前回、レポートした再春館製薬所本社工場「薬彩工園」では、ドモホルンリンクルがいかに丹精込めてつくられているのかを目の当たりに。
ますます、それぞれのアイテムにどんな思いが込められているのか、どんなケア効果があるのか、知りたくなりました。
そこで、第2回は、実際に開発を担当されている研究開発部の髙野徳恵さんを質問攻めに。
そもそも、なぜ生薬製剤を作っていた会社さんが化粧品を?
「最初は、コラーゲン*1 ありきなんです。今でこそ美容成分として有名ですが、1974年当時は火傷治療など医療用の用途としても考えられていたんですね。先見性があったというか、『皮膚の70%はコラーゲンでできているのだから、エイジングケア *2 にも役立つのではないだろうか』とひらめいたそうです。『これで年齢を重ねた肌のための製品をつくれないか』と研究開発に取り組み、日本初のコラーゲン基礎化粧品であるドモホルンリンクルを生みだしました」
製薬会社だからこそ医療で使われていたコラーゲンを熟知し、完成できた化粧品ということなんですね。そういえば、ラテン語の抑制=ドモ、ドイツ語の角質=ホルン、英語のシワ=リンクルをイメージしたドモホルンリンクルというブランド名も、製薬会社らしいネーミングです。
そのドモホルンリンクル。化粧品のブランドは、これひとつ?
それともほかにもいろんなブランドがあるのですか?
「化粧品はドモホルンリンクル、このブランドだけです。というのも、もともと漢方の製薬会社で、化粧品も漢方の理念に基づいているんですね。一つひとつの肌悩みにこだわるのではなくて肌状態全体を捉え、肌が本来持っている力を引き出していこう、という考え方。実はコラーゲンに着目したのも同じ理由です。ですから、悩み別の化粧品を用意するのではなく、誰にとっても不可欠な基本ケアをきちんと提供するため、ワンブランドなんです。悩みをケアするのではなく、肌が本来持っている自ら元気になろうという力をサポートして、トラブルや肌悩みを寄せつけない状態に導く化粧品ということですね」
誰にでもマストな基本ケアを集約したのが、ドモホルンリンクルのワンブランドというわけですね。
でも、肌質や季節別のバリエーションもなし?
「実は、以前は”モイスチャー” “フレッシュ”といった、使用感別のラインもあったんです。でも、年齢肌に必要な成分をすべてに入れようとすると、どうしてもテクスチャーが似てきてしまうんですね。結局、今の形がベストだということになりました。現在はまさにオンリーワンのシリーズ、現時点での自社最高傑作ぞろいということで、自信をもってご提供しています」
アイテムはずーっと、この8点なんですか?
「以前は7点でしたが、『光対策 素肌ドレスクリーム』が生まれて8点になりました。それにずっと同じラインナップと言っても、それぞれのアイテムは誕生したときのままではないんですよ。常によりよい製品に進化させるために研究を続けていますし、だいたい3、4年に一度はリニューアルで大きく生まれ変わっています。最近では、コラーゲンの変質にかかわって、加齢に伴う肌悩みを加速させる“加齢加速タンパク”について熊本大学と共同研究を行い、不知火菊 *3 のエキスがそれに関与していくことを突き止めました。2015年はその研究を反映した[基本4点]のリニューアルを行い、昨年2016年には、洗顔の2点と泡パック、日中ケア用の『光対策 素肌ドレスクリーム』も進化しています」
最近、全品が大きな進化を遂げたうえに、さらなる新知見を受けて進化を遂げたアイテムもあるそう。その最新作、ぜひ試してみたいものです。でも、以前、無料サンプルを頼んだことがある人は、もうオーダーできないのでしょうか?
「以前に試されていても、その後、製品がリニューアルしている場合は、もちろん最新版のサンプルをお送りします。ぜひ新たなドモホルンリンクルを体験してください」と広報の担当者に聞いて、ほっ。当時とは肌状態が変わっていることもあるので、これはチャンスです。(前回のお申し込みから1年以内の方はお断りさせていただく場合があるそうです)
リニューアルは、配合成分や処方だけに留まりません。ボトルや容器の形状も、常により良い形に工夫と改良を重ねているそう。倒れにくく手に持ちやすい形状、過剰包装をせず再利用できるシンプルな梱包も、試行錯誤を重ねた結果の現時点でベストと確信している形です。
もうひとつ気になるのが“年齢化粧品”というネーミング。
“年齢肌”とは。いったい何歳くらいのことなのでしょう。
「だいたい30代以上の方向けと考えています。8点すべてに、肌の水分値がアップしてキメが整い、乾燥による小ジワを目立たなくする*4 効果があるので、肌に年齢を感じる方には特にご実感いただけると思います。でも、これはあくまでも目安で、肌の変化を感じるようになってきたら、30歳前後でも使っていただきたいですね。当社のCMでは『お肌に悩みのない方にはドモホルンリンクルをおすすめできません』と言っていますが(笑)、はっきりコレという悩みがなくても、何となく調子が今ひとつとか、今までと化粧のノリが違うな、というのも化粧品を切り替えるチャンスだと思います。なんでもそうですが、本格的に不調になってから始めるより、早め早めにケアを始められた方が効果も出やすいですよ」
今ではすっかり耳になじんだ「エイジングケア」。その言葉が存在しなかった時代に生まれたブランド名に「年齢による悩みを抑えたい」という意味が反映されている先見性と、ずっと年齢肌にフォーカスしている一途さには驚かされるばかりです。
無料サンプルは8点すべて試せてうれしいけれど、
実際に毎日8点は使いこなせない気がするのですが。
「8点を並べると多い気がしても、あらためて皆さんが普段使っている化粧品を数えていただくと、7、8点ぐらいだったりするんですよ。たとえばメイク落としに洗顔料、化粧水、美容液、乳液かクリーム、化粧下地(日焼け止め)で6点前後。ときどきパックもする、となると7点くらい使っていらっしゃる計算です」
なるほど。そういえばそうです。
「[基本4点]などのセットや、それよりさらに幅広い効果を期待できる全8点でお使いいただくのがおすすめですが、まずは気に入ったアイテムからお求めいただければと思います。ただ、一般的な化粧品とは使う順番が微妙に違うので、お使いになるときは説明書を先に読んでください」
一般的には、洗顔→化粧水→美容液→乳液もしくはクリームというステップですが、ドモホルンリンクルは、下のコラムに明記されている理由により、洗顔→パック→保湿液→美容液→クリーム→乳液と、独自のメソッドです。こちらでお手当ての方法が動画で詳しく見られます。
無料サンプルは朝夜約3日分ですが、それだけですっかりファンになる人が多いとのこと。本商品のリピート率は93%超*5。 これは驚異的な数字です。5年以上愛用している人は、72%以上*6。まさに、一生おつきあいできる、一生モノのスキンケアといえそうです。
「年齢とともに肌状態は変化するから、最初は相性ぴったりでも何年も愛用していたら物足りなくなってきそう」と思っていたのですが、これも杞憂。同じアイテムといっても、常に先進研究を取り入れ進化を重ねているので、いつも前作を超える完成度に。代表的なアイテムの「クリーム20」にいたっては、17回もの改良とリニューアルを重ね、現在18代目になります。
「『クリーム20』はおかげさまで高いご支持をいただき、10年以上、国内売り上げナンバーワン * 7 をキープしているクリームとなっています」と、広報の方。10年以上、トップを走り続けているなんて、知っているつもりで知らないことがいっぱいのドモホルンリンクル。
次回は、製品の使い方を中心に、さらに詳しく伺っていきます。
*1 コラーゲン:保湿成分
*2 年齢に応じたお手入れ
*3 肌をすこやかに保つ・肌にハリを与える
*4 効能評価試験済み
*5 2015年実績
*6 2015年3月実績
*7 売上・メーカーシェア/富士経済「化粧品マーケティング要覧」スキンケア・スポットケア部門2003年~2015年実績
*8 美白とはメラニンの生成を抑え、シミ・ソバカスを防ぐこと
*9 角層深部
撮影/坂根綾子(製品) 山下みどり(髙野さん) 取材・文/近藤須雅子
スタイリスト/本瀬久美子 撮影協力/アワビーズ UTUWA