いし こんにちは。ぐうたらライターのいしまるこです。
根来教授に肝臓にやさしいお酒のたしなみ方を伝授していただき、肝臓年齢を若返らせる企画ですよ。
根来 こんにちは。根来秀行です。今回もお酒にまつわる勘違いや思い込みを正していきますよ。
いし 早速ですが、友人の酒好き女子が、酒太りを防ぐために、糖質オフを始めたのですが、これっていかがなものですか?
根来 糖質は肝臓のエネルギー源となり、肝細胞の修復に必要なたんぱく質の働きを助けるもの。基本的には、ダイエット中でも必ずとらなくてはならない栄養素です。
いし ふんふん。
根来 糖質が不足すると、肝臓にあるグリコーゲンをブドウ糖に分解して補おうとしますが、これが繰り返されると肝臓に大きな負担がかかります。
いし そうなんですか?
根来 はい。肝臓に貯蓄されているグリコーゲンも10時間ほどで底をつくため、筋肉のタンパク質を切り崩してブドウ糖を補うことになることもあります。
いし なんだか心配になってきました。
根来 このような糖質不足の状態では、エネルギー源としての脂質の利用が高まり、肝臓は限界を超えて脂肪酸を処理することになります。
これに伴い脂肪酸からケトン体が多く合成されてしまい、血液が酸性に傾き、口臭や体臭が甘酸っぱい匂いになることも。ひどいときは脱水症状や呼吸困難になり、まれに昏睡状態を引き起こすことも。
いし ぎょぎょぎょ。やせるためにはカロリーが多い糖質をカットすればいい、と思っちゃいますけど、体ってそんなに単純ではないんですね。
根来 その考え方は「時間がなければ寝なければいい」という発想と同じ。
一見合理的ですが、人体の構造を考えた時には矛盾が出てくるんです。
いし なるほど〜。
根来 極端にある栄養素だけ抜くということは、肝臓の負担を増やします。
酒量を減らし、バランスよく食べながら、腹七〜八分を心掛けることです。
いし 了解です!
それではみなさん、今日も素敵な1日を!
取材・文/石丸久美子 撮影/森山竜男 イラスト/浅生ハルミン
(次回は「『お酒で憂さ晴らし』で肝臓が老ける!?」 というお話です。お楽しみに!)