スマホの画面は見ず、触っているうちに
いつの間にか眠ってしまう新発想の睡眠アプリ。
「さわって眠れる睡眠アプリ – 睡眠観測」が注目です
寝つきが悪い、途中で目が覚めるなど、40代、50代になると増える睡眠のトラブル。
そんな悩めるOurAge世代のために、最新の睡眠アイテム情報をお届けします。
今回ご紹介するのは、数ある睡眠アプリの中でも、今までになかったタイプの「さわって眠れる睡眠アプリ-睡眠観測」です。
そのユニークな機能とは?
睡眠アプリというと、睡眠時間や睡眠の質などを計測、記録するものだったり、寝つきやすい音や音楽が聴けるものがほとんどでしたが、「さわって眠れる睡眠アプリ – 睡眠観測」は、触ることで寝つきをスムーズにするという新発想のアプリです。
2022年8月のリリース以来、22,000ダウンロードを超え、有料アプリメディカル部門と、有料トップ健康&フィットネス部門で第1位を達成したりと大人気。
長年、不眠の悩みを抱えていた開発者が
「スマホを触っていると落ち着く」という自身の感覚に
着想を得てアプリを制作
まずは、このアプリの開発者であるギジン株式会社の小泉ヒロカさんに開発の経緯を伺いました。
「そもそも私自身、中学生の頃から不眠に悩まされていたんです。なんとかしようと、眠れる音楽を聴いてみたり、睡眠の質を調べられるアプリを使ってみたりしましたが、眠れるわけではないんですよね。
それで、自分は何をしているときに気持ちが落ち着くか考えてみたんですが、緊張する場面でもスマホを触っていると落ち着くことに気づいて。
一般的には、ブルーライトには覚醒作用があるから、スマホは手放して寝るほうがいいとよく言われています。
でも自分としては、スマホを触っているほうが落ち着くのに、なぜ寝るときは手放さないといけないの?と思って、それで、スマホの画面は見ないで、触っているだけならいいのではと思ったんです。
そこで自分用に、スマホの画面は見ずに音を聴いて、時々流れ星が流れる音がした瞬間に画面をスワイプするというスマホのゲームを作り、これを寝る前に使っていたらとてもよくて、寝つきがよくなったんです。
夜なかなか寝つけないという人の多くは、もともと神経質なところがあって、夜ベッドに入っても、ネガティブなことばかりをぐるぐると考え続けてしまい、それで眠れなくなってしまう傾向があると思います。私もそのタイプでした。
でも、目を閉じてスマホを触りながらじっと音を聴いて、ごくたまに流れ星が流れる音がしたら画面を触らなければいけないと、そのことだけに集中するので、自然と余計なことは考えなくなります。なので寝つきやすくなるんです。
これってある意味、“今ここ”に集中する“マインドフルネス”だなと。
それで、これは自分だけで使っているのはもったいないと思い、アプリにしてリリースしたんです。
そうしたら、今では22,000以上のダウンロードを達成し、多くの方から“眠れるようになった”という声をいただきました」と、小泉さん。
確かに、睡眠の質を高めるためには、寝る前にはスマホを見ないほうがよく、近くに置かずに寝るほうがいいというのが定説。
でも、デジタルデバイスの使用が日常的になった現在では、寝るときもスマホを手放せず、スマホを見ているうちに寝落ちするという人が多いというのが今の時代のリアル。
スマホに触っているほうが落ち着く人のほうが、今や圧倒的に多いのかもしれません。
そんな現状を逆手にとって生まれたこの「睡眠観測」は、まさにイマドキのアプリといえます。
目を閉じて、観測対象の音がしたら、そっと画面に触るだけ
このアプリの機能はというと、まず自分の好きなシーンを選びます。
シーンごとに流れる音楽や音と観測対象が変わります。
例えば、「天体観測」のシーンを選ぶと、観測対象は「流れ星」。
宇宙をイメージさせる静かな曲が流れる中、たまに流れ星が流れる音がするので、それが聞こえたら画面をなでるように触ります。
これで観測したことになり、カウントされます。
また、「夜の森林」のシーンを選ぶと、観測対象は「フクロウ」。
夜の森の中の音が流れ、ときおり鳴くフクロウの声が聞こえたら画面をなでるように触ります。
用意されているシーンは無料版では2種類、有料版なら28種類。
シーン別の音楽や効果音はカスタマイズすることもでき、組み合わせは900万通りにも。
面白いところでは「野球の練習」というシーンもあり、この場合、運動場の音を聴きながら、拍手の音を観測。
ともすれば寝るときには向かないようにも思える音ですが、どんな音を聴いていると眠くなるかは人それぞれ。
ほかにも、「子供と猫」「祖父の部屋」「鷹狩り」などと、さまざまなシーンが用意されているのが魅力。
毎晩、違う世界観を楽しむことができます。
また、「振動」を選ぶことも可能。
この場合は音は鳴らず、トン、トン、トンと優しく揺れる振動が手に伝わり、たまに不規則な振動がしたら画面をなでるように触ると観測したことになります。
心地よく感じる振動で、寝るときに音を聴きたくない人や、同じ部屋にほかに寝ている人がいる場合などにおすすめ。
観測対象が出現しても、画面を触らなくなったら、アプリが入眠を感知してカウントダウンが始まり、終わると入眠したとみなして停止し、「入眠潜時」として記録。
翌朝起きたときにアプリを終了させると、睡眠時間や起床時間を計測、記録できます。
私・和田も、このアプリの効果を体験すべく、寝るときに試してみました。
シーンは「天体観測」を選択。
宇宙をイメージさせるゆったりとした音楽が流れ、目を閉じてスマホを持ち、じっと待っていると、ごくたまにヒュルル〜という流れ星の流れる音がするので、画面をそっと触ります。
なかなか音が流れないので、音を聴き逃さないように集中すると、確かにほかのことは考えなくなります。
そのうちにだんだん眠くなっていき、アプリを起動して10分ほどで寝落ち。
スマホの画面を見ているとなかなか眠気が訪れなくなりますが、このアプリは画面は見ないので眠気が妨げられないのを実感しました。
1週間は全コンテンツが無料で無制限利用が可能。
サブスク版で利用する場合は、月額500円で限定コンテンツへの無制限アクセスができる内容となります。
これまでは、スマホ依存やブルーライトによる睡眠の質の低下などの問題もあり、一定時間、デジタル機器を見ないようにする「デジタルデトックス」という言葉が流行ったように、デジタル機器は健康にとってはネガティブなものというとらえ方が多い傾向がありました。
これに対し、最近は、デジタル機器と健康や幸福とのバランスをうまくとりながら共存を目指そうという「デジタルウェルビーイング」という言葉が使われ始めたようです。
このアプリは、まさにそのひとつといえそう。
不眠に悩んでいて、スマホを触っているほうが落ち着くという人は、ぜひお試しを!
取材・文/和田美穂 取材協力・画像提供/ギジン株式会社