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「NYに掘りごたつ」が大当たり!コロナ禍のアウトドアダイニング事情〈越冬編〉

杉本佳子

杉本佳子

杉本佳子
ファッションジャーナリスト兼美容食研究家
1988年よりニューヨーク在住。1989年よりファッションジャーナリストとしてファッション、ファッションビジネス、小売りビジネスについて執筆。2013年より美容食研究家としても活動し始め、ブログ「YOSHIKOlicious Beauty」とインスタグラムを通じて、美肌効果の高い食材をなるべく使い、美味しくて見た目がお洒落な料理紹介している。見た目がきれいだと気分が上がり、食べて美味しいので嬉しくなり、美容と健康にいいのでさらにハッピーになる「3回ハッピーになる料理」がモットー。ファーマーズマーケットなどで買う生命力のあるオーガニックの食材をなるべく使う。食材の意外な組み合わせでも定評がある。

月1回、オンラインのクッキングクラスを開催中。日本からでも参加しやすい時間帯に日本語で行われている。詳細お問い合わせや、参加希望は下記メールまでご連絡を!

yoshiko@yoshikoliciousbeauty.com

 

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真冬も店内で食事ができない!? 崖っぷちの飲食店はアイデアに賭ける

3月以来、コロナに揺れるニューヨークの状況を折々にお知らせしてきました。8月には感染者が非常に少なくなり、真夏の熱気の中、アウトドアダイニングにもさまざまな工夫を凝らして楽しむ様子をお届けしたのも、つい昨日のことのようです。そして今は11月も後半。すっかり晩秋を迎えたニューヨークの街では、寒さの中で新たな日常との闘いが始まっています。

 

ニューヨーク市では依然、レストラン内の飲食は、キャパシティーの25%までに制限されています。ニューヨーク州は、9月末にインドアダイニングの再開を許可した時、うまくいけば11月1日からキャパを50%に引き上げると言っていました。その当時は感染率は1%程度に抑えられていたのですが、11月10日、ついに感染率が3%に達してしまいました。11月13日からは、レストランの営業が午後10時までに制限されることに。感染がさらに広がれば、インドアダイニングが再び禁止される可能性があり、レストランにとっては、アウトドアダイニングが生き残りをかけた重要な要素になっています。

 

とはいえ、ニューヨークの冬は寒いので、寒さ対策は頭を悩ますところ。こういうビニールのイグルーのようなタイプは、いくつかのレストランが取り入れています。見た目にはちょっと楽しいですね。

ちょっと遊園地の乗り物のようにも見える、ビニール製のイグルータイプのアウトドアシェルター。一部のビニールがファスナーで開けるようになっているので換気もバッチリ

 

アウトドアダイニングスペースの中に暖房器具を導入したレストランもあります。でもやはり寒さの厳しい日は、暖かい服装で行く必要があるでしょう。冬のための「アウトドアダイニングファッション」が生まれそうです。

 

臨時の納屋か物置のようにしっかり組まれたアウトドアダイニング小屋。真ん中に立ち上がったのは暖房です。感染対策と寒さ対策の両立を目指して工夫されています

 

こちらは、お寿司やさんの前に張り出したアウトドアダイニングスペース。もはや増築の域に達してますね。屋根がしっかりついているので、雨の日でも安心。換気のために取り付けたスライド式の小さな小窓が、昭和の日本を思い起こさせます。

 

いずれも急ごしらえながら、それぞれの工夫とこだわりが感じられます

 

アウトドアダイニングスペースができ始めた頃は、雨が降ると食事に支障をきたしたところが多かったです。テントとテントの間に雨どいを付けたこちらのレストランも、今までの経験から学んでこのような対策をしているのでしょう。

 

確かにキャンプのテントでも、屋根に雨が溜まると大変でした。こうして少しずつ進化していく姿も愛おしいもの

 

寒さと雨以外への対策にも気を配っています。マンハッタンにはあちこちに自転車専用道路があり、食事をしているすぐそばを自転車が駆け抜けていくこともあります。「SLOW」のサインは、サイクリストたちに「スピードを落として」と呼びかけるためのものです。

 

農業用のビニルハウスを思わせるフォルム。軒先にはオレンジ色の標識が。これまでは歩行者と自転車だけだった空間に「食事中」の人が加わりました 

 

 

アウトドアならではの楽しみをメニューやしつらえに。エンタテインメント化してビジネスに!

アウトドアダイニングが日常化しつつある昨今、ただ単に寒さをしのげるというだけでなく、エンターテイメント性や非日常体験を提供することも、お客さんをひき付ける上で大事になってくると思います。ジンギスカンを初めとする北海道料理を出している、「ドクター・クラーク」の掘りごたつはその好例。ドクター・クラークは3月15日、チャイナタウンにオープンしました。しかしそのころは、たまたまニューヨーク市がエッセンシャルでないビジネスを停止させた時だったので、なんと2時間だけオープンして閉めなければいけなかったそうです。

 

なんと、まさにこれは「こたつ」。 ニューヨーカーにはさぞかし珍しいでしょう、と思いますが、さて日本人でも外で見ることはあまりないかも・・・?

 

その後無事に営業を再開しましたが、9月下旬、アウトドアダイニングの継続は必至と決まった時、オーナーの金山雄大さんは、お金をかけてでもアウトドアダイニングスペースをしっかり作った方がいいと考えたそうです。そしてすぐに掘りごたつ、毛布、ヒーターなどをアマゾンとイーベイでかき集め、1週間から10日で掘りごたつ8個分の器材を揃えました。届くまでの間に金山さんとインハウスの施工専門家で骨組みをつくり、10月10日に完了。施工をしている最中から、ニューヨーカーたちには見慣れない掘りごたつは口コミですぐに広まり、6時以降は毎日ほぼ予約で埋まる盛況ぶりになっています。設置にはコストも時間も思った以上にかかり、電気代は意外とかからず、こたつ布団のクリーニングには結構お金がかかっているそうです。

 

 

靴は脱いでもらいますが、意外にも抵抗がないそうです。各ブースごとに簾(すだれ)を降ろせるようにもなっています

 

店内での食事を懸念する人は多く、店内で食事できても外で食べることを希望するお客さんは多いとのこと。石狩鍋などアウトドアダイニングでしか食べられないメニューを用意し、「外で食べる理由」をわざわざつくることもアウトドアダイニングが順調なわけの1つとか。「寒い中で我慢して食べるのではなく、寒い中で食べるから美味しいんだよね、と思ってほしい」と金山さん。飲み物も、熱燗の他、ホットウイスキーとウーロン茶を混ぜた温かいカクテルなどを出しています。

 

一軒目の掘りごたつが人気なことから、同じ系列でイーストビレッジで2軒展開している「IZAKAYA」でも、11月下旬に掘りごたつのアウトドアダイニングスペースをつくるそうです。それに先立ち、金山さんがプロデューサーとして係わっているブルックリンのうどん屋さん「波音(はのん)」では、店の前に屋形船スタイルのアウトドアダイニングスペースをつくりました。「ドクター・クラーク」の近所のレストランなど同業他社からも、アウトドアダイニングスペースの施工依頼がいくつも来ているそう。

 

ドクター・クラークのオーナー、金山さん。コロナで屋外ダイニングへの規制が緩和されたのを生かしてこのような演出を実践。まさにピンチをチャンスに変えた好例 

 

 

大方のレストランがインドア、アウトドア、お持ち帰り、宅配を通じて料理を提供することでなんとかしのごうとしていますが、金山さんはアウトドアダイニングスペースの施工という新たな収入源を確保しています。それがレストランを維持する上で大きな手助けになっていることは、言うまでもありません。

 

加えて金山さんは、ニューヨークのシーンをつくっていると感じて通っていたレストラン、「オデオン」や「ルシエン」などで働いていた人たちを積極的に雇用しました。そうすると、それらのレストランに通っていた人たちが「ドクター・クラーク」にもやってくるようになったそうです。「どれだけ人を呼べるか、ファンをどれだけもっているか、個人の力が何よりも大事と感じています」と金山さん。

感染拡大がじわじわと広がるニューヨークですが、金山さんのように柔軟な考えをもつレストラン経営者にはなんとか生き残ってほしいと願っています。そして、エンターテイメント性のある演出をしたユニークなアウトドアダイニングスペースが、もっといろいろ見られるようになったらいいなと思っています。

 

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