これまで閉経や更年期について話したり、情報を得る機会が少なかったOurAge世代。意外に多い勘違いや、あるあるを3回に分けてご紹介します。
お話を伺ったのは
八田真理子さん
Mariko Hatta
産婦人科医。1990年、聖マリアンナ医科大学医学部卒業。順天堂大学、千葉大学、松戸市立病院を経て、98年、千葉県松戸市で女性のためのクリニック「ジュノ・ヴェスタクリニック八田」を開業。幅広い世代の女性の診療を行い、クリニックはいつも女性でいっぱい。著書に『産婦人科医が教えるオトナ女子に知っておいてほしい大切なからだの話』(アスコム)など。
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いまだにそれが正しいと思っていませんか?
「閉経」と「更年期」の勘違い、あるある!
まだ月経があるから更年期ではない ×
日本産科婦人科学会や日本女性医学学会の定義によれば、更年期とは、閉経の前5年、あとの5年を合わせた約10年の「期間」のこと。閉経前後の期間を指すので、月経がある時期ももちろん更年期に含まれます。自分の更年期がいつ頃から始まったのかは、閉経後にわかるのです。
平均より早く閉経することを「早発閉経」という ×
医学的には、40歳未満に自然閉経(無月経状態が1年以上続く)することを早発閉経といいます。閉経の平均が50歳頃だからといって、40代前半で閉経しても早発閉経ではないのです。また、病気の治療や子宮・卵巣摘出による人工閉経は早発閉経に含まれないことも覚えておきましょう。
●女性ホルモンと「閉経と更年期」
女性ホルモン(エストロゲン)が急激に増える時期が思春期。急激に減るのが更年期。それぞれの時期に初潮、閉経が起こります。
あとになって初めて「あの頃からか!」とわかるのが更年期。更年期は平均すると、45〜55歳頃の10年間。閉経はその真ん中の50歳頃。とはいえ閉経して急に何かが起こるというわけではないので、神経質にならずに大まかにとらえましょう。
更年期がある人とない人がいる ×
よく「私には更年期がない(なかった)」と言う人がいますが、それは大きな間違いです。上の囲みのように、更年期は思春期と同じように「時期の名前」なので、女性であれば一人残らず通るもの。「更年期の不調や更年期障害がない(なかった)」と混同しないようにしましょう。
女性ホルモンは多ければ多いほどよい ×
体内の女性ホルモン(特にエストロゲン)量は、正常に保たれていることが何より大事です。多いほどいいというわけでは決してありません。例えば、エストロゲンが豊富な人は子宮筋腫や子宮内膜症になりやすい傾向があり、過剰になると乳がんや子宮体がんのリスクが高まるとも言われています。
カメラ&スタイリスト/中山ユカリ グラフ/ビーワークス 構成・原文/蓮見則子