いし こんにちは。ぐうたらライターのいしまるこです。
ハーバード大学医学部教授・根来秀行ドクターによるweb連載第7弾「副腎年齢を若返らせる!」の4回目ですよ。
今回からは、自分でできる「根来式副腎ケア」をご紹介していただきます。
根来 こんにちは。根来秀行です。副腎疲労には自律神経からアプローチするのが最善策です。自律神経を整え、副腎機能を上げる生活術を4回にわたって伝授させていただきます。
いし 副腎機能が低下している人は、自律神経にも問題がある人が多いの?
根来 そうですね。不規則な生活で自律神経のバランスを崩しているケースが目立ちます。とくに問題なのが睡眠ですね。
いし 睡眠と自律神経は深ーい関係があるんですよね。
根来 はい。血糖値や血圧を上げるコルチゾールには分泌のリズムがあり、午前3時くらいから増えはじめ、起床後20分くらいにピークになり、日中から夜にかけてゆるやかに少なくなっていきます。
ところが夜型の不規則な生活をしていると、夜になっても交感神経が優位なまま覚醒してしっかり眠れず、それを受けてコルチゾールの分泌が過剰になり、血圧や血糖値を必要以上に上げ過ぎてしまいます。
いし コルチゾールは抗ストレスホルモン。忘れちゃった方は第66回を読み直してくださいね。
根来 コルチゾールには蓄積する性質があり、ストレスがなくなっても、正常な値に戻るのに時間がかかるんですよ。
いし ということは、寝不足が続くとコルチゾールがどんどんたまっていっちゃうってこと?
根来 ですね。寝不足が続くと、体内のコルチゾールがなかなか減らず蓄積されていき、フリーラジカルがどんどん増え、細胞が侵されていくのです。と同時に、抗酸化作用を持つDHEAも浪費されていきます(第67回参照)。
いし 放っておくとどうなるの?
根来 自律神経自体のパワーが落ちて、コルチゾールも枯渇してやる気が出なくなり、うつのような状態に陥ってしまうことも……。
いし それこそ副腎疲労、アドレナル・ファティーグ状態ですね。
コルチゾールの日内変動
根来 副腎を疲れさせないためにも、夜は遅くとも日付が変わるまでに眠りましょう。すると、寝入りばなのノンレム睡眠がより深くなり、成長ホルモンの分泌が促され、寝ている間に副腎のダメージも修復してくれます。
いし 理想的な睡眠時間は7時間ですよね。
(根来教授のアンチエイジングホルモン講座第1回参照)
根来 はい。ですから、遅くとも0時までに寝て、朝7時に起きましょう。
いし ラジャ!
根来 それではみなさん、今日も素敵な1日を!
次回は「歩く瞑想で副腎ストレスをスルー」という話です。お楽しみに!
取材・文/石丸久美子 撮影/森山竜男 イラスト/浅生ハルミン