「私なんか」という言葉が嫌いです。
謙虚というよりは卑屈。
そんなネガティブなことを言っている時間があったら、自分のいいところを探すべきです。
私が日頃心がけていることは「人と比べない」「心身ともに健康でいる」「周囲を否定しない」「好奇心を持ち続ける」の4つ。
どうせ私なんて……と思わず、メイクもスキンケアももっともっと貪欲になるべきです。
~書籍「十和子道」P55、81、87 より~
<担当編集者からみたこの言葉の背景>
君島十和子さんを再び取材する機会は、思いがけないほど早く実現する。
タナボタ的にとれたページでやっと十和子さんを取材できたとはいえ、肝心のぺ―ジ数はたった2ページ。
しかもモノクロの地味なたたずまいの記事だった。
ところが掲載号が発売されると、その記事が読者アンケートで1位をとったのだ。
これには誰よりも私本人が驚いた。
もうページをとるために編集会議で苦心する必要はなかった。
以降は雑誌の目立つ位置にカラーページが用意され、私は何度も十和子さんを取材することになる。
彼女の人生哲学や女性たちに伝えたいメッセージ……言葉にインパクトがある人なので毎回インタビューをしていてもやりがいがあり、とくに印象的な言葉はそのまま見出しに使った。
今回ご紹介している格言は、その当時から十和子さんが言っていたものだ。
十和子さんが登場するページは毎回大人気で、ついには連載を持っていただくことになる。
連載開始にあたり、内容はメイクのハウツーではなくメイクの楽しさそのものを教えてくれ、なおかつ十和子さんに親しみを覚えてもらえるようなものにしよう、とすぐイメージが湧いた。
私が初めて会ったとき好感を持った、あの生真面目で何事も一生懸命な君島十和子さんを読者も感じることができるようなページにしたい。
(いつも持ち歩いているポーチの中身を拝見「QVCの収録では熱い弾丸トークになっているのでトローチは必携」/書籍「十和子道」P82)
ところが困ったことがおきた。
肝心のタイトルが思いつかないのだ。
わかりやすくて覚えやすいタイトルがいい。
でもそれを考えつかないまま連載第一回目の取材日は近づいてくる。
焦っていたとき、救世主が現れた。
日本の女流作家の代表といえるある方を取材していたとき、その方が何気なく言ったひとことに私は飛びついた。
★この連載は毎週木曜日更新されます、次回は2020年1月9日配信です。お楽しみに!
撮影/冨樫実和、本多佳子
*オールカラー、自宅で撮影、オール私服、収録写真400点
書籍「十和子道」大好評発売中!
電子版には特典としてプライベートを含む計276点の写真とコメントを特別編集した「エブリディ十和子」がついています!