まずは私の更年期についてお話します。

プロフィール写真

帝京大学教育学部教授 臨床心理士

ライタ―として「女性の生と性の健康と権利」(リプロダクティブ・ヘルス/ライツ)に関するテーマの取材を多数経験。
40代で大学院に入り、教育・発達心理学、臨床心理学を学ぶ。教育学博士。
スクールカウンセラー等を経て現職。
著書に『みんなで考える家族・家庭支援論』(編著・同文書院)、『フランスにはなぜ恋愛スキャンダルがないのか』(共著・角川ソフィア文庫)など。

はじめまして! 更年期はすべての女性が通る人生の通過点。まさにいま渦中の人、これからの人、もう過ぎたよ、という人すべてに、それぞれの更年期のストーリーがあると思います。
かくいう私もそのひとり。そして、「あなた、どうなのよ?」 と周りの人に聞いてみたいと思ったのが、このコラムのきっかけです。みんなの体験のなかに、きっとほかの人に役立つヒントがあるはず!
はじめに自分のことから話してみますね。

 

花

 

私の更年期・・わかっちゃいるけどつらかった

 

私は現在55歳で、閉経をはさんで約10年といわれる更年期の後半にいます(たぶん)。でもときどき汗と暑さがバッとくるのと、たまに眠りにくいことがある程度で、ほとんど障害は感じていません。
毎年、知人の婦人科医のところで検診を受けるのですが、血液検査で卵巣ホルモン値を測ると「ほぼ無きに等しい」とのことで、ああ、そろそろ落ち着いたのかなと思う今日このごろです。

 

実は私、以前は更年期の症状がかなりきつかったのです。45歳くらいから月経不順や、ボタボタしたたるほどの多汗などホットフラッシュの症状が始まったのは覚えているけれど、その後は記憶にモヤがかかったようで、まるでトンネルの闇の中にいたような・・いつ閉経したかも定かではありません。

 

いつも疲労感、脱力感に襲われ、気力が出ない、すぐ涙が出る、眠れない、ネガティブなことばかり考えてしまう(とくに夜)・・という精神症状が強く出て、ひたすら時の過ぎるのを待つという日々を送っていたのです。

 

私は20代には母子保健や家族計画など女性のリプロダクティブ・ヘルス(性に関わる健康)の推進をしている団体に勤務し、30代には女性誌のライターとして主に医療・健康関連のテーマの取材をし、記事を書いていました。だから更年期についても、そのメカニズムや対処法などある程度の知識は持っていたはず・・だから更年期は軽く対処できるぞ、と考えていたのですが、そんな楽観はふっとんでしまいました。

 

いや、多少は知識があったからなんとかなったともいえるのかな・・・これは自力ではムリ、と婦人科医にSOS。相談してHRT(ホルモン補充療法)と睡眠導入剤をもらって、ともかく仕事と家事など日々の生活をやっとやっと回していく、という毎日でした。あ〜思い出しただけでもしんどい・・・

 

中年危機:midlife crisis:の日々

 

私が専門にしている発達心理学は、昔は主に子どもの発達を研究対象にしていたのですが、最近では「人間は死ぬまで発達し続ける存在」として生涯発達心理学と呼ぶようになっています。
それでいえば、中年期の女性とは、更年期のからだの変化を迎えるとともに、人生の折り返し地点を過ぎて残りの人生をどう生きるか、やり残したことはないか、と振り返る(人によっては葛藤する)時期にいるわけです。

 

同時に、若い頃にはなかったからだの衰えや、病気など健康の心配が具体的に出てくるようにもなります。また、子どもが巣立つことによって心にぽっかり穴があいたり(empty nest:空の巣症候群)、親が年老いて介護の負担が生じる頃と重なります。
からだも心も大きく揺れ動くのは女性の人生で思春期と更年期の2回といわれますが、とくに更年期は心理的危機を迎えるライフステージといえます。

 

だから、更年期の症状とは、月経不順や自律神経系の乱れなど単に卵巣ホルモンの減少から起こるだけでなく、その人の置かれた状況による心理的要因に大きく左右されるわけです。・・・私の更年期症状が重かったのもまさにこういうことだったのですが、頭でわかってていても心がついていかなかったんですね。

畑仕事をする草野さん

授業でつくってる野菜。畑にいると癒されます

 

40代に入ってすぐ、大学院に入って学び直そうと思ったのは、20代にやりかけて中途半端のままにしてしまったという「やり残し感」だったのかな。社会経験を積んだ今だからこそ、勉強することが今後の仕事や人生に活かせるのではないかと思ったのも理由の一つです。

 

とはいえ、働きながらの学生生活はけっこうハードでした。40代半ばでいまの職場に移り、慣れない授業と博士論文に四苦八苦しているさなか、今度は父の介護問題が生じました。一人っ子でシングルなので、自分の生活も父のこともすべて一人で対処しなくてはなりません。

 

 

幸い、父は一人暮らしできる状態だったので、歩いてすぐのところに引っ越してヘルパーさんの助けを借り、私がべったり張り付いていたわけではありませんが、精神的にはいつも後ろ髪を引っ張られている状態でした。

 

さらに、最大の打撃は、「老後は支え合って一緒に楽しく生きようね」と語り合っていた中学校以来の親友が亡くなったことでした。ショックから3年間くらい、闇の中で無我夢中で暮らしていたようなぼんやりした記憶しかありません(やっと最近、思い出したり話せるようになりました)。

 

20代30代はわりと楽観的なタイプで、人生なるようになる、と能天気に暮らしていた私ですが、人生こんな苦難があるとは思ってもみませんでした。更年期と上手につきあう、どころではなく、なんとか生き延びた、というのが実感です。

 

初回から重い話でゴメンナサイ。ところが、意外なことがきっかけで元気を取り戻してきました。それは・・・・・次回にお話しますね。

 

更年期とひとくちにいっても、人によってその体験は異なります。軽い人、重い人、こんなふうにして元気になったとか、うまくつきあっている工夫など、ぜひ読者の皆さんの体験を教えてくださいね。

 

撮影協力/Tatsumi Okada

この記事をシェア!

Facebook Twitter Pinterest LINE

この記事をシェア!

Facebook Twitter Pinterest LINE
第1回
まずは私の更年期についてお話します。

OurAgeをもっと楽しみませんか?

OurAgeはウェブサイトだけでなく、メールマガジンやfacebook、Twitterでも「とっておき」情報をお届けしています。
ぜひチェックしてください!

OurAge メルマガ会員

会員だけのお得な情報もお届けします!

登録はこちら(無料)
twitter
MyAge / OurAge
  • コメント(8)

    奈緒美さん、私、甲斐バンドかなりファンでした。全部アルバム持ってました。
    あ、何か趣味が近い感じが・・・次回コラムもぜひ読んでくださいね。

    草野いづみ - 2014年7月22日 09:20

    こんばんは、
    お返事ありがとうございました。
    RCは私も好きです。結構、聴きます❗️
    癌でお亡くなりになりましたね。
    私生活ではあのビジュアルとは違い、とても、家族を大切になさり真面目で誠実な方です。吉田拓郎は、フォークで曲はもちろん知っていますが、特に興味は無かったのですが、素直になれば、、、
    泣きました。あの時代だと、甲斐バンドや加藤登紀子、後、ロードを歌っている歌手
    歌手名忘れましたが、、、、、、
    数年前のドラマ神様もう少しだけの
    LUNA SEAのI for you.このドラマで
    日本デビューした金城武、大好きです。
    韓国ドラマ赤と黒で知ったキムナムギル
    同じくチュノのオ ジホ 素敵です❗️
    両方共に物語良し、曲良しで、最高です❗️
    何かすみません、ただのメールのやりとりみたいになってしまいました。
    でも私に取り先生に話す事で精神が少し安定している事は間違いありません。
    今日も無事に仕事をやり切る事が出来ました。明日も頑張ります❗️

    奈緒美 - 2014年7月21日 23:20

    「先生」と呼ばれるのに未だに慣れないのですが、奈緒美さん、コメントありがとうございました。出勤できて良かったです。尾崎豊の曲は「I love you」「Oh My Little girls」くらいしか知らなかったのですが、教えていただいた2曲聴きました。触ったら切れそうな繊細さ、自分の全部を絞り出すような歌を歌う人でしたね。私はRCサクセションのファンなんですが、自分の転機に背中を押してくれたのは吉田拓郎の「素直になれば」だったのを覚えてます。
     生死について考えていらっしゃるとのこと。誰しも避けて通れないことだけど、自分も周囲も年齢的にまさに直面することが多くなり、逆に開き直っているこのごろです。お元気で!

    草野いづみ - 2014年7月20日 18:50

    続きです、、、最近は生きる事と死ぬ事について考えています。こういう事も、更年期と関係が有るのでしょうか?矢沢永吉、矢沢永吉の曲には光、希望が見えますが、尾崎豊には、自身にも曲にも光と希望では無くて、闇、孤独が見えます!太陽の破片は希望の詩なのに、、、そして、シェリーは彼の不安でどうにもならないグレーな心情が解ります!この曲は、耳をふさぎたくなり、号泣します。勿忘草は良いですよ〜
    これは、主人公達の情景が鮮明に浮かんで素敵です。言葉の使い方や歌い方に全身の毛穴が開く感じです。尾崎豊の曲を聴いた事が無いとしたならば、是非、聴いてみて下さい。先生からのお返事で少しすっきりしました。今日は出勤します。

    奈緒美 - 2014年7月20日 05:52

    先生、おはようございます。起きるのが早いなぁと思っているかもしれませんが、実は眠れないのも実情です。お返事ありがとうございます。私は友達や心から信頼出来る他人が居ないので、この様にお返事頂けて、嬉しいです。実は、今日、いや、もう昨日になりますが、仕事を休んでしまいました。出勤する気持ちになれず、夕方から渋谷へ買い物へ行き、帰宅後、尾崎豊の曲を聴きながら、彼の心の闇と私自身に自問自答しておりました。彼の曲で好きなのは、特に、勿忘草、シェリー、太陽の破片です。何で彼は死んでしまったのか、何で人は死ぬのか、願いが一つだけ叶うとしたら、死にたくない!

    奈緒美 - 2014年7月20日 05:26

    ごめんなさい、奈穂美さんじゃなくて奈緒美さんでしたね。老眼もあり、字がよく見えませんでした。

    草野いづみ - 2014年7月16日 19:56

    奈穂美さま
     コメントありがとうございました。私だけじゃない、辛い症状の人がいるんだ、と改めて思いました。やはり支えになる人が必要ですよね。矢沢永吉に出会えたことはほんとうに奈穂美さんにとってラッキーだったと思います。叔母がファンで、私も永ちゃんのライブに行ったことあります。すごくパワーをもらいました。今でも現役のミュージシャン、そういう姿をみると元気をもらえますね。
     話し足りないとのこと、ぜひもっとおしゃべりしてください。
     
     

    草野いづみ - 2014年7月16日 19:54

    こんばんは、今拝見させて頂きました。私は今、現在、更年期であろう症状のど真ん中に居ます。51歳、暖房、太陽で顔耳が真っ赤になり、冬場は手指が赤く腫れ痒く痛みも有ります。昨年は顔頭目に帯状疱疹が出来辛かった。目眩や不安感や色々な事にとても敏感に感じてしまい、感動なのか悲しいのか良く分からないままに泣いてしまう事もしばしばあります。私は正義感があり素直で真面目な性格で曖昧な事が嫌いですが、今、それが物凄く敏感に反応してしまいます。周りからは、その位の事と感じる事が私にとっては生死に関わる事に捉える事が多々有ります。でも、自身でコントロールが出来ません。少しでも私にとって変だと思ったら指摘しないと気がすみません。後から、言い過ぎたとは思いますがまた同じ事の繰り返しをしてしまいます。
    でも、普通ならへこたれてしまう事でも何とか頑張れて来られたのは私が中学3年の時に出会う事が出来た矢沢永吉の著書、成り上がりのおかげです。私にとり、矢沢永吉は人生の、人としての先生です。
    矢沢精神で、毎日毎日毎日、辛いのは自分だけじゃないと言い聞かせ、頑張れています、まだ話し足りませんが、、、

    奈緒美 - 2014年7月15日 02:14
    コメントを投稿する

    コメントを投稿する

    post date*

    ニックネーム
    コメント
    To Top