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祝!漫画家デビュー。ゆずマンは北川悠仁さんの5歳の頃?(インタビュー/前編)

国民的人気デュオ「ゆず」の北川悠仁さんが描いた漫画が、一冊の本になる。

『まいんち ゆずマン』というその作品には、北川さんの夢や想いがみっちりと。

歌い続けてきたゆずの楽曲のように、読む人みんなを元気に、幸せにしてくれる。

作品として世に送り出す今の思い、そして毎日の彼自身のあれこれを、聞いてみた。

 

 

撮影/萩庭桂太 ヘア&メイク/藤尾明日香(kichi) スタイリスト/三島和也(Tatanca) 取材・文/岡本麻佑

北川悠仁さん

Profile

きたがわ・ゆうじん●1977年1月14日、神奈川県生まれ。1996年、岩沢厚治と「ゆず」を結成。横浜・伊勢佐木町で路上ライブを行うと評判を呼び、1997年1stミニアルバム『ゆずの素』をリリース。98年6月に発表した1stシングル『夏色』で人気に火がつき、7月リリースのアルバム『ゆず一家』で全国区のアーティストに。以降、『栄光の架橋』『虹』『雨のち晴レルヤ』などヒット曲を多数世に送り出す。5月11日名古屋ドームから始まった「ゆず 弾き語りドームツアー2019 ゆずのみ~拍手喝祭~」は7月7日福岡ヤフオク!ドームまで計8本を予定している。http://yuzu-official.com/

 

 

22年間、ゆずマンと一緒に歩いてきた

 

「ゆず」の北川悠仁さんが、漫画家デビュー! 5月22日(水)にコミックス『まいんち  ゆずマン』が発売された。

 

「小さい頃からマンガが大好きで、中学生のときの夢は漫画家になることでした。ですから今回、30年近い時を経てその夢が叶ったような(笑)。すっごく、うれしいです!」

 

ゆずファンなら、ゆずマンと聞いて、ピンと来るかも知れない。実はゆずマン、北川さんが20年以上前から“おもしろがって描いていた”オリジナルのキャラクター。デビュー当時のアルバムにも、ゆずマンやパパとママ、妹とおじいちゃんなどなど、ゆずマンファミリーのイラストがすでに登場している。以来、CDジャケットやグッズ、ライブ映像などにも登場してきた、おなじみのキャラクターなのだ。

 

そのゆずマンが4コマ漫画に進化して、2018年10月から集英社のWEBサイト「よみタイ」と「少年ジャンプ+」に『まいんち ゆずマン』として登場。今回はそれらの作品群に新たに長編を描き下ろし、漫画家・北川悠仁のロングインタビュー、撮り下ろし写真もプラス。さらに『ONE PIECE』の尾田栄一郎氏、『こちら葛飾区亀有公園前派出所』の秋本治氏との対談も加えて、読みごたえのある一冊が完成したというわけ。

 

「それまでゆずマンはキャラクターというか、設定だけでした。それを今回、4コマ漫画に生まれ変わらせるのは、なんていうかな、物語を作るというより、ひとりひとりのキャラクターに命を吹き込んであげるような感覚でした」

 

描かれるのはヒーローを目指す5歳児「ゆずマン」と、彼を取り巻く家族や友達。ゆったり、ほのぼの、ふんわりの日常が、ページを繰るごとに一滴一滴、心にしみ込んでくる。優しくて正義感が強いけどちょっと弱虫なゆずマンが、たまらなく愛おしい。

ゆずマンは、北川さん自身ですか? 顔もちょっと似ているような。

 

「みんなにそう言われるんですけど(笑)、僕はこういう元気な子じゃなかったですね。いっつも絵を描いていて、友達できなくて、幼稚園の園長室でずっと泣いている子でした。だからこの、平和でほのぼのとしている世界観には、僕の憧れが詰まっているんだと思います」

だとしても、ゆずマンにはどこか、ゆずの音楽と通じるところがある。

今、ここにいるという幸せ。夢を持つということ。上手くいかないとしても、それを噛みしめてまた前に進むということ。明日の自分を信じるということ。ゆずのテーマである〈人生へのエール〉が、このゆずマンを読んでいても、伝わってくる。

 

「そこはすごく心がけて作っている気がします。音楽でもそうなんですけど、聴いてくださる方、読んでくださる方に寄り添えればいいな、という思いは強くて。

僕が10代で始めた音楽は、ヘビーなロックだったんです。客席に飛びこむとか客に背を向けて歌うとか、そういうストイックで激しい音楽がカッコイイような気がしていた。でもなんか、自分でそれをやると、恥ずかしくなっちゃうんですよ。オイオイ、アブナイだろう、とか、前を向けよ、とか、自分で自分にツッコんでる(笑)。

“じゃあ自分は何がしたいんだ?”と自問自答したとき、自分はやっぱり路上にいる人に、語りかけるように歌うほうが向いていると思った。そして路上を通り過ぎる人に振り向いてもらえるような音楽に、自然となっていったんです。いつの間にか自分の本質に近い音楽に、行きついたんですね。

このゆずマンもそれと同じです。何かを作るとき、突拍子もないものほど、実は作りやすい。でもみんなに共感してもらうのは、簡単じゃないんです。ゆずマンはみんなが愛してくれるし、ほのぼのしていて、一緒に居ると元気がでる。僕と一緒に歩んできてくれた感じがあります」

 

(北川さん自身の健康と家族について語った、インタビュー後編はコチラ

 

『まいんち ゆずマン』

©Yujin/集英社

 

ヒーローを目指す5歳児「ゆずマン」と、彼を取り巻く家族や友達とのほのぼのとした日常を描いた4コマ漫画。毎日、読み物が更新される集英社ノンフィクション編集部のWEBサイト『よみタイ』での連載に加え、描き下ろしの長編やインタビュー、尾田栄一郎先生や秋本治先生などレジェンド漫画家との対談も収録した充実の一冊。

(1204円+税/集英社)

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