いし 立秋も過ぎて暦の上ではもう秋なんですねぇ…。
しかし、こう暑いとなんにもしたくないぐうたらライターのいしまるこです。
根来先生、ヤル気を出させるホルモンはありますか?
根来 はいはい。では、気分を高揚させるアドレナリン、ノルアドレナリンを取り上げましょう。
いし ドーパミンと同じ、快楽ホルモン系ですか?
根来 そうですね。これらは「カテコールアミン」と総称され、
ドーパミン→ノルアドレナリン→アドレナリンの順番に生み出されるんです。
いし どんな特徴があるの?
根来 アドレナリンとノルアドレナリンは、命が危険にさらされるとか、怒りを覚えるとか、不安な感情が沸き出した状況で、集中力や決断力が必要になるときに出るホルモンです。
更年期にはイライラが増え、やる気が失せがちですから、集中力を高め、意識を覚醒させるアドレナリンとノルアドレナリンを出して、気分を高揚させるといいですよ。
いし ふーん。だけど、いくら集中力やヤル気を高めたいからって、わざわざ危険な状況に身をおいて、アドレナリンとノルアドレナリンを出すというのは本末転倒ですし。
根来 そこでおすすめなのが
遊園地
です。
ドキドキワクワクハラハラと、さまざまな刺激が盛り沢山で、アドレナリン、ノルアドレナリンをはじめ、たくさんのホルモンが勢いづくこと請け合いです。
いし なるほどー! 童心に帰って遊園地ではしゃぐことでやる気や集中力が養われるなんて、オモシローイ!
根来 ただし、アドレナリンやノルアドレナリンが出過ぎると、ストレスホルモンのコルチゾールが出てしまうので気をつけてくださいね。
いし 楽しいからって浮かれすぎてもダメなんだ。
根来 あと大きな声を出すのもいいんですよ。カラオケで思い切り大きな声で歌ったり、お友達とキャーキャー言いながらホラー映画を観るのもいいですね。
いし それはストレス発散にもなりますね。
根来 ただし、楽しいからと言ってあまりにも歌い続けると、ドーパミンが過剰になり、ギャンブル依存症のように逆に疲弊して、メンタル面で支障をきたすリスクもあります。
いし カラオケ依存症ですね。
根来 ホラー映画もハラハラしながらも楽しめるぶんにはいいのですが、観終わっても恐怖感を引きずるようではプラスの効果は望めません。
いし ホルモン分泌には、適度にゾクゾクするのがいいんですね。
根来 怒るのもいいですよ。
いし えっ、怒っていいの? 怒りはネガティブな感情だからよくないのかと。
根来 身近な人に怒りをぶつけるのは感心しませんよ。
でも、怒る行為自体がダメなのではありません。たとえば、政治に対して怒る、経済に対して怒る、国際情勢に対して怒るなど、社会という大きな枠組みに対する怒りは人間として、むしろ自然でまっとうな感情です。
親しい仲間たちと無礼講の場で適度に怒り合うことは、アドレナリンを出すメソッドとしても、有効だと思いますよ。
いし 今の日本は、怒りたいネタにはことかきませんからね。
問題意識を持って、みんなでワイワイ議論して、適度にアドレナリンを出せば、何かよいアイデアの糸口がみつかるかも!?
根来 それではみなさん、今日も素敵な1日を!
取材・文/石丸久美子 撮影/角守裕二 イラスト/浅生ハルミン