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肺が弱っている人は吐く力が弱まっている! 呼吸法で感染症にかかりにくい体に

新型コロナやインフルエンザに代表される感染症。かかりにくくするために出来る呼吸法のポイントと、喫煙によるリスクとは何かを紹介します。

 

奥仲哲弥さん
Tetsuya Okunaka

呼吸器外科医。医学博士。山王病院副院長・呼吸器センター長。国際医療福祉大学医学部呼吸器外科教授。専門は肺がん治療で、呼吸法や呼吸筋ストレッチなどの普及にも尽力。著書に『医者が教える 肺年齢が若返る呼吸術』(学研プラス)

 

 

呼吸法を変えれば、感染症にかかりにくくなる!

 

肺には筋肉がなく、肩からお腹にかけて点在する、20種類以上もの「呼吸筋」の働きで呼吸をしています。その代表が横隔膜。ここをしっかり使って呼吸をすることが重要だと、奥仲哲弥先生。

 

「一番のポイントは、まず“しっかりと息を吐ききること”です。呼吸というと、吸うことを考えがちですが、文字を見てもわかるように、呼気(吐くこと)が先決です。吐ききれば、吸うのは、意識しなくても入ってきます」

 

椅子に座ってリラックスした姿勢をとり、口角を横に広げ、口から息をゆっくりと10~15秒かけて吐ききります。吐ききったところで、さらにもうひと吐きします。次にゆっくりと5~6秒かけて、鼻から息を吸い込みます。

 

「肺の機能が低下している人は、吐く力が弱まっているので、これを強化することで、肺を隅々まで使った深い呼吸ができるようになります。この呼吸法を一日数回行なってみましょう」

 

 

 

喫煙者は新型コロナに感染すると重症化しやすい!

 

「長年タバコを吸っている人の肺は、つねに気管支炎にかかっている状態です。ここに新型コロナウイルスの感染が加わると、炎症が進むことでサイトカインストームが起きやすくなります」

 

サイトカインとは、免疫細胞がウイルスと戦うために発生する物質。炎症が進むと、これが暴走(ストーム)を起こして自分自身の細胞まで傷つけ、血栓ができやすくなります。

 

心筋梗塞、肺塞栓、脳梗塞などを起こす可能性が高まり、この現象が新型コロナの多くの死因ともいわれています。

 

「喫煙により慢性閉塞性肺疾患(COPD)になっている人は肺の機能が著しく低下していますし、一日に何回もタバコをくわえる行為自体、接触感染のリスクが高まるので、これも問題です」

 

 

イラスト/Marcus Oakley(CWC TOKYO) 取材・原文/山村浩子

 

 

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