今や、日本人の5人に1人が悩んでいると言われる不眠。
OurAge読者に「睡眠の悩み」について聞くと、たくさんの声が集まりました。
「こんな睡眠の悩み、ありませんか?」
夜中に何度も起き、その都度
トイレに行くので目が冴えてしまう。
(52歳・主婦)
睡眠時間はたっぷりとれているが、
寝ても疲れが取れず、昼間眠くて困る。
(51歳・フリーランス)
朝起きると、口の中が乾いてのどが痛い。
時々、自分のいびきのうるささで目が覚める。
何か病気がありそうで不安…。
(50歳・会社員)
電車やリビングのソファに座っていると
すぐに眠くなるのに、
ベッドに入ったとたんに眠気が飛んでしまうのが悩みです。
(47歳・アルバイト)
用もないのに朝5時前に目が覚めてしまう。
そして一度目が覚めたら眠れない。
(55歳・主婦)
以前は寝る前にワインをグラス1杯飲むと熟睡できたのに、
最近は効かなくなってきた。
(50歳・パート)
最近寝つきが悪いので睡眠薬を
試したいのですが、やっぱり抵抗がありますね。
(45歳・パート)
夫のいびきや寝返りなど、
ささいな気配が気になって熟睡できず、イライラします。
(47歳・アルバイト)
年齢を重ねるごとに眠りの質が落ちていくのはなぜなのか?
そして、快眠を得るには何をすべきなのでしょう。
専門家に聞きました。
眠りの質は年齢とともに低下する
OurAge世代に多い、睡眠についての悩み。
「寝つきが悪い」「夜中に何度も目が覚めてしまう」など、
その症状はさまざまです。
睡眠総合ケアクリニック代々木の伊東若子先生に、
詳しくお話を伺いました。
「睡眠には、レム睡眠とノンレム睡眠があります。
レム睡眠時は、筋肉は緩んでいますが脳は活発に活動。
ノンレム睡眠時は、筋肉も脳も休息状態になっています。
健康的な睡眠の場合、このふたつが約90分周期で繰り返されますが、
残念ながらノンレム睡眠時の眠りは年齢とともに浅くなり、
並行して眠りの質も低下していきます。
そしてもうひとつ関係しているのが〝メラトニン〞です」
メラトニンとは、体内時計を調節しているホルモンの一種で、
睡眠と覚醒のリズムを作り出すもの。
光を浴びている間は合成が抑えられていますが、
日が落ちるにつれて分泌が増え、
人を自然な眠りへと導いてくれます。
「このメラトニンの分泌量は加齢とともに減少するため、
OurAge世代は輪をかけて不眠になりやすいのです。
また、遅くまでパソコンやテレビを見ていたり、
夜間にコンビニの強い光を浴びたりすると、
メラトニンの分泌が抑えられ、
余計に眠りにくくなってしまうので注意が必要です」
「不眠チェック」してみましょう
次の項目について、過去1 カ月において、
週3 回以上経験したことがある項目をチェックしてください。
該当する項目が多いほど、不眠度が高いと考えられます。
これらの症状が長引く場合は、一度医師に相談を。
●不眠チェックシート
□ 床についてから30分以上寝つけない
□ 夜中に何度も目が覚め、再び眠るまでに時間がかかる
□ 予定の起床時間より2時間以上早く目が覚める
□ 睡眠時間にかかわらず、ぐっすり眠った気がしない
□ 朝、すっきり起きられず、体が重だるい
□ 日中眠気におそわれ、ついボーッとしてしまう
□ 気分が滅入りがちで、イライラする
□ 疲れやすく、あまりやる気が出ない
□ 1週間の平均睡眠時間が6時間以下である
□ 休日は平日より2時間以上睡眠時間が長くなる
撮影/板野賢治 取材・原文/上田恵子
撮影協力/プロップス ナウ UTUWAd