「四十肩に五十肩、腰痛、肩こり。そんな症状に悩まされているビジネスパーソンがとても多いのは、仕事をしているときの姿勢が大きく関係しています」
そう話してくれたのは、キテティックアクトの代表を務める岡崎倫江さん。理学療法士の視点から、日本人の骨格・筋肉の質に合ったケアやエクササイズ、商品開発のサポートなどに携わっているのだそう。
仕事中の姿勢と言えば、パソコンに向かっていることが多いもの。ああ、椅子の座り方…と思いきや、実はマウスを操作する姿勢もカラダに負担をかけているのだとか。
上のスライドにあるように、従来のマウスを操作する際は肩を前に出し、肘を開いた状態です。また、猫背になりがちなこともあり、首や肩、手首に負担が生じやすくなっているのだそう。
「マウスを掴んで手首を反らせたままで左右に動かすため、手関節や手指の腱鞘炎も引き起こしやすくなってしまいます」
では、どうしたら? そこで見直したいのがマウスです。
人間工学に基づいて生まれた縦型マウス
この秋、デジタルデバイスメーカーのロジクールから画期的なマウスが登場しました!
その開発の経緯について説明してくださったのは、ロジクールの米本社Logitechのラーズ・ホルムズ・ローリセン氏。グローバルプロダクトマネージャーを務め、今回の製品開発も担当しています。
ユーザー調査により、職場環境においての健康意識が高まっている一方で、カラダの不調を感じている人が半数以上もいることがあきらかに。手首や上腕の痛み・不快感を日常的に感じているという声もあることから、新たなマウスを開発することにしたのだとか。
「痛みがある人も、今後もデジタル機器を使っていかなくてはなりません。そんな人たちのために、エルゴノミクス(人間工学)やバイオメカニクス(生体力学)の観点からも研究を進めました」
マウスを使うときも自然な姿勢を維持できること、そして手首への負担も軽減すること。その設計開発のために、筋活動や負担を測定するEMGセンサーや電子角度計などを使って、理想的なマウスの形状を追求したそうです。
次のページに続きます。
会場には、新製品のモックアップ(原寸模型)も展示されていました。何と、人の手で掘ったという木型です。複雑な動きをする「人の手」が持つマウスのため、実際に持ちながら確認を繰り返していくつもの木型を作ったのだそう。
人それぞれ手の大きさが違うことも考慮して、さまざまなユーザーに実際に使ってもらう試験も繰り返したとか。理想的な大きさや角度、形状、重量にたどり着くまで数年をかけて開発したそうです。
9月20日(木)発売
「MX Vertical アドバンスエルゴノミックマウス」¥12,880(税別、参考価格)
実際にマウスを掴むと、こんな感じ。大きな男性の手にも小さな女性の手にもフィットするカタチです。
握手するように握れる縦型で、手のひらを起こすよう57°の角度で傾いているのがポイント。この角度により手首・前腕を自然な姿勢に保つため、手を上に乗せる従来のマウスと比べて筋緊張が10%も低減できるのだそう。
もちろん、カーソル移動がスムーズな光学センサー、高速充電、複数デバイスの同時接続が可能なペアリング機能など、高機能マウスに定評のあるロジクールならではの技術もしっかり搭載され、使いやすさもお墨付きです。
パソコン作業は、マウスが使いやすいかどうかでも効率に大きな差が出るものです。日々マウスの上に長時間手を乗せていて、肩こりや腕の不調が気になっている人は、道具を見直す時期かもしれませんよ。