いし こんにちは。ぐうたらライターのいしまるこです。
突然ですが根来教授の話題の本、『「毛細血管」は増やすが勝ち!』、おかげさまで大好評発売中です。みなさん、もう読んでいただけましたか?
そこで、今回の「体内向上プロジェクト」は特別企画として、健康マニアを自負する女優の室井滋さんをゲストに迎え、スペシャル対談の開催です!
毛細血管は命の営みの
最前線の現場です
根来 はじめまして。根来秀行です。
室井 はじめまして。室井滋です。私、健康については人一倍興味があるので、お会いするのを楽しみにしてきたんです。
根来 ありがとうございます。女優さんというお仕事柄、普段から健康に気を配っていらっしゃるんでしょうね。
室井 人間ドックは1年半〜2年に1回くらい受けています。なるべく細かいデータがほしいので、血液も注射器6本分くらい採ってもらって。
根来 その姿勢はいいと思いますが、たくさん血を採ってたくさん分析するという方法は、昔ながらのやり方ですね。血液成分を調べる検査基準自体、10〜20年前くらいに構築されたものですし。
室井 えっ、古いやり方なんですか? そんなに血を採る必要もない?
根来 そうですね。
室井 えーーーーーーっ!
根来 日本の健診では血液検査の基準値を見て、それにはずれると薬を出すという流れ作業的なやり方が一般的です。しかしアメリカの最先端医療では、血液だけでなく毛細血管を核に、自律神経、体内リズム、睡眠など、違う観点から日常の行動を分析し、生活習慣自体を直していく「ビヘイビアヘルス」という考え方になってきているんです。
室井 確かに、健診受けても納得できないことが多いんですよ。
私は更年期の症状もほぼなくいたって元気ですけど、数値的には年々ささやかな変化があって。「なぜ?」「どうして?」ってドクターに聞くんですけど、「加齢です」で終わっちゃう。でも明らかに衰えは進んでいるから、「どうしたらいいですか?」と聞くと、「痩せて下さい」って言われて、「またそこかい!?」って思うんです(笑)。
根来 ですね(笑)。
日本の医学教育では、病気の手前のグレーゾーンの人や、健康な人が病気にならないためにどうするかについて勉強する機会がないんです。
僕は、政府機関に日本の医療改革を進めるための提言もしていますが、それにはまだ時間がかかるので本を執筆したり、大学を設立したりして、健康な時間を長く保つための啓蒙活動をしているんです。
室井 毛細血管なんて、先生のご本を拝見するまで、意識したことがなかったです。
根来 普通そうですよね。毛細血管は動脈と静脈をつなぐ網状の血管で、髪の毛よりも細いんですよ。
室井 そんなに細い血管が重要なの?
根来 はい。毛細血管って地味なイメージですが、実は全血管の99%を占め、全身に張り巡らされているんです。
室井 99%! 動脈や静脈よりずっと大きなウエートを占めているんですね。
根来 動脈や静脈はただ血液を運ぶのが仕事ですが、毛細血管は生命活動の根幹に関わる役割を担っています。
全身の60兆個を超える細胞には、血液に乗って酸素や栄養素が取り入れられ、二酸化炭素や老廃物が回収されているわけですが、その物々交換の現場こそが毛細血管。まさに命の営みの最前線なのです。
室井 知らなかった! 人は毛細血管によって生かされているんですね〜。
(おふたりの対談はまだまだ続きます。お楽しみに!)
構成・文/石丸久美子 撮影/角守裕二
ヘア&メイク/鈴木将夫(MAVEE)(室井さん)
スタイリスト/中井綾子(crêpe)(室井さん)
撮影協力/徳真会QUARTZ TOWER