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大切なエネルギー源「脂肪酸」のヒミツ ①

杉野宏子

杉野宏子

美容外科・美容皮膚科の「青山エルクリニック」院長。(社)日本形成外科学会専門医。(社)日本アンチエイジングフード協会理事。サーマクール専門医、ペレヴェトレーニングドクター。体の内側のコンディションを整えながら、美しさを導くことをモットーとし、最新の美容治療マシンや各種先端治療を取り入れている。

 

ムック『MyAge』で、アラフィフ世代の素敵な女医が美しく健康でいるための秘訣を伝授する「S-Joy~素敵女医~」シリーズの第1回からのメンバー。

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本誌にて好評連載中の「S-Joy~素敵女医~」シリーズ。

MyAge 2015 Autumn/Winter号』の「体が悲鳴を上げたとき、素敵女医の駆け込みプレイスはここ!」にもご登場いただいている、「青山エルクリニック」の杉野宏子院長にお話をうかがうこの連載。

今回より3回に渡って「脂肪酸」について解説していただきます。
こんにちは、杉野宏子です。

体を維持するために重要な栄養素は、たんぱく質、脂質、炭水化物、ビタミン、ミネラルなどがあります。

他の栄養素と同様、脂質は私たちのからだにとって大切な成分であり、食品に使われた場合、食べ物をおいしく食べやすくする役割も果たしています。

 

脂質に含まれる「脂肪酸」は、主に私たちが活動する際のエネルギー源として使われますが、そのほかにもさまざまな役割を担っています。

 

 

・エネルギー源(炭水化物やたんぱく質の2倍以上のエネルギー価)になる

 

・細胞膜の主な構成成分となる。なかでもコレステロールは、細胞膜の構成成分のほか、ホルモンやビタミンDの前駆体にもなる

 

・脂溶性ビタミン(ビタミンA・D・E・K) やカロテノイドの吸収を助ける働きがある

 

 

そしてこの脂肪酸にはいくつかの種類があります。

代表的な分け方としては「炭素の二重結合の数で分ける方法」と「炭素の数で分ける方法」の2つがありますが、今回は前者の分類法に沿って説明をしていきたいと思います。

 

※ちなみに、脂肪酸を炭素の二重結合の数で分けると「飽和脂肪酸」と「不飽和脂肪酸」に、炭素の数で分けると「長鎖脂肪酸」と「中鎖脂肪酸」に分類できます。
まず、脂肪酸の構造からご説明しますね。

脂肪酸は主に、炭素、水素、酸素の組み合わせでできています。

炭素(C)には手が4本、水素(H)には1本、酸素(O)には手が2本あります。

炭素は両隣の炭素と2本の手でつながり、残りの2本の手で両隣の水素と手をつないでいます。

さらに炭素は、炭素どうしでも手をつなぐことができます。

これを「炭素の二重結合」といいます。

この炭素どうしの結びつきに二重結合がないものを「飽和脂肪酸」、二重結合があるものを「不飽和脂肪酸」と呼びます。

 

二重結合のない飽和脂肪酸は構造的に安定していて、溶ける温度が高いため、室温(10℃~20℃くらい)では固体の状態を保っています。

ラードやバター、ココナッツオイルなどがそうですね。
oil2

 

一方、二重結合がある不飽和脂肪酸は低い温度で溶けるため、室温でも液体の状態です。

こちらの代表格はオリーブオイルになります。

 

 

oil4

 

<飽和脂肪酸>

飽和脂肪酸は、エネルギー源として重要な脂肪酸です。

ラード、バターなど、肉類や乳製品の脂肪に多く含まれます。

特に糖質制限を実践している人は、脂肪を摂らないとエネルギー不足になり、筋肉を減らしてしまう原因にもなります。

しっかり良質の飽和脂肪酸を摂取して、毎日を活動的に過ごしましょう。

 

以前は、動物性脂肪が増えすぎると動脈硬化の原因になると敬遠されてきました。

しかしその後、動脈硬化は糖化により血管が傷つくことが主原因だと分かってきたため、現在は飽和脂肪酸の重要性が見直されています。

 

※飽和脂肪酸については、次々回もう一度取り上げます。

 

 

<不飽和脂肪酸>

不飽和脂肪酸は、同じくエネルギー源や身体の構成成分となる以外に、血中の中性脂肪やコレステロールの量の調節を助ける働きがあります。

魚類や植物油に多く含まれています。

脳神経の発達に効果を及ぼし、アレルギー症状を緩和する手助けをします。

 

また、不飽和脂肪酸は「一価不飽和脂肪酸」と「多価不飽和脂肪酸」に分けられ、そのうち多価不飽和脂肪酸には「オメガ3系脂肪酸」「オメガ6系脂肪酸」等の種類があります。

 

次回は、最近話題のオメガ3やオメガ6を有する「不飽和脂肪酸」とは、一体どんなものなのかに、さらに詳しく解説します。

 

 

杉野先生のアンチエイジングジュースのレシピは、次ページに!

 

杉野先生おすすめのアンチエイジングジュース

 

<小松菜とケールのジュース>

9-30

 

材料(2人分)

小松菜       2株

パセリ       1本

ミント       ひとつまみ

自家製のケール   小3枚

シソ        2,3枚

バナナ       1本

ヨーグルト     150ml

ヘンプシードオイル  大さじ1

エゴマ油       大さじ1

炒りごま       大さじ1

 

 

ビタミンA・C・E、カルシウム、鉄分が豊富な小松菜は、グリーンスムージーには欠かせない食材です。

青汁に使われることで知られているケールは、高い抗酸化作用を持つ野菜です。

発がん抑制効果がある成分・イソチオシアネートも含んでいます。

 

 

<リンゴとアサイーのジュース>

10-5

 

材料(2人分)

リンゴ     1個

プルーン    小5個

アサイー(冷凍)1パック

国産レモン   半個

ヨーグルト   150ml

チアシード   小さじ1(水に10分つける)

エゴマ油    大さじ1

 

 

最近注目されているスーパーフードのチアシードには、オメガ3脂肪酸、食物繊維、ビタミン、ミネラルなど、多くの栄養素が豊富に含まれています。いろいろなお料理に混ぜて使ってください。

ペクチンなど、水溶性食物繊維が豊富なプルーン。腸内細菌のバランスが整い、免疫力がアップします。
アサイーにも食物繊維やカルシウム、鉄分、リン、ビタミンや亜鉛やポリフェノールがたっぷり含まれています。

 

 写真/杉野宏子 取材・文/上田恵子

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