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「鎌倉沼」にはまった50代、これまたはまった鎌倉時代を描いた本は…

ふみっちー

ふみっちー

ネコを愛するネコっ毛の50代。ツンデレ猫・リリララ姉妹に日々翻弄されてます。美と健康の情報は大好物です!

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う…やられた。マドレーヌ先輩に先を越されたー!私より先に『鎌倉殿の13人』(以下、『鎌倉殿』)を取り上げられてしまいました(悲)。

 

マドレーヌ先輩同様、私もどっぷり『鎌倉殿』にはまっております。日曜日は18:00にTV前に待機、BSの「早殿」(ネットではそう呼ぶらしい)を視聴。もちろん録画もしております。気になった回は録画をすぐに確認、そして土曜日の再放送で「追い殿」も…。オープニングテーマも、iTunes Storeで買ってしまいました。

 

さすがは三谷幸喜さんの脚本。もう、第一話の北条時政(坂東彌十郎さん)の「首チョンパじゃねえか」、源頼朝(大泉洋さん)の女装の段階で、ギブ。面白い~♪と思って見続けています。こんな風に、コメディタッチをプラスしているところが、今風の大河ドラマですよね。

 

とはいえ、歴史は世界史を選択していた私、日本史はよくわかりません。そこで、もっと『鎌倉殿』の世界を知りたい!と、先日、本を2冊購入いたしました。

 

吉田つぶやき_『炎環』『史伝 北条政子』写真

 

【左】『炎環』(文春文庫 748円(税込))

【右】『史伝 北条政子』(NHK出版新書 968円(税込))

 

まず左の『炎環』。『鎌倉殿』の影響で新たにスポットの当たっている1979年の大河ドラマ、『草燃える』の原作の一部となった作品です。作者は永井路子さん。世界史選択の私は、永井さんの『歴史を騒がせた女たち 外国篇』を読んでいて、どれだけ助かったことか。とにかく歴史小説の大家ですよね。他にも『北条政子』『乱紋』など、特に女性視点からの歴史小説は画期的で、大きな話題を呼びました。

 

『炎環』の登場人物は4人。阿野全成(新納慎也さん)、梶原景時(中村獅童さん)、この本では保子という名の実衣(宮澤エマさん)、そして北条時政です。

 

私、『鎌倉殿』を見るまで、全成という人を知りませんでした…っていうか、今若!?牛若丸のお兄ちゃん、鎌倉に来ていた!?すみません、世界史選択だったもので…。義経の兄たちまで鎌倉に参集していたとは、まったく知りませんでした。

 

『炎環』がおもしろいのは、ここ。この全成をはじめとして、時政以外、あまり歴史の表舞台に出なかった人たちの目を通じて、徐々に頼朝、義経、政子、義時…といったメジャーな人たちの姿を浮かび上がらせていきます。そのうえで、家族や親族の間でとは思えない、むごい争いや裏切りが臨場感たっぷりに描かれます。おもしろいけどコワい、コワいけど読んでしまう…『炎環』で描かれる人間劇は、シェークスピアの悲劇以上に恐ろしく、悲しい。

 

血みどろの政争が繰り返されるなか、最後の悲劇が幕をあけます。その裏にいたのは…「おまえか――っ!」とTVに突っ込みたいくらい。そのシーンが『鎌倉殿』で、どう描かれるのかも楽しみです。既に伏線も張られているような…。

 

そして右の『史伝 北条政子』は、気鋭の中世史研究者・山本みなみさんの著作です。こちらは新書なので、新出史料や考古学研究などを踏まえながら、『鎌倉殿』の世界を解説してくれます。

 

たとえば、なぜ“伊豆の小豪族”に過ぎなかった北条家が、トップにまで上り詰めたのか。なぜ北条政子は、頼朝の死後も影響力を保ち続けたのか。『鎌倉殿の13人』を選んだのは誰か。源頼家は本当に“暗君”だったのか…そういったよく考えると「?」なことを、わかりやすく解き明かしてくれます。北条家寄りと批判されがちな『吾妻鏡』だけでなく、『明月記』『愚管抄』などにも依ってより客観的に、また伊豆韮山の最新発掘調査なども交えながら、北条政子の素顔に迫ります。

 

2冊に関して特筆したいのは、女性の著者が書いていること。特に“北条政子”という人を知ろうとする場合、女性視点というのは外せないと思います。4人の子どもたちすべてに、次々と先立たれる悲劇…私には子どもはいませんが、母としては身が切られるほどつらいことだったはず。なのに、北条家と鎌倉幕府の存続のために力を尽くし続けた…それはどんな人生だったのでしょう。

 

ドラマや書籍を楽しみながらも、ついつい思います…この時代に生まれないでよかった。とてもサバイブできる自信、ありません。『鎌倉』はやはり、フィクションの中だけで楽しみたい私です。

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