いし こんにちは。ぐうたらライターのいしまるこです。
前回の根来教授との対談で、毛細血管の大切さに初めて気づいた室井滋さん。
毛細血管についていろいろ聞きたいことが湧いてきたようで、次から次へと質問を繰り出しますよ。
パリ&ハーバード大学 根来教授の特別授業
「毛細血管」を増やすが勝ち!
根来秀行 1350円(税込) / 集英社
室井滋さん
管はあるのに
血液が流れていない
ゴースト血管が増える!?
室井 今日は患者で来たわけじゃないんですけど、少しご相談してもいいですか?
根来 どうぞどうぞ。
室井 私、いつも仕事の現場にひとりで行くんですけど、重い荷物を持って全国を絵本ライブで回ったりしていると、あと何年がんばれるかなって思うんです。
希望としては、今よりもっと元気になって、あと15年くらいは働きたいのですが、もしかしてその鍵は毛細血管にある?
根来 おっしゃる通り。体中に張り巡らされているだけに、毛細血管が劣化すると全身に影響が及びます。胃腸の毛細血管が衰えれば胃もたれや胃腸炎、便秘、下痢などを引き起こします。脳の毛細血管が詰まってくれば、微小な脳梗塞が起こり、認知症を招くことも。糖尿病や高血圧など、生活習慣病といわれる疾患すべてに毛細血管がかかわっています。
室井 へぇ〜、知らなかった。
根来 見た目にも影響しますよ。酸素や栄養が皮膚の末端にまで届かなくなるために、シミ、シワ、たるみ、くすみなど、肌の劣化が進みます。
頭皮の毛細血管に影響すれば、抜け毛や薄毛を招きます。
室井 ひぇ〜、対処法はあるんですか?
根来 毛細血管の働きは自律神経によってコントロールされているので、まずは自律神経のメリハリをつけることです。
室井 自律神経のメリハリ?
根来 自律神経には、体を使うための交感神経と、休息のための副交感神経がありますが、日中は交感神経を、夜は副交感神経をしっかり働かせて、1日の中でメリハリをつける。すると、毛細血管に行く血液が、流れたり流れなかったりするスイッチが入りやすくなるんです。
室井 どこにそんなスイッチがあるの?
根来 毛細血管に枝分かれする手前の細動脈のところに、小さな筋肉がついているんですよ。
交感神経が優位になるとその筋肉が緊張して毛細血管をぎゅーっと収縮させる。すると、血液は体の中心に集まって活動しやすくなります。
一方、副交感神経が優位になると細動脈の筋肉は弛緩し、毛細血管が広がって血液が末端にまで流れます。
すると、全身の細胞に酸素や栄養、ホルモンなどが届けられ、体が修復・再生されるのです。
室井 なるほど〜。よくできてますねぇ。
根来 ところが現代人は、ストレス過多で不規則な生活になりがち。
夜になっても交感神経が優位なままの人が多いのです。
それが習慣化すると、毛細血管は退化して減っていくんですよ。
室井 えーっ、消えちゃうんですか?
根来 管はあるのに血液が流れていないゴースト血管になり、やがて消滅します。40代過ぎると、なおさらゴースト化しやすいんですよ。
室井 怖い〜。
根来 でも大丈夫!
毛細血管は日常生活のちょっとした工夫で、加齢に伴う毛細血管の量と質の低下を最小限に食い止め、弱っている毛細血管を復活させ、さらには健康な毛細血管を増やすこともできるんです。
室井 本当? どうすればいいの!?
(はてさてどうすればいいんでしょう。答えは次回に続きます!)
(おふたりの対談はまだまだ続きます。お楽しみに!)
構成・文/石丸久美子 撮影/角守裕二
ヘア&メイク/鈴木将夫(MAVEE)(室井さん)
スタイリスト/中井綾子(crêpe)(室井さん)
撮影協力/徳真会QUARTZ TOWER