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さまざまな原因で発症する口内からのSOS!/教えてDr.!第3回 

ちょっと気になる病気 教えてDr.!

口内炎

 

 

私がお答えします!

東京銀座シンタニ歯科 口腔外科クリニック院長

新谷 悟さん Satoru Shintani

島根大学、山口大学、富山大学などの医学部臨床教授。口腔外科医として長年にわたり口腔がんに関する研究に従事。国内のみならず海外の大学病院でも手術や医療指導を行う

 

 

相談

口内炎ができてなかなか治りません。放っておいていいものでしょうか?  医療機関は何科に行けばいいの?

 

答え

症状が長引いたり、気になる症状ならぜひ受診を。その場合は口腔内を診慣れている歯科や口腔外科、耳鼻咽喉科へ。

 

 

自分で行う対策

リラックスして疲れを取る。

栄養バランスのよい食事、規則正しい生活を心がける。

口内を清潔に保つ。

 

病院で行う治療法

ステロイド剤で対処療法を行う。

虫歯や歯周病があれば治療する。

金属アレルギーの元になる不良補綴物(ほてつぶつ) の排除。

 

 

口内炎とは?

さまざまな原因で発症する口内からのSOS!

 

口内炎は口腔内や唇などの粘膜に起こる"炎症の総称"です。誰でも一度は経験があると思いますが、口内炎ができると、痛くて思うように飲食ができなかったり、話がしづらくなるなど、とてもつらいものです。

代表的なものが、口内を嚙んだり、やけどをしたりという覚えがないのにできてしまう口内炎。これを「アフタ性口内炎」と呼びます。原因はストレスや疲労、睡眠不足などによる免疫力の低下です。ビタミンBなどの一部の栄養が足りないこともありますが、多くは疲労が原因。赤く縁どられた直径2~10㎜の丸く白い潰瘍で、触ると痛みます。

 

 

また、食事中に口内を嚙んだり、熱い飲み物によるやけど、または虫歯のかぶせ物が当たるなどして口腔内にできた傷が原因の口内炎も。これは「カタル性口内炎」で、白っぽい潰瘍で境目が曖昧なのが特徴です。

口腔内の細菌やウイルスの増殖による「細菌性・ウイルス性口内炎」の場合は小さな水疱ができ、それが破れてただれや潰瘍になり、時には発熱や痛みを伴うことも。

ほかに金属や薬品、食物に対するアレルギー反応による「アレルギー性口内炎」、喫煙習慣による「ニコチン性口内炎」などもあります。

 

 

予防法はこうした要因を取り除くことです。最も一般的なアフタ性口内炎なら、ストレスケアや十分な睡眠などで、心身の疲労を取ること。
また、口の中を守るものは唾液です。唾液の分泌は交感神経優位の状態(ストレス状態)では減り、副交感神経優位のときに増えるので、この観点からも、規則正しい生活やリラクセーションが重要となります。

これら一般的な口内炎の場合は、1~2週間で自然治癒するのが普通。2週間以上長引くようなら、医療機関の受診をおすすめします。潰瘍の位置が変わらず、大きくなり続ける場合は前がん病変やがんの可能性が。もしひとつの医療機関で問題ないと言われても、2週間以上続く場合はぜひセカンドオピニオンを!

 

 

受診する科は、口腔内を診慣れている歯科、口腔外科、耳鼻咽喉科がベスト。内科でも対応してくれます。

重篤な病気でない場合は、ステロイド剤による治療が基本。歯科医なら、もしも以前に入れたかぶせ物によるアレルギーや不具合が原因の場合、その調整や除去を行います。私のクリニックでは、口腔内の細菌バランスを整えるセラピーや粘膜を整えるフコイダンクリーム、デトックス&免疫力アップを図る高濃度ビタミンC点滴なども行なっています。

 

 

イラスト/macco  取材・原文/山村浩子

 

 

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