「お金持ちと結婚したい!!」「セレブの暮らしがしたい!!」と夢見る女性は少なくないと思うけど、これは庶民がうっかり玉の輿に乗っちゃったりしたら、大変なことになりますよっていう話。
まず、大金持ちのもとには、日本中からいろんな人が「寄付してくれ」とか「投資の話」とか「覚えのない親戚」とか、とにかく色々、金の無心でむらがってきます。中には詐欺師みたいなのもいるから、妻として、つねに目を光らせてなくてはなりません。
色んなパーティとかにも駆り出されて、最初は楽しいかもしれないけど、ちょっとヘマをしたら、すぐにディスられるし、少しデブになったり、劣化したりしただけで周囲の人にいろいろ言われて、肩身の狭い思いをすることになります。
しかも、お金を持っている男のところには、もれなくお金が好きな女がついてくるから、つねに浮気の心配をしてなくちゃなりません。
政治家なんかと結婚したら、さらに大変!!後援会の人とのつきあいがあるし、冠婚葬祭には呼ばれるし。
さらには日本中から、季節の初鰹だとか、佐藤錦だとか、色んな物が送られてきます(笑)。そしたら妻は、全部にお礼状とか書かないといけないのよ。旦那は適当にやっといて~って、全然手伝ってくれないだろうしさ。あ~、面倒くさい。
もちろんこーゆーことを苦もなくやってしまう「プロ主婦」みたいな人はいいんだけど、そういうキャパのない人は、絶対玉の輿に乗らないほうが幸せだと思うのよね。
40~50代の既婚女性に悩みを聞くと、「どうして夫みたいなつまらない人と結婚してしまったんだろう」っていう回答が多いらしいのよね。「平凡な人生でつまらない」「別の人と結婚していたら、私にはもっと素敵な人生があったんじゃないか」って。
いや〜〜あの~、その…想像するのは勝手なんですけどおぉ、逆は想像しないんでしょうかねえ?
イケてる楽しいアクティブな男と結婚して、波乱万丈ヘトヘトの人生で結局破産とか失敗とか、非凡な人生って…成功率低いだろうし、「平凡」とは字のごとく「並で普通」です。
『普通じゃダメなんですか?』…蓮舫みたい(笑)。
何て言うか…誰か私に素敵な人生をプレゼントして頂戴って、言ってるんでしょうか?それ、たいてい無理ですよ。素敵な人生は自分で開拓するしかないと思うのですが…ああ、今きっと一条は、かなりの女子を敵に回してるんだろうなあ(汗)。
でもね、自分に都合の良い願望って、たぶん夫もしてるでしょうね。お互いさまかも知れない。
とりあえず、今は超不幸でも超大変でもないし、普通に生きていける道を与えてくれている「そこそこ」の夫に、時々感謝したらどうでしょうか。
「プライド」集英社文庫<コミック版>
取材・文/佐藤裕美