“ファッションやインテリア編集者”のクールなイメージ(?)を装いたくて、今までほぼ書かずにきたのですが…今なら言える!(はいはい、いつでもどーぞ)
カタールW杯を観戦してきました
実は98年のフランスW杯からちょいちょい現地観戦に行っています。今回もドイツ戦とコスタリカ戦ほか、他国の数試合をカタールで観戦してきましたよ。
恥ずかしながら私、96年の「マイアミの奇跡」(同世代の方ならご存じかと思いますが、アトランタオリンピックで日本がブラジルに勝った試合ですね)をテレビで見て、まんまとサッカー沼にはまり26年。30代からの遅咲きのサッカーファンです。今回の「ドーハの歓喜」で子ども達はもちろん、また幅広い世代のサッカーファンが増えていますよね。吉田麻也キャプテンではありませんが、サッカーの地上波番組やメディア報道が増えてくれることを期待しています~!
コスタリカ戦前の炎を使った華やかな演出。
早朝到着した1日目、13時からのアルゼンチンーサウジアラビア戦をファンゾーンで見ようと街中に。イングランドのFWケインが描かれたビルを見つけ、この旅で唯一ズームカメラで撮れた写真です(ことの顛末は後述)。
こう言うと、すごいサッカー通か熱狂的サポーターと思われがちなのですが、いつまでたってもそれほどでもないことは正直に告白しておきます、はい。
ドーハの古い市場スーク・ワキーフのアゼルバイジャン料理店のライトと、同じくスーク・ワキーフから見えた三日月
日本代表の活躍を願ってヒリヒリとした時間を過ごすW杯も好きですが、ユーロというヨーロッパの国だけの大会も日本が出ていない分純粋に試合を楽しめて、それもよし。サッカーだけでなく開催地の名建築を巡ったり食を堪能したり、各国サポーターのお国柄を観察するのも興味深い体験です。
スーク・ワキーフの小道には万国旗が。
心地いい季節で、レストラン前のオープンテラス席が人気でした。
W杯前に「カタールに行くことにした」と言うと、サッカー好きの知り合いからも「え~!どこにあるの?」「飛行機で何時間かかるの?」などの質問を受けました。
中東の中でもカタールはあまりなじみがないよう。せっかくなので、現地で体験したことを少しご報告させていただきます。
ちなみに、飛行機はカタール航空直行便で、行きは13時間弱、帰りは10時間弱でしたよ。
ある日の22時からの試合前にカタラ文化村という伝統工芸複合施設兼アミューズメントのようなところに寄ってみたら、伝統音楽のパフォーマンスが。金曜日は日本の日曜に当たる休日ということで、地元の家族連れで大にぎわいでした。
スーク・ワキーフには各国のユニフォームを伝統衣装のトーブ風に仕立てたものも。でもそういう応援グッズで日本向けのものはまず売られていないんです。たま~にあったとしても日の丸風の赤ベース(泣)。どうせならサムライブルーの青で作って~。
ドイツ戦勝利後に森保一監督と解説の本田圭佑さんが、「一喜一憂」せず次につなげよう、といったシンクロ発言をして話題になりましたね。心が整っていない私は、カタールでうっかり毎日「一喜一憂」しまくっておりましたよ。
1. なにしろお金持ちの国。見やすいサッカー専用スタジアムがうらやまし~!!!
5日連続で5試合を5スタジアムで見たのですが、ひとつを除いて、メトロで数十分で行けてしまいました。そして全部サッカー専用スタジアムで、ピッチが近く見やすく迫力を感じました!
日本代表のドイツ戦とスペイン戦を行った縁起のいい「ハリファ国際スタジアム」(45,000人)
まずは、試合直前までの美しい夕日の様子をご覧ください。
このスタジアムは隣に建つタワーが目印です。以前からあったスタジアムを今回大改修。エアコン設置もそのひとつで、ドイツ戦のときは、ピッチに冷房が入っていたようで(帰国後に録画を見たらピッチ解説の播戸竜二さんがめちゃ寒がっていました)、私も寒さに耐えられず持って行ったダウンを着て観戦しましたよ。
隣の席にドイツ人の父子が座っていたのですが、試合終了時に10歳ぐらいの息子は顔を覆って泣いてしまいパパがなぐさめていました…。泣くな少年、私だって何度もこれを繰り返してきたんだよ。
コスタリカ戦の「アフマド・ビン・アリ スタジアム(40,000人)
隣の席にバングラディシュ人のおじさんが一人で来ていて「ぼくは日本のサッカーが好きなんだ」とめちゃ応援してくれました。サッカーにも詳しそうでしたよ。ドイツ戦での活躍もあってかコスタリカ戦には、地元の方や他国からの観戦者が結構日本のユニフォームを着たり日の丸の旗を持って応援してくれていました。W杯現地観戦5回目にして、他国からの多数の応援は私にとって「新しい景色」でしたよ(自分の努力で勝ち得たものではないですが)。アジア開催ということもあるかもしれません。ただ、この試合ではあまり日本のいいところを見せられず、ちょっと申し訳ない気持ちに。
イングランドーアメリカ戦の「アル・バイト スタジアム」(60,000人)
暗くてうまく写せなかったのですが、遊牧民のテントをイメージしているそう。ここだけメトロの最終駅からシャトルバスで30分ほど。砂漠の中にぽつんとあります。
フランスーデンマーク戦の「スタジアム974」(40,000人)は海岸近く。すでに解体スタート!?
974個の荷物用コンテナを重ねて作られ、大会後にスタジアムは解体され、コンテナは海運等に再利用されるとのこと。SDG‘s時代のW杯の象徴ですね。どうもニュースによると、すでに担当分の7試合が終了し、大会中に解体が始まったらしいですよ。
得点シーンでは、たくさんのトリコロール旗が揺れてきれいでした。
ブラジルーセルビア戦の「ルサイル スタジアム」(80,000人)
こちらは、今大会の象徴ともいえるスタジアムで、決勝戦もここで行われます。雑誌などにはいつも8万人収容と書かれていますが、当日は巨大スクリーンに「来場者88,000人」と出ていましたよ。
隣の椅子の後ろにエアコンの吹き出し口と思われるものが。私が滞在した11月後半のドーハは昼は気温30度ぐらいと暑い(でも乾燥しているので日本の夏に比べ過ごしやすい)のですが、日が落ちると20度を切り、夜はかなり寒い時も。
スタジアムの自分の席の後ろに吹き出し口があると極寒で風邪をひくと聞いていたのですが、幸い当日はエアコンは作動していませんでした。それでも寒い夜だったので、この日も私はダウンを着込みましたよ。
そしてセルビアの監督は日本でもおなじみピクシー(ドラガン・ストイコビッチ)!監督紹介時には選手より大きな拍手が起きていましたよ。もちろん私も、思い切り拍手しました。
この「ルサイル スタジアム」ブラボーなんです。外見のキラキラっぷりはおいておくとして、中はスタイリッシュで、8万人も入るのにピッチが近く感じられます。
は~、サッカーファンになって26年、日本でこれに次ぐ規模の首都圏のサッカー専用スタジアムは、埼玉スタジアム2002(63,700人)が20年前にできただけ。もう国際大会やるならカタールのほうがいいってなっちゃいそ~。
世界トップクラスの液化天然ガス産出量を誇るお金持ちの国ということを、まざまざと見せつけられました。うらやましいです。
さて、今はやりの「手のひら返し」をしてみますよ。
2. ボールペンとミニ鏡を没収! 手荷物検査の鬼プレスに泣いた~
スタジアムとファンゾーンへの入場の荷物検査が厳しいのなんの! 会場入口に空港と同じようなX線検査レーンがあり、私は毎回、そこで荷物丸出しチェックにあいました。今までの人生で、荷物検査で怪しまれたことなんて1度もなかったのに、もしかして悪人顔になったんだろうか~!!と本気でホテルの鏡で確認したほど。いや、今まで通りのぼんやり顔でした…。
X線検査後に、必ずバッグを開けるように言われ、化粧ポーチから眼鏡ケース、地図や少額紙幣を入れたファイル、薄手ダウンコートを入れた巾着、ストール類まで、全部中身を出してチェックされました。ミニポーチから漢方の葛根湯や胃薬を出して「これは何?」と聞かれた際には、体をくの字に曲げ胃を押さえて「胃が痛いとき用」と答えたつもりですが、私の英語力不足のせいかジェスチャー下手のせいか、けげんな顔をされただけ…通じていなかったかも?
1回目の検査でカメラと双眼鏡はNGと言われ、はるか遠くまで預けに行かねばならず、結局その後はホテルに置きっぱなしに。
カメラに関しては一眼レフはNGらしいという話は行く前に聞いていましたが、私のは一眼レフではなく、やや大きめのコンパクトデジカメ。レンズ部分が出っぱった形でX線検査で目立ったのかもしれません。薄いデジカメならOKだったようです。
ということで今回の旅は初日の朝をのぞき、すべてスマホで撮影。いつも観戦や旅にはそのズームカメラ持参でもう少し迫力ある写真が撮れたと思うのですが、スマホ撮影に習熟していないこともあってトホホの連続。今後、かなりの練習が必要そうです。
また双眼鏡がないから大事な時に背番号が見えず「今ゴール前に走りこんだのは誰? 髪が黒くないから伊藤純也か堂安律か浅野琢磨かもしくは前田大然?」程度にしかわかりませんでした。だったらTV観戦のほうがいいかと聞かれたら、いやいや現地の熱狂は代えがたい喜びなので、行きますけどね、これからも。
また、ボールペン3本と無印良品の折りたたみミニ鏡(約6×9センチ)も、それぞれ別の会場で没収されました。知り合いの中にはガイドブックや扇子を没収された人も。重いものやとがったものは武器になるということなのでしょうかね。う~ん、でも棒のついた応援国旗はOKなのに、それより小さいボールペンがNGとは~!?
日本人の「細マッチョ」ならぬ「細ヘナチョコ」定年女子にここまで厳密にする必要があるの~?と何度も思いましたよ。毎回、試合前にめちゃテンションが下がるんです…。
観戦には何も持たずに行けばいいといわれますが、それがなかなかむずかしい。IDカードやチケットはすべてスマホで提示するので、なにかスマホに問題が起きた時に対処できるよう遅くとも2時間前にはスタジアムの最寄駅に着きたい。そこからスタジアムに入るのも、また試合後も行列が長いので、結局ホテルを出てから戻るまでに7~9時間もかかるんですよ。そうなると急に寒くなったり、コンタクトレンズの不調やら風邪気味、胃もたれ…あれこれ起こりがちなので、冷え性おばさんは荷物が多くなってしまうんです、とほほ。
とはいえ、大会を安全に終わらせたい気持ちは理解できます。FIFAや大会運営が決めたことには従います。
まあテンションだだ下がりになっても、途中から私には
「ドイツに勝った!」という元気を取り戻す魔法の呪文
があったので、乗り切れましたけどね。
さあ、次の2026年W杯はアメリカ、カナダ、メキシコの3か国共催。大きめのズームカメラと双眼鏡とミニペンの持ち込みを認めてくれないかな。定年女子の切なる願いが上の人に届きますように!
では、今回の「定年女子あるある(かもしれない)川柳」は、日本代表の活躍こそ気分を上げてくれる源だから…。
4年ごとに 求む!“元気が 出る呪文”
後編では、カタールのメトロやオープンテラス席での「ブラボー」と「トホホ」なお話をお伝えします。
◆【サッカーW杯観戦】カタールで「ブラボーだったこと」「トホホだったこと」/定年女子W杯に行く(後編)
↑(定年後にサッカー観戦三昧する妄想はこちら)
◆「ほぼ皆既月食」で盛り上がった日、夕焼けの赤さに気づきましたか?
↑(今回持参したカメラへの偏愛はこちら)