「水は低きに流れる」という言葉があるように、人はラクなほうに、ラクなほうにと流されます。「明日から会社だから、今晩は深酒しないでおこう」と思っても、ダメ男な彼氏に「大丈夫だよ~」「1日くらい休んでも何でもないよ~」なんて言われている内に「そっかな~」なんてついうっかり思ったりするもんです。
密閉された空間に二人きりで暮らしていたりすると、気がつかない内にだんだん相手の考えを受け入れていきます。
また、そういう時のダメ男はずるいのよ。自分がダメだと責められたくないから、自分を肯定するために「キミは頑張りすぎ」だとか、「もっとラクに生きればいいんだよ」だとか甘い言葉をささやいて、全力で彼女を堕落させにかかるわけです。
それで一緒にいるうちに「少しくらいなら仕事サボってもいいかも」なんて感化されちゃうんですね。ゆっくりと時間をかけて、少しずつ悪の道に洗脳されていくわけですが、善悪の感覚が少しずつ傾いていくのに自分では大した自覚がないっていうのがいちばん怖いです。
ズルズルとダメ男に引きずられていく感覚って、このズルズルがダメ男の最低最悪の甘い武器よね。なし崩しってやつ…昔、沢田研二が歌ってた「時の過ぎゆくままに」。阿久悠の歌詞を思い出すわあ。
『時の過ぎゆくままにこの身をまかせ 男と女がただよいながら 堕ちてゆくのもしあわせだよと』…すごいよねこの歌詞。一条この歌を初めて聞いた時、感動しましたよ。ジュリーの甘い声に【ただよいながら堕ちてゆく】ですよ!!
なんというお耽美というか、あ〰️もうどうなってもいいわ感が爆裂してる!!阿久悠って天才だわ〰️〰️〰️〰️っとと…イカン!イカン!!ダメ男ワールドを賞賛してしまった。
もちろんそういう男に対抗できる強い女もいます。自分をしっかり持っている人は、「あんたがそうやって、のほほんと暮らしていられるのは、私が必死で稼いでいるからなんだよ!!」と突っぱねることができる。まあ、私は『花は食えん』と花壇で野菜を育ててる女ですから、そのタイプですね(笑)。
でも、そこまで強くない人は、たいてい好きな相手に感化されてしまうものなのよ。普段は簡単に洗脳される性格じゃなくても仕事で疲れたり、ちょっとイヤなことがあったりして落ち込んでいる時に、パワーが落ちた時にダメにひっかかっちゃうのよね。「休んじゃおうっかな」「そうだよ~、休んで明日は遊園地に遊びに行こうよ~」ってね。そして、1回タガがはずれると、真面目にやってきた人ほど、「1回も2回も同じだわ~」って、階段を転げ落ちるように、ダメ道をあッれ〰️〰️コロコロコロ…
ということで、自分が成長するのも堕落するのもパートナー次第。つきあう相手は気をつけて選びましょう。
「おいしい男の作り方」<マーガレットコミックスDIGITAL>
取材・文/佐藤裕美