いつの間にか50歳を数年超えてしまった私ですが、思い返せば高校生になる頃から、洋画への興味・憧れが湧いてきて、それから37~38年、変わらず長~く続く1番の趣味である映画は、生きがいでもあります。
12月現在、まだコロナの収束は見えず、2021年はどうなっているのか不安ばかりが膨らみますが、まずはおでかけをまた自粛して、お休みは映画三昧しませんか? ということで、今回は21世紀に入ってからの好きな映画を2回に分けて紹介いたします。
乾燥の季節ですから、大手オンラインストア、Aさんで、お部屋用と車用に3台購入した加湿器に、ローズマリーのアロマエッセンスを3滴ほど垂らして稼働、リラックスしながらご紹介。7色のLEDライトが点灯して綺麗です。
まずは10代の頃を思い出す映画を2本。
「スウィート17モンスター」2017年 ケリー・フレモン・クレイグ監督作品。
ティーンエイジャーのお話しだけど、50過ぎの私が観ても、ところどころ今でも思っていること、あの世代の頃に感じたことを思い出して、懐かしく愛おしい気持ちになる。セリフが楽しい。10代の女の子には深刻なことだらけだけど、笑える。そして、胸がキュッとして、少し泣けたりする。
えげつないことをバンバンまくしたてるネイディーン(ヘイリー・スタインフェルド)が一風変わった特別な魅力を持っていて、好きだ。ジャケットの袖口が、ネイディーンがずっと愛用しているものらしく、うっすら黒ずんでいたのもいい。そういう細かいところがちゃんとしている映画。
ネイディーンをおもしろがっている(と思う)ブラナー先生(ウディ・ハレルソン)も、こういう温かみのあるおもしろさを持った役がピッタリだ。
ちょっとネタバレですが、ネイディーンが言った、「自分なんて大嫌い。留守電の声を聞いたら、気色悪い声だった。」っていうセリフ、わかるー! 私も初めて自分の留守電を聞いたとき、そう思った(笑)
そしてこちら。
……たとえ誰かに深く心を傷つけられても、自分で自分を傷つけても、それでも人生は毎日同じように続いていく。
何かを変えようともがきながらも、自らを受け入れて、そうやって毎日を生きて明日へと歩みを進めて行くしかないのだ。その中で、小さくても何かいいことがあるかもしれない。そんなことを思った映画です。
「ステイ・コネクテッド ~つながりたい僕らの世界~」
2014年 ジェイソン・ライトマン監督、いつか必ずオスカー獲得してほしいと願う監督の1人です。
原作はチャド・カルテンという人の「Men, Women & Children」
私のイチ推しケイトリン・ディーヴァー演じるブランディーが、いつも口うるさいと思っている母親(ジェニファー・ガーナー)からの電話がなければないで、何かあったのかと気になる娘。あ、私もそうだ、と思った。共感できる何かがひとつでもあるだけで、その映画は大切なものになる。
……生きていくうえで必要不可欠である身内とそして他人との繋がり、恋愛、うまくいくことなんてほんの少しだけ、思い通りにいかないことのほうが多いけれど、それでも生きていく私たちにはそれぞれの意味と小さな希望がある。
次は昔から好きな役者、イーサン・ホーク出演作を2本。
「しあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイス」2018年 アシュリング・ウォルシュ監督作品。
いい映画を観た。感想はこのひと言に尽きる。
懸命に、粗野なエヴェレット(イーサン・ホーク)の後をついていくモード(サリー・ホーキンス)が、いつしか手押し車に乗っているのが、とても素敵な画だ。
2人でひとつ。質素で多くを求めない夫婦の繋がりに、ほわっと暖かい感動がある。
「ハイウェイの彼方に」2019年 俳優でもあるローガン・マーシャル=グリーンが監督、脚本。私は子どもをもたなかったけれど、小さな命の尊さが身に沁みた。
バスでの出会いの高揚感に、小さな幸せを見つけた。
20年ぶりであろう、ラッセル(イーサン・ホーク)の瞳に映る何もかものその輝きに、私まで感動した。……このゆったりとした雰囲気は、昔観たとても好きだった映画に似ている気がした。
バスに揺られているラッセルに、たまにあたる陽の光が美しく、見ている者の気持ちに暖かさを添え、何か希望めいたものを灯してくれるような映画だった。
最後、バスの切符売り場でラッセルは、湧き上がるような笑顔でどこへと行き先を告げたのだろう。
次は大のお気に入り、
「スケルトン・ツインズ」2014年 クレイグ・ジョンソン監督作品。
私の解釈としては………何がしたいかわからず、いろんなことに手を出しては辞め、自分でも訳がわからない欲求不満を、優しい旦那がいながら別の男性とのカラダの関係で発散し、それがさらに自己嫌悪となる、というマギー(クリステン・ウィグ)。
周りを巻き込み、迷惑ばかりかけまくっているのは心のどこかでわかっていながらも、突っ走る自分を止められず、好きに生きたいが理想と現実は違いすぎて、それでも突っ走る自分に自己嫌悪となる、というマイロ(ビル・ヘイダー)。
冒頭から同じことをしようとして、弟マイロに先をこされた姉マギー、何年ぶりかの再会をした双子。
私とは全然違う生き方だけれど、そういう自己嫌悪はとてもよく理解できる。
誰もが自己嫌悪と欲望を持ち、自分自身と戦いながら毎日を生きているのだ。それは自分にしか理解できない。しかし、分かち合える人が1人だけいてくれたなら、それはとても幸せなことだ。主演のクリステン・ウィグ、ビル・ヘイダー、2人とも大好き!
映画紹介前編の最後は、数キロ先の匂いを感じ取れる、超人的な嗅覚を生まれつき持っている、美しき天才であり変態、ジャン(ベン・ウィショー)のお話し、「パフューム ある人殺しの物語」2006年 トム・ティクヴァ監督作品。
……匂いの記憶は儚いようで、強烈。5感に淡く深く、残される。
相反する作用が混ざりあって、人々の記憶に刻まれるのだ。
それはときに、その者を屈折した道へといざなう麻薬となることも……。
美しくて、恐ろしくて、その世界をどうしても覗きたくなる、そんな物語。
しかし救いは皆無で、拭いようのない不快感が残ってしまう。
終盤に繰り広げられるヌードシーン、そしてラストシーンはホントに強烈。禁断は恍惚。そして恐ろしい。
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