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更年期、良い産婦人科の選び方(前編)

吉川千明

吉川千明

1959年生まれ

美容家、オーガニックスペシャリスト

自然や植物の力に着目し、オーガニックコスメをはじめ、スパ、漢方、食にいたるまで、ナチュラルで美しいライフスタイルを提案

オーガニックビューティの第一人者として知られる

 

OurAgeインタビュー「美容の世界をあらゆる角度から学び、最高の知識で女性を救いたい」はこちら

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こんにちは、美容家、メノポーズカウンセラーの吉川千明です。
私はいつも「年1回の女性健診」と産婦人科の「かかりつけ医」をもつようにお勧めしています。しかし、皆様からは「どこに行ったらいいわかりません」、「おっしゃるようなそんな先生、うちの周りにはいません」とよくよく言われます。そのようなわけで、本日は、OurAge世代、更年期世代に向けて、私の思う良い産婦人科医の選び方についてお話したいと思います。

吉川連載 更年期医者選び写真1対馬先生と吉川さん

写真は、対馬ルリ子先生と。

大きな病気をしたり不調のトンネルをくぐりながら過ごしてきた更年期も過ぎました。今は、自分たちが健康でいられるよう、休んだり、旅に出たり、毎日を工夫しながら過ごしております。私自身の「かかりつけ医」、「産婦人科医」は対馬ルリ子先生です。先生とは、集英社から「『閉経』のホントがわかる本」も共著で出していますが、更年期向けセミナー「女性ホルモン塾」を約20年、150回以上も続けてきた良き同志でもあります。私の考えの中には、専門家としての先生の視点に影響された部分と、長年、先生の診察と治療を受けてきた患者としての視点がミックスされていると思ってください。全部で10項目ありますので、前後編でお届けしますね。

1) まずはホームページをチェックして

産婦人科医を探している人は全国に渡ります。まずは自分の住むエリアの産婦人科をホームページでチェックしてとお伝えしています。クリニックの目指す方向性や治療する上で大切にしていることをきちんとうたっているかどうかチェックしてください。きちんとドクターが顔写真と名前を出して、ビジョンを話していることが大切です。
産婦人科と標榜していれば、どのクリニックも総合的に女性のことを診るはずですが、出産に力を入れているクリニックもありますし、不妊治療に力を入れているクリニックもあります。それぞれ得意分野や力を入れている分野が違うと思います。しっかりと更年期の治療に力を入れていることを確かめてください。
ホームページが全てではありません。しかし、クリニックが前向きな治療を行っているかどうか、患者に対して、ウエルカムな姿勢でいるかどうか、手っ取り早い判断材料になると思います。


2) 男性の医者と女性の医者とどちらを選ぶべきか

どちらでも良いと思います。
私の知っている男性の医師には女性以上に女性のことを研究し、更年期の相談にのっている先生がたくさんいらっしゃいます。ただ、患者さんの中には男性医師だと緊張してしまうという方もいらっしゃいます。自分の居心地の良さというのは大事だと思います。あなた自身が先生にきちんとお話しができるなら、男性でも女性でもOKです。しかし、何か居心地が悪い、遠慮してモノが言えないと感じたならそれはNG。男か女かということでなく、あなたがリラックスでき、あなたに対して謙虚に話しを聴く姿勢を持っているドクターを選んでください。
ちなみに、歴史的には、産婦人科医は男性の医者が多いのです。産婦人科の元々のジャンルは外科系。出産やがんのオペなど当直夜勤が多く、女性が飛び込むには過酷な科だったのです。ですが、最近は、労働環境もやや緩和され、外科的な面だけでなく、女性の人生に寄り添う産婦人科の内科的な面に魅力を感じて入ってくる若手の女性医師が増えています。うれしいことです。


3)大病院と町のクリニックと、どちらを選ぶべき

本来は、自分の町や職場の近くに、かかりつけ医がいるのが理想的と思います。大病院や大学病院ではなく、町のクリニック、産婦人科を見つけた方がいいでしょう。大病院や大学病院は、高度医療を提供する場で、かかる時は紹介状が必要ですし、紹介状がない時は5000円以上の選定療養費というのがかかります。がんの手術や治療、緊急の案件を扱う場所です。日常的な不調で来てくれるなということです。

更年期の不調は今すぐの生き死にには直結しないものの、不定愁訴と言うくらい、多彩な不調が出てきます。その人の日常生活もわかった上で予防も含む、細やかなメンテナンスが必要です。更年期の治療は、ヘルスケアのジャンルに入ると思います。色々な不定愁訴が出てくる更年期、一分一秒の命を争う大病院よりも、むしろ、私達と近い場所の町医者さん、クリニックの方が情報もノウハウもあると思います。


4) 先生の年齢は?

本来は老いも若きもない、と言いたいところですが、見極めて欲しいと思います。何歳でも情報や考え方がアップデートされていれば、年齢は関係ありません。しかし、出産ラッシュだった昭和や平成の時代に、お産ばかりを扱っていたお医者さんもいらっしゃいます。Q O Lやインフォームドコンセント、患者に寄り添う医療とはほど遠い時代もありました。「色々聞くな!」「信用できないから来なくていい!」「更年期なんて自然のことだ、我慢しろ!」。更年期の治療に詳しくなかったり、前時代のヒエラルキーがアップデートされていなかったりする場合もあるでしょう。そのあたりをよく見極めてください。
年はとっていても、常に前向きな先生はいらっしゃいます。若くても一生懸命、私たちのことを理解しようと努力してくださる先生もいます。
対馬先生は、「専門医の資格をとり、現場で10年位経験を積んできた人がいいですね。」
と閉経のホントの中でおっしゃっています。


5) 自分の知らないことを嫌がらないか

更年期の不調は多岐に渡りますし、個々に違います。書き出すとものすごくたくさんの症状、不調が上がります。それに対して、治療の方法もたくさんあります。ホルモンを使う方法、そのホルモンの使い方も色々、漢方薬に精神科や心療内科の薬、プラセンタや栄養注射もあります。サプリメントもあります。鍼灸にアロマテラピー、ヨガやピラティスなども有効です。更年期は、患者さんに合わせたテーラーメイドの治療にセルフケアが必要な時期です。色々なものを組み合わせてやってみると良い時期です。

しかし、そういったものは、頭ごなしに否定されることもあります。今ではすっかりポピュラーになり、WHOも認めている「漢方」や「鍼灸」ですが、ひと昔前は、「漢方」の「か」の字を出しただけで怒られたこともありました。うさんくさいと。しかし、医学や薬学の勉強の中に東洋医学も入ってくることで、少しづつ、状況は変化してきました。製薬会社の努力もあって、ドクターたちも漢方を学び、多くの産婦人科医が漢方を扱っています。西洋医療のできない部分を補うものとして上手に出してくださいます。変われば変わるものですね。

しかし、どうあれ、怒られるのは嫌です。人は、自分が知らないことに嫌悪感を示すものです。ドクターも人です。その患者さんに、その治療法があっているかどうか吟味していただく必要はありますが、頭ごなしに怒られるのはどうでしょうか。いまだによくある話です。

良い産婦人科選びの5つ目は、常にその先生が勉強しているかどうか、患者視点のフラットな感性をお持ちかどうかを、入れたいと思います。更年期治療に必要なのは、治療と日常生活をサポートするセルフケアです。

6) ホルモン補充療法を嫌がる先生は?

私がいつも使っているホルモン補充療法のエストロゲン、エストラジオールは塗るタイプの「 ル・エストロジェル」ですが、2007年に発売され、2012年には保険適応になっています。効能効果も更年期障害及び卵巣欠落症状に伴う血管運動神経症状(Hot Flash及び発汗)とあり、ホットフラッシュの治療薬であることが書かれています。私も使っていますし、禁忌事項に当てはまらなければ、とても良い薬と思います。

しかし、ホルモン補充療法を使いたがらない先生もいます。「ホルモン補充療法をやって欲しい。」と患者さんが申し出ましたら、「まだ色気を出す気か?その年になって」と言われたそうです。涙が出ますね。ホルモン補充療法は、患者さんに適していれば、骨にも良いし、気持ちのアップにもよいのに、どうしてこんなことを言われなきゃいけないのでしょうか。

1つ目は、もちろん科学的論拠があり、治療法として否定する場合はあって良いと思います。「こういう根拠でお勧めしていません」と。それも考え方で良いと思います。
2つ目は、5)で書いたように経験がない、知らないことは嫌ということも多いと思います。
3つ目は、面倒臭いのです。短い時間の中で、これも不定愁訴の患者さんの特徴ですが、集中力がなく話が堂々巡りする更年期女性に説明するのは面倒なのです。説明しても時間をかけても保険点数になりませんし。
更年期女性たちに丁寧に向き合ってくれるドクターもいます。ホルモン補充療法が良い人にはホルモン補充療法を勧め、適さない女性には別の方法を提案する。自分都合の偏りではなくて、常に最適の中から患者さんのためのベストを探す先生を見つけてください。
一つ、こちらサイド、私たち患者サイドも、専門家になれとは言いませんが、本を読んで最低限の知識くらいは学んでから受診するとか、話したいことを書き出してくるとか、メモを取りながら先生の話しを聞くとか、患者としての努力、工夫をして臨みたいものです。

 

前編はここまでです。次回も読んでくださいね。

さあ、お待ちかね。この時期におすすめのコスメをです。
吉川連載 更年期医者選び写真2ソットサット
乳がんサバイバー、乳がんの治療を体験された緒方佳美さんが作られたフェイスとボディ、全身に使える保湿乳液「ソットサット」です。乳がんの治療中、治療後の、疲れる、手が上がらない、肌が乾燥して敏感、痒みも出る、そのような状態は、私達、ホルモンチェンジ世代にも共通項があると思います。ヘパリン類似物質でできていて、保湿力は抜群。色がついていなくて、パジャマや下着を汚さず、顔にも体にも使えてとても便利です。私も家で実際よく使っています。
ピアケアモイスト(ソットサット)
https://rashiku.me/sotto_satto/ ソットサット公式サイト

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