こんにちは小野アムスデン道子です。今年、京都では7月に3年ぶりに山鉾巡行が復活、8月には五山送り火も行われるなど、賑わいが戻りつつあります。そんな京都で心静かに過ごせる大人の隠れ家ホテル、洛東にある「ホテルオークラ京都 岡崎別邸」に滞在しました。
車が行き交う丸太町通りから、長いアプローチを通り、ホテル内に一歩入ると別世界が。奥に広がるロビーには、美しい石庭のある日本庭園を望むようにソファが置かれています。まずは、祇園辻利の宇治かぶせ茶のウェルカムドリンクで一息。オークラのシンボルマーク”銀杏”のクッキーが添えられているのも、うれしいおもてなし。
ここは、京都ならではの美意識が作り上げる洗練された空間や、工芸の数々を味わえるホテル。乃村工藝社の空間デザインチームRENSの松浦竜太郎氏と、西陣織の老舗「細尾」など京都の伝統工芸を担う後継者のプロジェクトユニット「GO ON (ゴオン)」が、見事にコラボレーションしています。
入り口には迎え花と「金網つじ」の照明が置かれ、エレベータホールは美しい「公長齋小菅」の竹格子が飾ります。ルームナンバーを記した照明は京都「開化堂」によって茶筒の製法で作られています。
西陣織や北山杉をインテリアに使い、”東山に佇む山荘”をテーマにした寛げる客室が全60室。祇園辻利の宇治かぶせ茶が丁寧な淹れ方の解説も添えて置かれ、スイートルームには美しい「中川木工芸」の大盆が飾られています。
スイートルームを含む北側客室からは、隣接する真宗大谷派岡崎別院の緑やはるかに東山の山並みを望めます。ホテルの名前を冠した別邸スイートは70㎡、リビングとベッドルームが分かれ、眺望が開けるバルコニーも。
ダイニングの「ヌーヴェル・エポック」では、オークラらしいフレンチの伝統を継承しつつ、京都の食文化もとりいれた洗練された料理を味わえます。この日のディナーメニューには京都の夏らしく鱧が登場、「鱧と雑穀タブレ 西京味噌ビネグレット」という西洋と和の融合した一品です。
京都の伝統の中にある先進的な美を味わい、大人時間を過ごせるホテルでした(利用は中学生以上限定)。