ミルクと言えば、牛乳に豆乳、そして第3のミルクとして近頃注目されているのがアーモンドミルクです。人気カフェチェーンのメニューにもアーモンドミルク・ラテが登場して、ちょっと気になっていた方も多いのでは。
ということで、アーモンドミルクの発表会に行ってきましたよ。
「アーモンドミルクは、アーモンドと水からできた飲料で乳製品ではありません」
そう説明してくださったのは、慶應義塾大学医学部教授の井上浩義先生。食と健康についての造詣が深く、アーモンドミルク研究会のメンバーとしても活躍されています。
「昨年の医療費は41兆円と、前年に比べて2.3%も増えています。医療費の抑制のために1人1人が出来ることは、食事内容に気をつけ、運動を心がけること。体に良いものを意識して選ぶことはとても重要です」
適正体重を維持することも大切ですよね。アメリカでは、ナッツを食べている人のほうがBMI(体重と身長の関係から算出する、肥満度を示す体格指数)が低いという調査結果が発表されているのだとか。
「看護師を対象にナッツを食べる頻度とBMIとの関連を調査し、週5回以上食べているグループは食べていないグループよりBMIが1.4も低いという調査結果が出ています。これはすごい数字です」
“ナッツ類は脂肪が多いから太りそう”と思っている人は多いはず。それが、食べている人のほうがスマートだったということで、この調査結果は大きな話題になったそうです。
さて、そんなナッツ類のひとつがアーモンドです。乾燥地帯が原産で、近頃はオーストラリアにも農場が作られているとか。日本で食べられるようになったのは、明治時代からなんですって。
次のページで、アーモンドミルクの栄養価についてご紹介します。
第3のミルクとしてアーモンドミルクが注目されているポイントは、その栄養価にある、と井上先生。牛乳、豆乳と比較すると、カロリーは半分以下、コレステロールは含まれず、糖質もグンと低いのをご存知でしたか?
「糖質は、カシューナッツは1粒につき35%。それに対してアーモンドは20%しか含まれていないため、甘くありません」
ちなみに、ワインのお供などどしてポリポリ食べている市販のアーモンドは味付けされているものがほとんど。生アーモンドは、甘くないのです。
日本人に不足しがちだと言われ続けている食物繊維を豊富に含んでいるのも大きな特徴です。ごぼうよりも多く含まれているとは、ちょっと驚きですよね。また、オリーブオイルに含まれていることで知られるようになった不飽和脂肪酸、オメガ9のオレイン酸もピーナッツやごまよりアーモンドのほうが含有量が多いのだそうです。
「そのほか、B1やB2、葉酸などビタミン類も豊富です。油に溶ける性質のため食べ物から摂取するのはなかなか難しいビタミンEもたっぷり含まれています」
ビタミンEには、酸化ストレスを減らして血管を若返らせる効果がある、と井上先生。そのほか、ミネラル類やアーモンドの薄皮にはポリフェノールも含まれています。まさに、美容と健康に役立つ栄養の宝庫ですよね。
「そんな栄養豊富なアーモンドですが、摂取方法によって消化・吸収は異なってきます。ミルクにすると、そのまま食べるよりもカロリーを抑えつつ必要な栄養をしっかり吸収できるのです」
体重60kgの人だったら1日25粒くらいのアーモンドを食べるといいそうですが、かなりの量ですよね。やっぱりアーモンドミルクのほうが手軽そうです。
生アーモンドとお水をミキサーで撹拌して自分でアーモンドミルクを作る、という手もありますが、グリコからアーモンドミルク「アーモンド効果」という製品が市販されています。井上先生曰く「酸化ストレスは午前中に高まりやすいのでアーモンドミルクは朝飲むのがオススメ」とのことなので、このまま飲んだり、カフェラテに入れても良さそうですよね。また、写真のほかに〈チョコレート〉や〈香ばしコーヒー〉などの種類もあります。
アーモンドミルクをもっと美味しく楽しむレシピを、次のページでご紹介します。
アーモンドミルクのレシピを教えてくれたのは管理栄養士の柴田真希さんです。
「アーモンドミルクは料理にも使いやすい味わいです。寒いこの時季、ドリンクとして楽しむなら冷えや免疫対策、乾燥などの美容トラブルにいいとされる食材と合わせて飲むのがおすすめです」
提案してくれたのは、5つのカラーのホットアーモンドミルクです。
左下より時計回りに、ブルーベリー【紫/アンチエイジング】、ほうれん草【緑/デトックス】、黒ごま【黒/冷え対策】、かぼちゃと生姜【黄/免疫力】、いちご【赤/美肌】と合わせたホットミルクです。
「加熱が必要な食材は小さめに切り、下茹でしてください。温めたアーモンドミルクと食材、好みで砂糖を加えてハンディーミキサーで攪拌すれば完成。カップに注ぎ、お好みでトッピングパウダーをかければ見た目も華やかです」
もともと甘みがついているアーモンドミルク製品なら砂糖は不要です。キレイな色合いですよね。朝にこれらのドリンクを飲んで1日をスタート!なんて、身も心もキレイになれそうな気がしてきませんか?
3つの味を試飲させていただきました。いちごは通常のいちごミルクより大人っぽい味わい。いちごのビタミンAやC、そしてアーモンドミルクのビタミンEと美肌にいい組み合わせです。黒ごまとアーモンドミルクは香ばしさの相性がバッチリで一番気に入りました。そしてかぼちゃと生姜! 想像以上に飲みやすくてビックリ。風邪を引きやすい今の時季にぴったりなレシピではないでしょうか。
美容と健康にいいことづくめ、しかも美味しいアーモンドミルク。毎日の食事に、上手に取り入れてみてはいかが?