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まずは私の更年期についてお話します。

はじめまして! 更年期はすべての女性が通る人生の通過点。まさにいま渦中の人、これからの人、もう過ぎたよ、という人すべてに、それぞれの更年期のストーリーがあると思います。
かくいう私もそのひとり。そして、「あなた、どうなのよ?」 と周りの人に聞いてみたいと思ったのが、このコラムのきっかけです。みんなの体験のなかに、きっとほかの人に役立つヒントがあるはず!
はじめに自分のことから話してみますね。

 

花

 

私の更年期・・わかっちゃいるけどつらかった

 

私は現在55歳で、閉経をはさんで約10年といわれる更年期の後半にいます(たぶん)。でもときどき汗と暑さがバッとくるのと、たまに眠りにくいことがある程度で、ほとんど障害は感じていません。
毎年、知人の婦人科医のところで検診を受けるのですが、血液検査で卵巣ホルモン値を測ると「ほぼ無きに等しい」とのことで、ああ、そろそろ落ち着いたのかなと思う今日このごろです。

 

実は私、以前は更年期の症状がかなりきつかったのです。45歳くらいから月経不順や、ボタボタしたたるほどの多汗などホットフラッシュの症状が始まったのは覚えているけれど、その後は記憶にモヤがかかったようで、まるでトンネルの闇の中にいたような・・いつ閉経したかも定かではありません。

 

いつも疲労感、脱力感に襲われ、気力が出ない、すぐ涙が出る、眠れない、ネガティブなことばかり考えてしまう(とくに夜)・・という精神症状が強く出て、ひたすら時の過ぎるのを待つという日々を送っていたのです。

 

私は20代には母子保健や家族計画など女性のリプロダクティブ・ヘルス(性に関わる健康)の推進をしている団体に勤務し、30代には女性誌のライターとして主に医療・健康関連のテーマの取材をし、記事を書いていました。だから更年期についても、そのメカニズムや対処法などある程度の知識は持っていたはず・・だから更年期は軽く対処できるぞ、と考えていたのですが、そんな楽観はふっとんでしまいました。

 

いや、多少は知識があったからなんとかなったともいえるのかな・・・これは自力ではムリ、と婦人科医にSOS。相談してHRT(ホルモン補充療法)と睡眠導入剤をもらって、ともかく仕事と家事など日々の生活をやっとやっと回していく、という毎日でした。あ〜思い出しただけでもしんどい・・・

 

中年危機:midlife crisis:の日々

 

私が専門にしている発達心理学は、昔は主に子どもの発達を研究対象にしていたのですが、最近では「人間は死ぬまで発達し続ける存在」として生涯発達心理学と呼ぶようになっています。
それでいえば、中年期の女性とは、更年期のからだの変化を迎えるとともに、人生の折り返し地点を過ぎて残りの人生をどう生きるか、やり残したことはないか、と振り返る(人によっては葛藤する)時期にいるわけです。

 

同時に、若い頃にはなかったからだの衰えや、病気など健康の心配が具体的に出てくるようにもなります。また、子どもが巣立つことによって心にぽっかり穴があいたり(empty nest:空の巣症候群)、親が年老いて介護の負担が生じる頃と重なります。
からだも心も大きく揺れ動くのは女性の人生で思春期と更年期の2回といわれますが、とくに更年期は心理的危機を迎えるライフステージといえます。

 

だから、更年期の症状とは、月経不順や自律神経系の乱れなど単に卵巣ホルモンの減少から起こるだけでなく、その人の置かれた状況による心理的要因に大きく左右されるわけです。・・・私の更年期症状が重かったのもまさにこういうことだったのですが、頭でわかってていても心がついていかなかったんですね。

畑仕事をする草野さん

授業でつくってる野菜。畑にいると癒されます

 

40代に入ってすぐ、大学院に入って学び直そうと思ったのは、20代にやりかけて中途半端のままにしてしまったという「やり残し感」だったのかな。社会経験を積んだ今だからこそ、勉強することが今後の仕事や人生に活かせるのではないかと思ったのも理由の一つです。

 

とはいえ、働きながらの学生生活はけっこうハードでした。40代半ばでいまの職場に移り、慣れない授業と博士論文に四苦八苦しているさなか、今度は父の介護問題が生じました。一人っ子でシングルなので、自分の生活も父のこともすべて一人で対処しなくてはなりません。

 

 

幸い、父は一人暮らしできる状態だったので、歩いてすぐのところに引っ越してヘルパーさんの助けを借り、私がべったり張り付いていたわけではありませんが、精神的にはいつも後ろ髪を引っ張られている状態でした。

 

さらに、最大の打撃は、「老後は支え合って一緒に楽しく生きようね」と語り合っていた中学校以来の親友が亡くなったことでした。ショックから3年間くらい、闇の中で無我夢中で暮らしていたようなぼんやりした記憶しかありません(やっと最近、思い出したり話せるようになりました)。

 

20代30代はわりと楽観的なタイプで、人生なるようになる、と能天気に暮らしていた私ですが、人生こんな苦難があるとは思ってもみませんでした。更年期と上手につきあう、どころではなく、なんとか生き延びた、というのが実感です。

 

初回から重い話でゴメンナサイ。ところが、意外なことがきっかけで元気を取り戻してきました。それは・・・・・次回にお話しますね。

 

更年期とひとくちにいっても、人によってその体験は異なります。軽い人、重い人、こんなふうにして元気になったとか、うまくつきあっている工夫など、ぜひ読者の皆さんの体験を教えてくださいね。

 

撮影協力/Tatsumi Okada

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第2回/私の更年期 その2/“恋するホルモン”が回復のカギに?

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