食べる量の目安は? 計算方法は?
タンパク質を不足なくとるためのコツ Q&A
タンパク質の重要性はわかったけれど、日常的にタンパク質を過不足なく、上手に摂取するにはどうしたらいいの?
ここでは、実践するための5つのコツを、Q&A方式で二人の先生に伺いました!
今回はまず、●1日の摂取量を簡単に知る方法、●タンパク質は毎日とるべきか? の2つをご紹介します。
お話を伺った先生
藤田紘一郎さん Koichiro Fujita
1939年生まれ。東京医科歯科大学名誉教授・医学博士。
専門は寄生虫学、感染免疫学。免疫、腸研究の第一人者。
腸や長寿食に関する著書多数。
近著に『50歳からは肉を食べ始めなさい』(フォレスト出版)
本多京子さん Kyoko Honda
医学博士・管理栄養士。NPO法人日本食育協会理事。
日本体育大学児童スポーツ教育学部で「子供の食と栄養」を担当。
栄養や食に関する著書多数。
近著に『シニアのらくらく毎日ごはん』(NHK出版)
Q 1日の摂取量を簡単に知る方法は?
A アミノ酸スコアが高い5品目を必ず食べる習慣を!
1日のタンパク質の摂取量は、厚生労働省「日本人の食事摂取基準」によると、18歳以上の女性は50g。これをアミノ酸スコアの高い5品目の食品で摂取した場合、肉60g(薄切り3枚程度)、魚1切れ、卵1個、牛乳コップ1杯、豆腐1/2~1/3丁、納豆1パック。これにご飯3杯。
「この量を3食に分けて摂取しやすいように、食品ごとに点数をつけました。1食あたり3~4点、1日に10点になるように食べると、1日に必要なタンパク質が摂取できます」(本多京子さん)。
次回の【タンパク質を過不足なくとるためのコツ Q&A②】でも紹介しますが、食品補助として今注目のホエイタンパクも加えています。この法則に沿って、毎食ごとに、タンパク質を意識して摂取する習慣を!
女性が1日に必要なタンパク質量は50g。アミノ酸スコアの高い5品目から摂取しても、これだけの量が必要です。これにご飯1杯ずつをプラスして、3回に分けて摂取するのがポイントです。
1日あたり、合計10点を目標に!
食品を自由に組み合わせて、点数を足していき、1食3~4点、1日の合計が10点になるように摂取を!
監修/本多京子 協力/アメリカ乳製品輸出協会
Q 毎日とらないと意味がないの?
A 摂取できないときは、3日以内につじつま合わせを。
タンパク質は3食平均して、一日を通して満遍なく摂取するのが理想。そうは言っても、忙しくて昼食を抜いたり、または食事会で肉をたっぷり食べすぎた…など、なかなか理想通りにはいかないもの。
「そんなときは翌日につじつま合わせを。欠食したら翌日多めに、とりすぎたら少し減らすなどの調整をして、体がタンパク質不足になる間を作らないこと、またカロリーオーバーにならない工夫をすることです。少なくても3日以内に調整するように心がけるのが、過不足なく摂取する秘訣です」(本多さん)
次回は、●外食などで上手に摂取する方法、●腸内環境にいい肉の食べ方、●食生活を変えられない場合は? の3つのコツをご紹介します。
撮影/鈴木泰介〈背景〉 スタイリスト/中野径恵〈背景〉
イラスト/かくたりかこ 図表製作/ビーワークス
取材・原文/山村浩子 監修/本多京子 藤田紘一郎
撮影協力/UTUWA