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大切なエネルギー源「脂肪酸」のヒミツ ②

杉野宏子

杉野宏子

美容外科・美容皮膚科の「青山エルクリニック」院長。(社)日本形成外科学会専門医。(社)日本アンチエイジングフード協会理事。サーマクール専門医、ペレヴェトレーニングドクター。体の内側のコンディションを整えながら、美しさを導くことをモットーとし、最新の美容治療マシンや各種先端治療を取り入れている。

 

ムック『MyAge』で、アラフィフ世代の素敵な女医が美しく健康でいるための秘訣を伝授する「S-Joy~素敵女医~」シリーズの第1回からのメンバー。

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本誌にて好評連載中の「S-Joy~素敵女医~」シリーズ。
『MyAge 2015 Autumn/Winter号』の「体が悲鳴を上げたとき、素敵女医の駆け込みプレイスはここ!」にご登場いただいている、「青山エルクリニック」の杉野宏子院長にお話をうかがうこの連載。
前回に引き続き、「脂肪酸」について解説していただきます。

 

 

こんにちは、杉野宏子です。
油はダイエットの大敵と思い込んでいませんか?良い油を摂取することは、体にとってとても重要です。

2回目となる今回は、「不飽和脂肪酸」についてお話ししたいと思います。

 

 

不飽和脂肪酸には種類があり、二重結合の数が1つのものを「一価不飽和脂肪酸」、2つ以上あるものを「多価不飽和脂肪酸」といいます。

 

oil3

 

<一価不飽和脂肪酸>
代表的なもの=オレイン酸など。

オメガ9系脂肪酸とよばれ、人体内で合成できる脂肪酸です。

オリーブオイル、紅花油、ひまわり油などに多く含まれています。
オレイン酸は善玉(HDL)コレステロールを下げずに、いわゆる悪玉(LDL)コレステロールを下げる働きがあります。また、動脈硬化や心疾患を減らす効果があると言われています。
約80%のオレイン酸を含んでいるオリーブオイルは酸化に強く、加熱料理に向いています。

 

 

<多価不飽和脂肪酸>
代表的なもの=リノール酸、γ‐リノレン酸、アラキドン酸、αリノレン酸・DHA(ドコサヘキサエン酸)・EPA(エイコサペンタエン酸)など。

多価不飽和脂肪酸は、体を作る細胞の膜の成分です。

人体内で合成できないため必須脂肪酸といわれており、オメガ6系とオメガ3系に分けられます。
この2つのバランスが乱れてオメガ6系が多くなり過ぎると、体の中の炎症が進んでしまいます。

現代人はオメガ6系を非常に多く摂取しているので、炎症を抑える働きのあるオメガ3系脂肪酸を多く摂取するよう努めましょう。

 

■オメガ6系脂肪酸:リノール酸、γ‐リノレン酸、アラキドン酸

 

リノール酸は、大豆油やコーン油などに多く含まれています。リノール酸の多くは炎症を促進するアラキドン酸になるので、なるべく摂取を控えましょう。
その一方で、月見草油などに含まれるγ‐リノレン酸には、体内でプロスタグランジンⅠという成分に変換され、炎症を抑える働きがあります。また月経前症候群(PMS)を和らげる効果もあり、女性の強い味方になってくれます。

 

■オメガ3系脂肪酸:αリノレン酸・DHA(ドコサヘキサエン酸)・EPA(エイコサペンタエン酸)

 

炎症を抑える働きがあるため、積極的に摂ることをお勧めします。
α-リノレン酸はえごま油、なたね油、亜麻仁油などに多く含まれています。
DHAやEPAは、イワシ、サバ、アジ、サケ、マグロなどの魚の油に多く含まれています。

 

オメガ3系脂肪酸には、中性脂肪を減らし善玉コレステロールを増やす作用があり、
また血栓ができるのを防ぐなど、動脈硬化を予防する働きもあります。

 

oil1

 

いずれの脂肪酸も、脂質の一部としてエネルギー源になったり体を作る成分になったりしますが、摂りすぎはエネルギー過剰による肥満につながるので注意が必要です。

 

 

<トランス型脂肪酸(トランス酸)>

 

昨今、健康への悪影響が懸念されているものに、「トランス型脂肪酸(トランス酸)」があります。

これは不飽和脂肪酸の二重結合の立体構造が、互い違い(トランス型)になっているものの総称です。
マーガリンショートニングをはじめ、ケーキ、菓子製造用、パン、調理用のフライ油として、多くの食品に使われています。

 

最近になって、欧米でトランス型脂肪酸の過剰摂取が血中の悪玉コレステロール値を上昇させ、善玉コレステロール値を低下させることと、その結果、虚血性心疾患発症のリスクを高めることが明らかになりました。
そのため現在は、食品中のトランス酸の表示義務化や、摂取量勧告などが実施されています。食品を購入する時は、商品をひっくり返してラベルを確認し、トランス脂肪酸が使われているかどうか確認しましょう。

 

 

杉野先生のアンチエイジングジュースのレシピは、次ページに!

◆杉野先生おすすめのアンチエイジングジュース

 

 

<リンゴと小松菜、レモンのジュース>

10-17

 

材料(2人分)
リンゴ      1個
小松菜      2株
国産レモン    半個
パプリカ     半個
ヨーグルト    150ml
チアシード    大さじ1(水に10分浸して、トッピングも含む)
えごま油     大さじ1
ヘンプシードオイル 大さじ1

 

 

最近ヘンプシードオイルがお気に入りで、よく料理に使っています。
「ヘンプシードって何?」という方も多いと思いますが、実は私たちにとっては古くからなじみがあるもの。
七味唐辛子に入っている大きめの実と言えば、皆さんご存知ですよね。あれこそが麻の実(ヘンプシード)です。
麻の実から採れるヘンプシードには、オメガ3脂肪酸がたっぷり含まれています。

 

<アサイーとリンゴ、ニンジンのジュース>

10-21

 

材料(2人分)
冷凍アサイー    1パック
リンゴ       1個
ニンジン      半本
プチトマト     5,6個
えごま油      大さじ1
シナモン、クローブ   各少々
水         150ml

 

 

ニンジンにはβカロテンがたっぷり。
免疫力をアップする効果があるので、これからの季節、風邪を予防するためにも欠かせません。
βカロテンの吸収には油が必要。好きなオイルを加えて仕上げましょう。
リコピンなど多くの成分を含んでいる赤いプチトマトには、美容にもいいのでオススメです。

 

 

写真/杉野宏子 取材・文/上田恵子

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