若狭の秘仏を訪ねて 前編
こんにちは。
寺と神社の旅研究家、吉田さらさと申します。
全国の寺社を旅して本や雑誌記事を書いたり、講座をしたりするのが仕事です。
このたびこちらで「寺社部長」という立派な肩書をいただき、
皆様に、寺社の旅をより楽しんでいただくための基礎知識や、
お勧めの場所などをご紹介させていただきます。
秘仏って何?
今回は、まず、「秘仏」のお話から始めたいと思います。
このごろ流行しているので、耳にされたことがあるかも知れませんが、
その正確な意味をご存じですか?
扉を閉じた厨子の中に祀られ、普段は拝めない仏像のことです。
仏像は信仰の対象ですから、通常は目にすることができるはずですが、
なぜ、一部の仏像が秘仏になったのか?
信仰上の理由からと言われますが、はっきりとはわかっていません。
昔から一度も厨子の扉を開けたことがない「絶対の秘仏」もあります。
また、数年、数十年に一度、一年間に何日かなど決まった日や、
何か特別な祝い事の際などに扉が開かれる秘仏もあります。
めったに見られない仏像にお会いできるとあって、
人気の高い秘仏開帳の日には、全国からたくさんの方がお参りに出かけます。
現在開催中
「みほとけの里、若狭の秘仏」
毎年秋には、福井県の若狭地方で
「みほとけの里、若狭の秘仏」というイベントが開催され、
このエリアにあるたくさんの秘仏が公開されます。
小浜市は、「海のある奈良」とも呼ばれ、お寺がとても多いところ。
そして美しい仏像が数々あることでも知られます。
「みほとけの里、若狭の秘仏」開催の期間は平成26年9月13日(土)~11月24日(月・祝)
お寺によって公開される日が違いますので、詳細はこちらでご確認ください。
http://www.pref.fukui.lg.jp/doc/bunshin/wakasa-hibutsu-26.html
期間中は、いろいろと特別なイベントもありますので、こちらもチェック!
https://www.facebook.com/wakasahibutu
初心者さんにお勧めは、
明通寺の国宝
この地方にはじめて行く人に、まず見て欲しいのは、国宝に指定された明通寺(みょうつうじ)の三重塔。
小浜のお寺は、樹木と苔に覆われた静かな境内に立つ凛とした建物が美しい。
京都や奈良とは一味違う自然との一体感が魅力です。
この塔は、普段は内部が見られませんが、会期中は毎日公開。
ただし、天候の悪い日は公開が中止される場合もあります。
真ん中に祀られるのは釈迦如来坐像(しゃかにょらいざぞう)。
そしてその両脇に文殊菩薩坐像(もんじゅぼさつざぞう)と
普賢菩薩坐像(ふげんぼさつざぞう)。
周囲には十二天の姿が描かれています。
明通寺は本堂も国宝。
内部には、降三世明王立像(こうざんぜみょうおうりつぞう)や
深沙大将立像(じんじゃだいおうりつぞう)など、
仏像ファンに大人気の仏像も祀られています。
これらは秘仏ではなく通年公開ですが、明通寺に行ったら必見ですよ。
若狭の秘仏の中でも、 今シーズンの目玉は高浜町の二体の馬頭観音(ばとうかんのん)さんです。
こちらは、次回「若狭の秘仏を訪ねて 後編」でご紹介しますね。
写真/福井県文化振興課
吉田さらさ 公式サイト
http://home.c01.itscom.net/
吉田さらさ Facebook
https://www.facebook.com/
吉田さらさ イベントのお知らせページ
https://www.facebook.com/