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「北欧家具talo」でみつけた、デンマークのヴィンテージチェア

新谷麻佐子

新谷麻佐子

あらたに・あさこ●イラストレーター&編集者。2014年にムーミンの作者トーベ・ヤンソンが暮らした島「クルーヴハル」に、友人でライターの内山さつきと1週間滞在したのをきっかけに、kukkameri(クッカメリ=フィンランド語で「花の海」の意) を結成。以後、フィンランドの小さな町や四季、暮らしと文化をテーマに取材を続けている。著書に『とっておきのフィンランド』『フィンランドでかなえる100の夢』(ともにダイヤモンド社)がある。http://kukkameri.com

マイ“ヒュッゲチェア”探し

 

3月に入り、春めいてきました。フィンランドも今頃、太陽が顔を出し、日照時間が長くなってきて、みんな笑顔になっているだろうなあと想像しています。と言っても、外はまだまだ寒く(私が訪れた年は、3月でも海が凍っていたほど!)春と呼ぶには早いのですが、家の中でチューリップを飾るなど、春はもうすぐ!と心軽やかに過ごしていることでしょう。

北欧家具とチューリップ

私が春になったら取りかかろうと思っていたのが、ワーキングスペースの見直し。

 

大好きな海外旅行に行けないからといって、もやもやしているのではなく、せっかくこれまで北欧の素敵な暮らしに触れる機会があったのですから、それらを参考に自分好みの空間をつくっていけたら〜というのが、人生の(といったらオーバーだけど)新たなテーマに加わりました。

 

ただ今回は新品ではなく、ヴィンテージがほしい気分です。

 

ヴィンテージについては詳しくはないものの、もともと大好きで、フィンランドの陶器ブランド「アラビア」や、イギリスの陶器「ホーンジー」の器を蚤の市で買ったり、ロンドンのイーストエンドのヴィンテージショップを巡ったりするのも好きだったのですが、家具を購入するのは、初めて。

 

ヴィンテージのいいところは、その味わいはもちろんのことですが、同じシリーズで統一しなくても不思議と素敵にまとまるところ。こんなふうに、異なるイスが並んでいても違和感がありません。(写真はフィンランド南西部の港町、ラウマにあるカフェ)

フィンランド ラウマにあるカフェの内観写真

なので、ちょっとずつお気に入りのヴィンテージ家具を集められたらと、まずは1日のうち、一番長い時間を過ごす仕事部屋から取りかかることにしました。

 

特に机とイスは、パソコンで原稿を執筆するときも、本の絵コンテを描くときも、そして絵を描くときも、ずっと向き合う重要な場所。そこがお気に入りならば、ごきげんになれます。

 

そこで、外出できないコロナ禍、仕事の息抜きにネットでヴィンテージ家具探しを始めました。

私が好きなのは、イギリス、フランス、デンマーク、フィンランドのヴィンテージ。ただ、なかなかのお値段です。特に、有名デザイナーのものとなると、あらあら海外旅行に行けてしまいますね〜というほど。また、そのもの自体は素敵でも、自分の家の空間に合わないのはいけません。

 

そんな時に、ヒントになったのが、たまたまネット配信で観たWOWOW製作のドラマ「パンとスープとネコ日和」でした。

 

主演は小林聡美さんで、その他の顔ぶれも、日本のフィンランドブームの火付け役となった映画「かもめ食堂」の俳優さんたちが出演していたり、フードコーディネーターも同じ飯島奈美さんが担当していたりと、どことな〜くかもめ食堂感が漂っています。といっても、監督は、荻山直子さんではないのですが。

 

お話の中で、主人公の小林聡美さんが暮らしている部屋を見て、「あ、これだ!」と。決してモダンなマンションではなく、昭和の香りがするキッチンや窓、昔、おばあちゃんの家にあったような、通るとパチパチと音がする玉の暖簾のある空間に、北欧家具、特にデンマークのものと思われる家具が気持ち良いくらいにスーーーッとなじんでいるのです。

 

北欧家具が日本の住宅に合うとは言われていたものの、これまでは実際に家具をそろえることがなかったので実感がわいていませんでしたが、今回、ストンと腑に落ちました。

 

フィンランド好きとしては、巨匠アルヴァ・アアルトがデザインした、アルテックの「L-レッグ」シリーズにも強い憧れがあるのですが、それはまたいつの日かにとっておいて、今の仕事場には、デンマーク家具がぴったりだなと。

 

また、デンマークの人たちは、大人も子どもも誰もが、マイ・ヒュッゲチェア(自分専用の心地よい椅子)を持っているというのを知り、それも後押しになりました。

北欧の椅子 イラスト 

気になるお店はいくつかありましたが、北欧ファンにとって憧れのヴィンテージショップであり、ネット通販だけでなく、実店舗もあって、実物を見て、触って、座ることもできる、神奈川県伊勢原市にある北欧家具taloを訪れることに。

北欧家具talo 外観写真

中に入ると、まずはデンマークの家具デザイナー、ハンス・J・ウェグナーのさわやかなデイベッドがお出迎え。さらに、ダイニングテーブルやイス、キャビネットなど、北欧家具がずらり。

北欧家具talo 内観写真 ソファ

倉庫の手前にあるのは、クリーニング済みの商品。奥には、きれいにしてもらうのを待っている子たちがまだまだたくさん待機しています。

北欧家具talo 内観写真

まずは店舗全体をぐるりと一周。

「あ、これ素敵!」と思うと、SOLD OUT(売約済み)の文字が。残念……。やっぱりヴィンテージとの出会いは一期一会。焦らずに気長に待つことと、これだと思うものと出会ったら即決が鉄則ですね。

 

 

 

 

お目当てのイスはこのあたりに。

北欧家具talo 内観写真 椅子

お気づきの方も多いと思いますが、ヴィンテージのイスに、「ミナ ペルホネン」の生地「タンバリン」が張られています。小さなドットの刺繍が円を描いている柄です。taloのオンラインショップで、生地の張り替えについてはチェックしてはいたのですが、実物を見ると「やっぱりタンバリン、素敵だなあ」と実感。

 

私が今回買おうとしているのは、特別有名なデザイナーのものではないのですが、それでもひとつひとつ個性があるので、いざ選ぶとなるとかなり迷います。

北欧家具talo 内観写真 椅子

わかりやすいところでは、木の種類と色味、背もたれや脚の形、横から見たときの、背もたれの角度など。ひとつひとつじっくりと向き合っているうちに、それぞれのイスの表情、個性が浮かび上がってきました。

 

これだ!と思う子に絞ったら、お店の方に座面を持ってきてもらって、座り心地もチェック。

北欧家具talo ヴィンテージチェア

さて、いざ着席! ほほう、違います、違います! お尻のフィット加減、足が床に着いた時のしっくりくる感じなど、それぞれの座り心地がまーったく違うのです。

 

もしこのイスにタンバリンの布が張られたら……を、頭の中で何度も想像してみます。さらに、うちのあの空間に置いたらどうかしら?も。

北欧家具 椅子 イラスト ミナペルホネン

ちなみに同じタンバリン柄でも、素材は2種類。色見本から選べます。ミナ ペルホネンのオリジナルの生地(写真左)と、デンマークの「クヴァドラ」とミナ ペルホネンのコラボ生地「タンバリン・ハリンダル」(写真右)。

北欧家具talo ミナペルホネン生地見本

クヴァドラの方が立体感があり、インテリア用の生地なので耐久性があります。使用目的、頻度によって選ぶのが良さそう。

 

ミナ ペルホネンの柄以外に、無地のカラーバリエーションも豊富です。さらにフィンランドのテキスタイルブランド「ヨハンナ・グリクセン」の生地もあり、フィンランド好きの心をくすぐります。もちろん、選択肢が増えれば増えるほど、迷うのですけど。

北欧 ヴィンテージチェア イラスト

迷いに迷ったあげく、私の場合、決め手は3つでした。

 

●さりげなく存在感のあるイス(北欧感がやっぱりほしい)

●座り心地(お尻の大きい私には、座る部分の面積は重要)

●シンプルだけど、どことなく愛嬌のある丸み

(お店の方の意見を聞いて、これが最後の一押しになりました!)

 

ちなみに、デンマークのヴィンテージチェアは、3万円台〜。

納品は2カ月後くらい。楽しみです!

 

イスにこだわりのあるデンマークの人たちも、何かのお祝いにとか、特別なときにイスを買うことが多いそう。例えば、この仕事を頑張ったからとか、誰か家族のお祝いの時にとか、何かの記念に買うと、イスと思い出が重なって、一層親しみがわいてきますよね。

 

私の中で「次にどのタイミングで買おうかしら?」と、タイミング(という名の言い訳)探しがすでに始まっています(笑)。

 

taloには、数は少ないですが、照明や器、雑貨もありましたよ!

北欧家具talo 照明

カゴは、日本で買うと高いイメージだったのですが、こちらは比較的お買い得な気がします。カゴはかさばるので、無理してフィンランドで買ってこなくてもいいかもと思ったのでした。

北欧家具talo カゴ

ちなみに、ヴィンテージチェアを買って数週間、引き続きサイトをチェックしていると、「アルヴァ・アアルトのテーブルが入荷しました!」とお知らせが。そう、ヴィンテージアイテムは、タイミングが大事。随時、商品ラインアップが変わってくるので、「これだ!」と思うものに出会うまで、サイトでこまめにチェックを。

 

 

「北欧家具talo」

神奈川県伊勢原市小稲葉2136-1

定休日:火曜

https://www.talo.tv/

 

車の方は、お隣、秦野市にある、北欧ヴィンテージ雑貨と照明専門店にもぜひ立ち寄って。雑貨はtaloの系列店で、照明はtaloの元スタッフの方のお店だそう。私は電車&バスだったので、今回は断念。またの機会に行ってこようと思います。

 

「北欧家具talo tool&tool」  https://www.talotool.com/

「照明専門店 Nordisk Lys」  https://nordisklys.jp/

 

 

新谷麻佐子さんの北欧旅連載

『今人気の田園ツーリズム。フィンランド、ラトビア、エストニアに行ってきました!』

 

 

 

 

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