今って、とにかくおいしいご飯が食べたくて、お米の銘柄にも炊飯器にも、こだわる人が増えていますよね。
ごはんを炊く道具として、土鍋の愛用者が増えています。炊飯器で炊くよりお米本来の甘さや粘りを際立たせてふっくらもちもち。お米一粒一粒が際立って艶やか! 写真のごはん専用の土鍋として登場した「かまどさん」は80万台以上も売れたという大ヒット商品です。
「伊賀の土には琵琶湖に生息する微生物が含まれていますから、高温で焼成すると細かな気孔が出来るんです。これが呼吸をし、蓄熱もするから余熱調理を非常に得意としています。勝手に調理してくれるんですね」とは、「かまどさん」を作った伊賀焼窯元 長谷園の七代目当主、長谷優磁さん。
しかし、今はオール電化が進んでいる時代。土鍋はIHコンロには使えないんですよね。
ガスコンロだとしても、土鍋にコンロを占有されているとおかずの調理が出来ない。スイッチを入れればOKの炊飯器が当たり前になっているだけに、土鍋は手間がかかりそうで…。これが、興味はあっても手が出せない人の本音では?
「作り手は真の使い手であれ」とは、七代目当主がモットーとしていることだそう。何と今回、186年も続くこの窯元が家電メーカーの「シロカ」とコラボしたんです。
「伝統という枠の中にいて、懐古主義に走るだけでは廃ってしまう。作り手が使い手になって、求められているものを形にしようという思いがありました」
出来た商品は? 次のページに続きます。
「かまどさん」が大ヒットしたことから、長谷園には大手家電メーカーからコラボを希望するオファーがいくつもあったそう。そんな中で、伊賀の土で作った土鍋の良さを最大限に活かすという視点がシロカと一致。
開発に4年
試作器500個
炊いたお米は3トン以上
という道のりを経て、「かまどさん電気」が完成したそうです。
こちらが、3月9日(金)に新発売した「かまどさん電気」税別79,800円。
デザインにも土鍋らしさを取り入れ、丸みを帯びたフォルムです。そして左右に欠けているような部分があるのですが…
何と、本体の中に伊賀の土で作った本物の土鍋がすっぽり! 直火炊き同様の美味しさを再現するため、熱の伝え方や逃がし方などにとても苦労したそう。
研いだお米と水を土鍋に入れて内蓋をかぶせたら、蓋に空いた穴の位置を合わせて外蓋もかぶせます。タッチパネルで電源を入れ、炊飯量や好みの硬さを選んで炊飯ボタンを押したら、あとは炊き上がりを待つだけ。
いただくときは、土鍋だけテーブルまで持ってくることもできるんですよ。
「かまどさん電気」には、土鍋を乾燥するモードも備えられています。また、万が一破損した場合は土鍋の蓋だけなどパーツごとに購入できるのも魅力。大事に長く使ってもらいたいという熱い思いが、こんなところにも活かされているんですね。
高級料亭などのメニューにも「土鍋ごはん」があったりと、美味しく炊けたごはんは何よりのご馳走。このコラボは、画期的です!