謝に必要なビタミンB1、血圧を下げるカリウムなども含み、身近な果物の中でもその栄養素充足率はトップクラスです」
次のページで、キウイフルーツのおすすめの食べ方についてご紹介します。
私たち取材陣のテーブルに運ばれてきたのは、コンビニ食でも血糖値を上げすぎずに栄養バランスを改善するというメニュー例。野菜サラダにおにぎり、ゆで卵。これにキウイフルーツを1個プラスするだけで不足したビタミンや食物繊維、カリウムなどを補うことが出来ます。
自宅での楽しみ方として、タカノフルーツパーラー・フルーツクチュリエの森山登美男さんが切り方をレクチャーしてくださいました。
「皮をむくときは、最初に皮がついたまま輪切りにします。その後、輪切りにしたキウイフルーツを立ててまな板の上に置き、実と皮の間に包丁を入れてキウイフルーツをコロコロを転がします」
「飾り切りにするなら、キウイフルーツの中央あたりに包丁を斜めに刺し、包丁をジグザグに動かしながら一周して切り分けます」
さらに端を切り落とし、先ほどの要領で皮をむけばこのように!半分に切ってスプーンで食べるのもいいけれど、こんな風に切ると食卓も華やかになりますよね。
今の時季は、まさにキウイフルーツの旬、真っ只中。手のひらで包むように持ち、少し弾力を感じるくらいが食べ頃だそうですよ。