抗酸化パワー、デトックス、免疫力アップ!
髙橋 弘先生に教わる
ファイトケミカルの効用ととり方
「ファイトケミカル」って知っていますか? 抗酸化作用をはじめ、OurAge世代の美容と健康に役立つ機能性成分です。
代表的なものに、赤ワインの「アントシアニン」、緑茶の「カテキン」、大豆の「イソフラボン」などがありますが、実はまだよく知られていないものもたくさんあります。しっかりチェックして、そのうれしい効果をぜひ、手に入れてください!
より効果的にしっかり摂取!
ファイトケミカルを上手にとるには?
身近な野菜や果物に含まれるファイトケミカルには、若さと美しさを保つパワーがぎっしり詰まっています。
今回は、ファイトケミカルの特性をよく知って、そのパワーを余すところなく、効率的にとるための方法をご紹介します!
にんじんスープの抗酸化力は
ジュースの約10倍
ファイトケミカルは、硬い細胞壁に囲まれた細胞膜や細胞の中に入っています。だから、ジューサーやミキサーでは簡単に細胞の外に溶け出しません。また細胞壁は体内でも分解されず、細胞に入ったまま排出されます。
そこで、おすすめなのが加熱調理。加熱することで細胞壁は簡単に壊れるので、しっかり摂取できます。
ファイトケミカルたっぷりの
種や皮は捨てずに上手に活用!
種やワタは、命を育むパワーを秘めた部分。皮は紫外線や害虫、土の雑菌から身を守る部分。ファイトケミカルがたっぷり含まれています。
だから、種や皮を捨ててしまうのはもったいない! 調理法を工夫して、うまくこれらに含まれるファイトケミカルを摂取したいものです。
例えば、玉ねぎの皮には強い抗酸化作用を持つケルセチンが豊富。そのまま食べるのはちょっと難しいですが、スープに入れて煮出し、食べる前に取り除けばファイトケミカルはスープに溶け出すので、そのパワーをしっかり摂取することができます。
皮ごと使用する野菜は、しっかり汚れを落とし、できれば有機栽培、無農薬のものを選ぶとよいでしょう。
旬の露地物には特に豊富。
多種類を組み合わせて効果アップ!
ファイトケミカルはそもそも紫外線や害虫から自分の身を守るために、植物自身が作り出している物質。日光を多く浴びている野菜ほど、紫外線から身を守る力を強化する必要があるので、露地栽培の旬の野菜にファイトケミカルは多く含まれています。
また、ひとつの野菜にはいろいろなファイトケミカルが含まれており、その中にはまだその存在が確認されていないものもあります。ひとつの効果を期待して特定の野菜だけを集中して食べるのではなく、いろいろな野菜を組み合わせて食べるとよいでしょう。
その点、野菜スープは多種類の野菜を組み合わせやすいのでおすすめ。旬の野菜をたっぷり使った野菜スープでキレイと元気を手に入れましょう!
髙橋弘先生が考案!
抗酸化作用豊富な「ファイトケミカルスープ」
ファイトケミカルを効果的に摂取できるだけでなく、低カロリーで食物繊維豊富。食前に飲むことで血糖値上昇を抑えられます。塩や調味料はあえて加えず、自然な野菜の甘味でいただきます。
■作り方
❶キャベツ、にんじん、玉ねぎ、かぼちゃ各100gを食べやすい大きさに切ります(玉ねぎのみ皮をむきます。むいた皮は煮出す際に加えてもよい)。
❷鍋(ふたがしっかり閉まるホウロウ鍋がよい)に①を入れ、水1ℓを加えて沸騰させます。
❸沸騰したらふたをして、弱火で20分煮込みます。
撮影/板野賢治 イラスト/かくたりかこ 構成・原文/瀬戸由美子