足裏が硬いと骨盤が傾いて姿勢がくずれたり、O脚やX脚の原因にも
美脚と美姿勢をつくるためにも、まずは足裏をほぐすことは欠かせないと話すのがKAORUさん。
「人間の足の裏にはアーチがあり、これによって全身の体重が支えられ、着地したときの衝撃が緩和されます。また、正しい姿勢が保たれるのもアーチのおかげです。でも、足裏のアーチは歩き方や立ち方の癖などによってくずれやすく、すると重心が偏るので骨盤の位置も変わってしまいます。
たとえば、立ったときの重心が前に行くと骨盤が前に傾き、重心が後ろに行くと骨盤が後ろに傾くので姿勢がくずれてしまいます。
また、アーチがくずれて足の重心が外側に偏るとO脚に、内側に偏るとX脚になりやすくなり、筋肉が偏ってついてしまうので脚太りの原因にも。
第1回で、まず最初に硬くなっている足裏をほぐすことが何より大切というお話をしましたが、足裏の状態は全身に影響を及ぼすので、よい状態に整えることは美脚づくりのためにも姿勢を整えるためにも不可欠なのです」(KAORUさん)
では、おすすめのメソッドとは?
「足裏からふくらはぎの筋肉は、正しく使われずに衰えてしまっている「さぼり筋」。ですから鍛えて強化するべきなのですが、使われずに硬くなっているので、まずはこれらをほぐして伸ばすことが先決。
また、足裏やふくらはぎが硬い状態だと、前側のすねの前脛骨筋ばかりを使って歩くようになるため、使われすぎて硬くなっています。
つまり前脛骨筋は「りきみ筋」です。
この筋肉のアンバランスを解消するために、最初に足裏とふくらはぎの筋肉ほぐしてから、ふくらはぎの腓腹筋&ヒラメ筋と、すねの前脛骨筋をストレッチして伸ばします。
そして、最後に腓腹筋やヒラメ筋から、足裏の筋肉までを筋トレで強化します。
具体的には、以下でご紹介する3ステップのエクササイズです。これを継続して行うと、O脚やX脚が改善しやすくなって引き締まった美脚をつくることができ、姿勢も整いやすくなります。特に膝下が太くて気になっている人におすすめです」
美脚と美姿勢をつくるKAORU式「ゆる筋トレ」
STEP1 「ほぐす」
足首回し&足伸ばし&ふくらはぎほぐし
①椅子に座って、片方の足をもう一方の太ももの上にのせ、足指を握ったまま手前に引き寄せて足の甲をグーッと伸ばしたら、戻します。これを10回。反対側の足も同様に。
② 同じように椅子に座ったまま、太ももの上にのせたほうの足の指の間に反対側の手の指を入れて握り、足首をくるくると回します。外回し、内回し各10回。反対側の足も同様に。
③ 右の膝の上に、左の足首の上あたりをのせます。両手を重ねて左膝の上に置き、上から膝を軽く押しながら、ふくらはぎを右膝に沿って下ろしていきます。
④ 右膝で、左ふくらはぎを足首から膝裏までをさするようにしてほぐすイメージです。これをふくらはぎの内側、中央、外側と少しずつ位置を変えながら、各3回ずつ行いましょう。左右の脚を入れ替えて同様に。
STEP2 「伸ばす」
ふくらはぎの腓腹筋&ヒラメ筋と、すねの前脛骨筋ストレッチ
① 脚を大きく前後に開き、後ろ足はかかとまで床につけます。前脚の膝を軽く曲げて、両手を前ももに当て、前脚に体重をかけて、後ろ脚のふくらはぎを伸ばします。
② 次に、後ろ足のかかとを床につけたまま後ろ脚の膝を曲げて、前脚の膝は真っすぐに伸ばしてすねをグーッと伸ばします。①②を5回。左右の脚を入れ替えて同様に。
STEP3 「強化する」
足裏の筋肉と、ふくらはぎの腓腹筋&ヒラメ筋を鍛えるカーフレイズ
① 壁に両手を当てて立ち、左右のかかとを上げます。このとき、お腹を引っ込めてお尻は締め、足の指の付け根で床を押すようにしてかかとを上げましょう。
② 次にかかとを下ろします。このかかとの上げ下げを20回。できる人は壁に手をつかずに行ってもOK。
【教えていただいた方】
1962年生まれ。アプロ主宰。指導歴40年。 “姿勢で人生を変える”をテーマに指導を行う。姿勢に関する分析をホリスティックに行う独自のメソッドは、多くのファッション誌・フィットネス情報誌で紹介されている。自分の姿勢の現在の状態を把握し、ウェルネスコンサルティングが受けられる「姿勢分析」メニューが人気。自身、還暦とは思えないウェルネスな姿勢美は、まさに日々のエクササイズの賜物。近年、スタジオワークのかたわら、後進の指導や著作活動、オンライングループレッスンやイベントを通して、多くの人たちにそのメソッドを発信中。著書に『テニスボールダイエット』(幻冬舎)、『自分で整体ストラップ』(講談社)、『テニスボールでほぐす!のばす!やせる!』(扶桑社)、『クッションピラティス 内ももを締めれば勝手にやせる!』(幻冬舎)など。
撮影/藤澤由加 ヘア&メイク/田代ゆかり(Happ’s) イラスト/内藤しなこ 取材・文/和田美穂