不倫は確かにいけないことですし、不倫される妻の側からしたら許しがたいことです。でも、あえてポジティブに考えると、やっぱり不倫ほどおいしい恋愛はないんですよ。
まず不倫でワリカンって聞いたことがない(笑)。男は自分に負い目があるからおごってくれるし、甘えさせてくれます。また結婚と違って、男の汚くてだらしない部分を見なくてもいい。パンツを洗わなくていいし、部屋の片づけをしなくてもいい。男の一番おいしいところを見ていればいいわけです。そう考えると、「奥さん、ありがとう」という気持ちにこそなれ、奥さんから奪おうという大それた気持ちにはなれないはずです。
つまり不倫は、あくまで借り物であって、借りたときの状態で返さなければならないんですね。彼は、結婚という契約を交わした奥さんの持ちものであって、それをちょっとお借りしているのだから、シミをつけたり、汚したりしないようにするのが大人のマナーです。
ところがつきあいが長くなって深みにはまると、不倫相手の家に電話してみたり、相手の家に様子を見に行ったり……なんていうことをするようになって、気が付けば、楽しい不倫が苦しい不倫に。そうなる前に引き上げるのが正しい不倫のやり方です。
もちろんそれでもリスクは伴います。刺されるかもしれないし、慰謝料を請求される覚悟も必要です。すべては自己責任です。とにかく夜の峠はオオカミも出るし、迷子になると怖いので、明るいうちに出発しましょう!!
「THE一条ゆかり 集英社デビュー50周年イラスト集」愛蔵版コミックス カバー
取材・文/佐藤裕美