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抗体に依存しなくても免疫力アップは可能です/根来秀行教授「コロナに負けない免疫の鍛え方<1>」

根来秀行

根来秀行

1967年、東京都生まれ。医師、医学博士。この連載から生まれた『ハーバード&ソルボンヌ大学 Dr.根来の特別授業 病まないための細胞呼吸レッスン』『ハーバード&パリ大学 根来教授の特別授業 「毛細血管」は増やすが勝ち!』(いずれも集英社)が好評発売中。ハーバード大学医学部客員教授(Harvard PKD Center Collaborator, Visiting Professor)、ソルボンヌ大学医学部客員教授、奈良県立医科大学医学部客員教授、信州大学特任教授、事業構想大学院大学理事・教授。専門は内科学、腎臓病学、抗加齢医学、睡眠医学など多岐にわたり、世界の最先端で臨床・研究・医学教育にあたる。

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ブレークスルー感染急増の第6波。ワクチン頼みにも限界が…。先頃、新型コロナ治療薬に関する論文が国際医学誌に掲載されたハーバード大学&ソルボンヌ大学医学部客員教授・根来秀行さんに、ぐうたらライター・いしまるこが、自分で免疫を高める方法を伺いました。

(記事の内容は2022年3月8日時点の情報に基づきます)

 

最も安全で効果的なコロナ対策とは⁉

いし 第6波はオミクロン株がすごい勢いで広がりましたね。これまでのウイルスと何か違うの?

 

根来 ウイルス表面の「スパイクタンパク」が変化して、ワクチン接種によって作られる抗体が効きにくくなっています。あと、ウイルスの広がり方が違うのかなと。今までの新型コロナウイルスは毛細血管の内皮細胞などにあるACE2受容体から細胞に入り込み、そこから肺を含め、全身に広がっていく傾向がありました。

 

一方、オミクロンは体の奥深くに入っていきにくい印象です。だから、デルタ株に比べると、肺炎も起こりにくく、比較的症状が軽い可能性があります。

 

いし ウイルスが弱毒化しているということですか?

 

根来 それはなんとも言えませんが、感染者やワクチン接種者が増えたことで、獲得免疫の働きも相まって、重症化しづらくなっている可能性はあります。

 

いし オミクロンの亜種も出たし、変異の行方が気になるなあ。

 

根来 新型コロナはRNAウイルスで、誤ったコピーが起きやすいですからね。ただ、宿主を殺してしまってはウイルスも生き残れません。子孫を残しやすいように、ゆくゆくは、一般的な風邪のコロナウイルスのタイプに近づいていくでしょう。

 

いし 現時点では、ブースター接種が推奨されていますが、効果や副反応はどうなんでしょう。

 

根来 一定の効果はあると思いますが、獲得免疫の影響が残っていると、副反応が出やすいです。僕のまわりでは、追加接種後に脇の下のリンパ節の腫れや、筋肉痛、倦怠感がかなり強く出た人が多い印象です。

 

また、免疫が強い若年層を中心に、心筋炎などの炎症が起きやすいこともわかっていますし、長期的な悪影響は依然解明されていません。繰り返しになりますが、メリットとデメリットを秤にかけて判断するほかないです。

 

いし よく考えないとですね。

 

根来 いずれにせよ、自分でも免疫を鍛えて抵抗力をつけることは必須。それは新型コロナのみならず、ほかの病気にもかかりにくくなる秘訣です。

 

 

抗体に依存しなくても免疫UPは可能です

いし 免疫を鍛える方法は、やはり生活習慣の見直しですか?

 

根来 ハイ。現代的な生活をしている人の多くは、免疫を支える体の制御システム、体内時計や自律神経、ホルモンが乱れがちで、それらに制御されている毛細血管の働きが悪化しています。毛細血管が弱っていると、酸素や栄養素、免疫細胞が全身の細胞に行き渡りません。すると細胞内でエネルギーを生み出す「細胞呼吸」が滞り、免疫機能も低下し、ウイルス感染のリスクが高まります。

 

新型コロナで生活習慣病患者が重症化しやすいのも、もともと毛細血管の状態が悪いため、ウイルスの攻撃に耐えられないのです。

 

いし コロナ禍で生活が激変したけれど、そのせいで免疫が落ちている人も多いのでは?

 

根来 そうですね。コロナ禍で家時間が増えた結果、生活が不規則になり、間食が増えて食生活も乱れ、運動不足や睡眠不足に陥る人が増えました。頭痛、眼精疲労、肩こり、腰痛、便秘、慢性的な倦怠感、イライラ、落ち込みなど不定愁訴の相談が急増しています。

 

いし 免疫ダダ落ちですね…。

 

根来 でも生活指導だけで、ほとんどの人が1カ月もたたないうちに改善します。難しいことでなく、規則正しい食事、適度な運動、質のよい睡眠といった基本的なことばかり。これに正しい呼吸法を加えると、免疫機能の回復に大きな効果を発揮しますよ。

 

 

病原体から体を守るふたつの免疫システム

免疫には、生まれつき体に備わっている「自然免疫」と、ワクチン接種や実際の感染によって得られる「獲得免疫」があります。コロナ対策では、ワクチン接種により獲得免疫で抗体を増やすことに期待が集まりましたが、新型コロナの抗体は短期間で減少傾向を示し、ワクチンを2度接種しても2カ月〜半年で減少することが明らかになってきました。

 

一方、自然免疫は、自分で高めることができ、抗体に依存しない抵抗力がつきます。生活習慣を見直すことで、自然免疫の力が高まって、体内環境が改善されると獲得免疫も働きやすくなり、免疫の総合力まで底上げされます。

病原体から体を守るふたつの免疫システム

チーム自然免疫

皮膚や粘膜のバリアを突破して、体内に侵入してきた病原体に素早く反応。病原体を食べたり、感染した細胞をも破壊します。

●マクロファージ・好中球

マクロファージ・好中球

マクロファージは食細胞の代表格。好中球など仲間を招集し、みんなで病原体を捕食。病原体の情報は獲得免疫チームのT細胞にも伝えます。

 

好中球は病原体を食べて退治。白血球の4〜7割を占めます

 

●樹状細胞

樹状細胞

病原体を食べてその情報を読み取ると、リンパ節で待機するT細胞に伝えに行きます

 

●ナチュラルキラー細胞

ナチュラルキラー細胞

高い殺傷能力を持ち、つねに全身をパトロール。ウイルスに感染した細胞やがん細胞を見つけると細胞ごと破壊。リンパ球の一種

 

 

チーム獲得免疫

自然免疫細胞から渡された情報をもとに、感染した病原体の情報を学習し、攻撃法を記憶。抗体など強力な武器を作って病原体を攻撃します。

●ヘルパーT細胞

ヘルパーT細胞

自然免疫細胞からの情報に基づき、攻撃の戦略を練って、B細胞やキラーT細胞に指示を出す司令塔

 

●キラーT細胞

キラーT細胞

ヘルパーT細胞の指令を受けると急増。殺傷力を増し、分解酵素でウイルスに感染した細胞を破壊

 

●B細胞

B細胞

病原体に対する抗体を作り、病原体を攻撃。一度作った抗体の作り方は記憶して、病気にかかりにくい状態を作ります

 

 

根来秀行教授 今日もよい一日を

 

毛細血管ケアのバイブル

『ハーバード&パリ大学 根来教授の特別授業 「毛細血管」は増やすが勝ち!』 根来秀行 著/集英社

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根来秀行先生

根来秀行さん
Hideyuki Negoro

ハーバード大学医学部客員教授、ソルボンヌ大学医学部客員教授、奈良県立医科大学医学部客員教授、信州大学特任教授、事業構想大学院大学理事・教授。専門は内科学、腎臓病学、抗加齢医学、睡眠医学など。『ハーバード&ソルボンヌ大学 Dr.根来の特別授業 病まないための細胞呼吸レッスン』 『ハーバード&パリ大学 根来教授の特別授業「毛細血管」は増やすが勝ち!』(ともに集英社)など著書多数

 

いしまるこ

第6波中に母が入院し介護に奔走。免疫落ちぎみのぐうたらライター

 

 

撮影/角守裕二 イラスト/浅生ハルミン 構成・原文/石丸久美子

 

 

 

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