遅発型フードアレルギーの陽性反応が出る食材の、傾向と対策とは? その食材とのつき合い方はどうしたらいいのでしょうか? 誰にでも習慣化した食事傾向、場合によっては悪い習慣がついているもの。それをもう一度、見直すよいきっかけに!
Q1
どういう食材に反応が出るのか、
傾向はありますか?
A
食べる頻度の高い食材、
特に卵や乳製品は要注意!
「反応が出やすい食材の傾向は、食べる頻度の高いものです」(澤登先生)。例えば、朝はパンと卵料理と決めていたり、なかには健康のために毎日食べているヨーグルトに反応が出ることも。特に日本人は卵、乳製品、小麦、製パン用イーストに反応が出る人が多いとか。卵や乳製品はさまざまな料理や食品に使われています。卵は揚げ物やハンバーグ、マヨネーズに、乳製品はパンやケーキ、チョコレートなどにも。「こうして隠れて入っているものまで除去するのはとても大変ですが、つねに成分表示をチェックする習慣をつける、いい機会になります」
Q2
検査で陽性反応が出たら、
その食材は一生食べられないの?
A
3~6カ月、摂取を控えれば、
また食べられるようになります。
検査結果は人それぞれ。2~3種類に弱い反応しか出ない人から、なかには50種類ほどに強い反応が出る場合も。「対処方法はレベルⅢ(中程度)以上の陽性反応が出た食材を、3~6カ月間食事から除去します。種類が多い場合は、強いレベルの食材から優先的に行います。原因となる食材を除去することで、早い人で1~2週間で体の変化を感じ、3~6カ月続けることで、アレルギー反応が弱くなり、抱えていた不調が改善、もしくは軽減したという報告を多数受けています。一度改善すれば、その食材も頻度を調整すれば、また食べられるようになります」
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Q3
食材の摂取制限をしているときに、
気をつけることは?
A
制限した食材で欠落する栄養素を
ほかのもので摂取する工夫を!
ただその食材の摂取をやめるだけでは、場合によっては栄養に偏りが出ることも。例えば、卵白に反応が出た場合。卵は貴重なタンパク源です。摂取をやめてアレルギー症状はやわらいでも、タンパク質不足になったら、筋肉量が減ったり、肌や髪の乾燥が進んでしまうかも。代わりとなるタンパク源をしっかり補充する必要があります。ほかの食材も同様です。「特に育ち盛りの子どもや、反応食材が多く出た場合には注意が必要です。そのため、代替食品の提案などの栄養指導や、取り組みを長期サポートしてくれる医療機関を選ぶことも重要です」
Q4
制限すべき食材をうっかり食べたり、
何年かたって不調がぶり返したら?
A
制限したことは反映されます。
引き続きトライして!
食事制限を進めていたけれど、うっかりその食材を摂取してしまったら、それまでの努力が水の泡になってしまうのでしょうか? 「いいえ大丈夫です。遅発型アレルギーはコップに注ぎ続けた水が容量を超えてあふれるようなもの。同じ食材を食べ続けることで、ある限界を超えたときに症状が出はじめます。蓄積する臓器や組織により特有の症状が出るので、自覚症状が多岐にわたるわけです。ですから制限したことは、ちゃんと反映されます。また何年かたって症状が再発した場合も、もう一度食事制限を実践すると、症状は治まってくるでしょう」
Q5
OurAge世代が特に気をつけるべき
ことはありますか?
A
腸内環境を整えることが大事。
食生活を見直すいい機会にして!
「私が重要だと思っているのは、この検査で不調を引き起こす犯人探しをするのではなく、それをきっかけに今までの食習慣を見直すことです。ほとんどの食材にある程度の反応が現れる場合は、腸粘膜の破たんが原因と考えられます。特に『40~50代は炎症の世代』といわれ、免疫力が低下しがちなので、より注意が必要です」。腸粘膜の修復と再生を正常に導くビタミンA、C、D、亜鉛、タンパク質、腸管のエネルギーになるグルタミン、抗炎症作用のあるオメガ3脂肪酸などの栄養をしっかりとるようにしましょう。
次回は「遅発型フードアレルギー 、スタッフが検査と食生活の見直しを体験!」をご紹介します。
取材・原文/山村浩子